花咲小路二丁目の寫眞館

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591172520

作品紹介・あらすじ

たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。
新米カメラマンの樹里が働くのは、商店街に昔からある<久坂寫眞館>。
店主の重はカメラマンの腕がいいはずなのに、写真を撮ろうとしない。それもそのはず、重が撮影をすると、<奇妙なもの>が写真に写り込んでしまうというのだ。
写り込んでいるのが「過去」のものだとわかったことがきっかけで、昔の花咲小路商店街にタイムスリップしてしまった二人。
若かれしセイさんの力を借りて、謎に包まれたままの火事の真相を探ろうとするが、そこには大きな秘密が隠されていてーー
累計15万部突破の大人気「花咲小路」シリーズ第7弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「花咲小路」シリーズの七作目ですね。
    日常の謎のエンターテイメントミステリーです。
    花咲小路商店街の二丁目の「久坂写真館」に桂樹里が面接に訪れる。久坂写真館の社長の久坂重と面談するところから物語は始まる。
    実はこの久坂重はどうも特殊能力があって、カメラで撮影すると不思議な現象が起きる。
    面接早々に雇用が決まり、話の弾みから試しにカメラ撮影してみようと云うことになり、カメラを撮影するととんでもないことに…。
    出版社の関係か、児童文学書のような展開の物語ですね。
    今回はこのシリーズの影の主人公の通称『セイさん』ドネィタス・ウィリアム・スティヴンソンさん、日本名は矢車聖人。年齢は七十代後半。実は《怪盗セイント》とのタイムトラベルミステリーの物語です。
    小路さんの物語は読みやすく、話が良くまとめられているので物語に身をまかせてワクワクしながら読み進めました。
    基本がポジティブなので楽しく読めるのが良いですね!

  • 花咲小路シリーズ第7作。
    今回は、SFやファンタジー要素が入ってきた。
    ざっくり言うと、特殊能力のある寫眞館主とそこの動じない新人従業員、そして万能のセイさんが過去に戻って、現在に影響を及ぼしそうな事件の真相を探る話。

    お馴染みの御都合主義でなんとかなる展開は苦笑ものだけれど、読み心地はいいから始末が悪い。
    著者の作品には読み心地の安定感しか求めていないので、それでいいのだが。

  • 話しの展開が遅くて読んでいてもなかなか先に進まない。残り100ページくらいから動きがあって少し面白くなりました。タイムトラベルとか怪盗だとか素直にのめり込めてない私。昭和51年がタイムスリップ先というのがせめてもの興味の対象でした。
    ラストも具体性に欠けててなんとなく消化不良な感が。とりあえずハッピーエンドで終わったのかな、と、終わり方も曖昧な感じでした。330ページ、とにかく一冊読めました。

  • 全てが上手く行き過ぎに思います。
    小説だからこれで良いのかな。
    ワクワクする処が無かったような気がしますね、

  • これまでにもさまざまな人、事件、場所が出てきた花咲小路商店街。お次の舞台は新米カメラマン(フォトフラファー?)の樹里が働く久坂寫眞館。
    車に魂が乗り移ったり、不思議な住人がいたりする花咲小路商店街、今度はタイムスリップ?重さんの力ってすごい。花咲小路商店街シリーズで久しぶりにワクワクした。(これまでのも面白かったけど、ちょっと慣れちゃった感があったかな。)

  • <属>
     この連作本のシリーズ名はなんだったろうかとふと考える。「花咲小路二丁目」がシリーズ名だったか。確かほらイギリスの怪盗が登場する物語だったよなぁ,とぼんやり考えながら読み進む。

     本書を何日かかけて読んでいる最中、会社仕事昼休み時間に読んだページの最高記録を更新したはずなのだが何故かその具体的記録をとっておくのを忘れた。なので想像で書く。すまぬ。26分間で37ページ。どうだ!この記録を破った読者諸兄姉はすぐに僕迄ご一報を。ささやかに表彰しますのでwww。
    ・・・くらいに集中して読めて面白い作品でした。前半は・・・。

     後半もまあ面白い。面白いが相変わらず小路君は物語を大家族的親子孫子爺さん婆さんひい爺さんその他多くの世代に渡って書くのが好き,というかもう他のは書けなくなっているご様子w。 それでも若い読者には 「ウンウンそうだろそうだろ面白いよなぁ」と分かってもらえるのだろうが,小路くんよりいくらか年長の僕の様な記憶力読解力に乏しい読者は,途中で「あ,もういいや,分かんないけど先行っちゃえw」となるのであった。

    しかもそこへ今作はなんとタイムトラベル的な力技要素迄加えてしまっているので,もうサッパリ63歳の僕には「はてな???」状態なのだ。それでもまあ少しは面白いのでではござるがwww。 でも素直な意見を率直に歯に衣着せぬ言い方で云う。もう今作でこのシリーズは終わって欲しい。こんな作品しか書けないなら,これはいわゆる『末期のドラゴンボール』と同じなので潔く筆を折って欲しい。辛辣だが的を射た進言だと年長の僕は思うのだ。あ,すまぬ。

  • (2022/5/16読了)
    花咲小路シリーズ第何作目なのかな?私にはこの本で7作目です。
    こんなファンタジー的なSFチックなシリーズだったかしら?
    長めの序章のような話があってからの本筋、からの誰も悪者にならないハッピーエンド。
    まるでドラマのようだとか作中に何度か書かれてます。たしかに現実ではあり得ないことだけど、それを言っちゃうのは、なんか言い訳しているような感じを受けました。
    星4つはおまけ。内容的には面白かったし、ほっこりしました。

  • シリーズ第何弾になるのだろう。
    今までとは少し趣を変えた、タイムトラベルの話。
    勿論セイさんは大活躍。
    [図書館·初読·3月5日読了]

  • 今回は2丁目の寫眞館が舞台。
    タイムトラベルというSF要素を含んだお話。
    4丁目のアーケードの火事の真相を突き止める。
    現代より火事のあった時代の人たちとの出会いが多い。

    重さんと樹里ちゃん、お似合いなのでは?
    二人の今後も気になる。

  • 写真館に住み込みで就職したフォトグラファー樹里が、特殊能力を持つ店主の重と、お馴染みセイさんと一緒に過去の商店街の事件の謎を解決。今回はセイさんは怪盗技術の一部を若き二人に伝授しながらの大活躍で、やはりセイさんあっての花咲小路シリーズという感覚が帰ってきて楽しい。
    バック・トゥ・ザ・フューチャーをふと思い出す、深く考えてしまうと混乱しそうなタイムトラベルもの。

    腹違いとか種違いの家族関係が出てくるのはお馴染みで、そして描かれ方は優しい。
    樹里のお母さんのことはあっさり解決済みとなってしまったのだけれど、もうちょっと詳しく知りたかった気はする。この後、重の能力は変わらないままなのか、樹里とはこのまま夫婦になり写真館を安定経営していくのか、いつか別の主人公の新作が書かれた時にでももし垣間見られたら嬉しい。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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