縁結びカツサンド (ポプラ文庫 日本文学 453)

  • ポプラ社 (2022年8月4日発売)
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  • 本 ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591174715

作品紹介・あらすじ

<story>
駒込うらら商店街に佇む、昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」。
あんぱん、クリームパン、チョココロネ。気取っていない顔が並んでいて、見ているだけでほっとするような、そんなお店。
一家で経営してきたコテンの未来を背負うのは、悩める三代目・和久。
商店街が寂れる中で、コテンを継ぐべきか。「自分なりのパン」を見つけないといけないのではないか。創業者のじいちゃんが亡くなって、店名の「コテン」の由来もわからない。
日々迷いながらパン生地をこねる和久のもとには、愉快なお客たちがやってくる。
ヒョウ柄のコートを着込む占い師に、就活に落ち続ける学生、肉バカの肉屋の息子。
人の悩みに寄り添うパンを焼こうと奮闘する和久が、やがて見つけた答えとは――
しぼんだ心を幸せでふっくらさせる、とびきりあったかな“縁”の物語。


<プロフィール>
冬森灯(ふゆもり・とも)
第1回おいしい文学賞にて最終候補。『縁結びカツサンド』にてデビュー。著作に『うしろむき夕食店』など。

感想・レビュー・書評

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  • 駒込うらら商店街にある「ベーカリー・コテン」は、家族経営でつないできた昔ながらのパン屋さん。
    結婚や就職など、人生の節目にとまどう人たちが「コテン」を訪れ、パンを通じて三代目の店主音羽和久と、常連客となった人たちとの縁が深まっていく。
    和久が店を継ぐこと、自分のパンを見出すことに迷いながら、前に向かって進んでいく物語。

    創業者である和久のじいちゃんの残した言葉が、とても素敵でした。
    ノーと言えないのは、弱さじゃなくて強さだ。
    断ることは、可能性を断ち切ることになる。だなんて、断るのが苦手な私にとって、とても嬉しく励みになる言葉です。

    巻末に載せられていた短編「もうひとつの縁結びカツサンド」は、書簡体で、とても初々しく微笑ましい作品でした。

  • 老舗のパン屋が繋ぐ縁がみんなを笑顔にしていた。某カフェで、この話に出てくる縁結びカツサンドを食べてこれは読まねばと思った。読んで食べればもっと楽しめたな~。
    カツサンドにこんな素敵なストーリーがあったなんて!
    毎話登場する人物が次の話にもぞくぞくと出てきて成長していってる過程も見れた。
    一番の成長は店主だけどね。
    ドーナツ、カレーパン、コロネ。どれも美味しそう。

  • 東京駒込の商店街にあるパン屋『コテン』の話。おじいさんが店を始めて、今は孫である三代目が奮闘中。ドーナツ、カレーパン、コルネ、カツサンド、それぞれにまつわる人情話が連作短編の形で収録。すらすら読めるが、この手の話も多くなったから、新鮮味にかけインパクト不足かな。

  • 書店で買おうか悩んで、ポップに惹かれて購入。
    うらら商店街に佇む、昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」が舞台というかキーになってお話が進められた。最初は物足りないかと思っていたけれど、悩める三代目がだんだんと頼もしくなり、いい商店街の絆が見れた気がした。

  • 縁結びって男女の縁かと思ったけど、男女関係なくいろんな人達とのつながりからできたカツサンドの話。おいしくて、ほっこりする。

    出てくるパンがどれも美味しそうで、わたしはカレーパンとカツサンドが食べてみたい。いろんな種類のカレーパン気になる。カツサンドもソースが滲みてて美味しそう。よだれがでそう…
    パン屋さんに行きたくなった。

  • 文庫本にプラスされた短編を読了。
    プロローグであり、エピローグ、お手紙形式でよかった。

  • 心温まる、色んな縁を結ぶパンを試行錯誤しながら作っていく。そんなお話でした。
    パン屋の名前の"コテン"の由来は、結局わかったようなわからなかったような、少しモヤっとしたところはありますが、その人その人の思う"コテン"なのでしょう。個性豊かな登場人物たちが、3代目の作るパンによって結ばれる縁は、あらすじの通りあったかなものでした。美味しい本、心温まる本を読みたい人におすすめです。

  • 第一話の女性がなんか痛々しくって、
    ちょっと読むスピードが遅くなってしまいました。
    辛い時期を乗り越えるからこその、
    乗り越えた喜びなんだろうけど、
    ヘタレなんで、辛い時期が辛すぎて。

  • ☆4

    昔ながらのパン屋さん「ベーカリー・コテン」が舞台となる物語。
    そこで出会う人たちの《縁》が繋がって続いていく素敵な作品でした❁⃘*.゚

  • ハートウォーミングな物語で悪くはないんだけど、イマイチはまれなかった。もっと食べ物の描写がそそるものであったなら。

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