ライオンのおやつ (ポプラ文庫 日本文学 455)

  • ポプラ社 (2022年10月6日発売)
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本 ・本 (279ページ) / ISBN・EAN: 9784591175064

作品紹介・あらすじ

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
2020年本屋大賞第2位。

感想・レビュー・書評

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  • 雫さんが終の住処としてレモン島のライオンの家で過ごした大切な時間を私も同じような気持ちで読み進めていました。
    それぞれのおやつの物語、これまでの人生の物語、
    最期にどうなりたいかと考える時間、
    ところで、例のあれは、どんな感じでしたか?と
    良い旅を!と支えてくれた人、
    物語の言葉が優しく穏やかで、死を目前にしている人達が懸命に生きている事に心を打たれました。
    死の直前まで変わるチャンスがあると言う事を大切に
    私も感謝しながら生きていきたいです。
    読み終えてからもずっと
    六花、ゆっくりだよ。しーちゃんは、そんなに
    早く走れないからね  の言葉が何回も心の中で
    繰り返されています。
    私も心から雫さんお疲れ様でした。ゆっくり休んでください、と思いました。

    • きたごやたろうさん
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本、積読になっているんですよね笑。
      読みたい本が多過ぎます!
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本、積読になっているんですよね笑。
      読みたい本が多過ぎます!
      2024/12/14
    • まめたカチカチパスタさん
      こちらこそ何時もコメントありがとうございます!
      この物語も私にとって大切な作品です。
      言葉の一つ一つが心に凄く響きますよね。
      こちらこそ何時もコメントありがとうございます!
      この物語も私にとって大切な作品です。
      言葉の一つ一つが心に凄く響きますよね。
      2024/12/14
    • きたごやたろうさん
      はい!
      確か、何かの賞もこの作品でお取りになられましたよね。
      はい!
      確か、何かの賞もこの作品でお取りになられましたよね。
      2024/12/14
  • 人生のクロージングに向けて、何とも暖かくなる物語。
    今を愛おしく感じられる物語です。

    「ライオンのおやつ」
    のタイトルからは想像できない、ホスピスにおける一人の女性の生き様の物語でした。
    といっても、まったく暗い物語ではありません。

    余命宣告された主人公の雫が選んだのは、一人、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を送ること。
    その島で出会う人、ホスピスの人たち、犬の六花との生活の中で、最後の大切な時間を過ごす。

    ライオンはホスピスの人たち。
    毎週日曜日に入居者がリクエストできるおやつの時間。
    それが「ライオンのおやつ」
    そこで語られるエピソードが心に染みます。

    そして、雫がこと切れる間際に、リクエストしたおやつとそのエピソード。
    ここからは涙なくては読めない。
    雫が死の間際にあった人..
    嗚咽してしまった。
    電車の中で読んではいけません。

    そして、エンディング
    とても暖かい気持ちになりました。

    自分ならどんなエピソードとどんなおやつをリクエストするんだろう..

    今、この時間を、健康を、大切にしたいと思います。

    とってもお勧め

  • 素敵すぎるホスピスと素直な人たちの幸せな時間を切り取ったお話に感じた。
    いいなぁ、素敵なホスピス。入りたいし働いてみたい。

    登場人物みんな、本当にいい人!
    おやつの思い出もさることながら、ふかふかのベッドで、したかったことをして、ストレスなく終わりに向けて進める場所って素敵。
    雫さんもお父さんもタヒチさんも素敵。

  • うーん
    自分が好きな食べ物はいくつもあるが

    オヤツで言うなら…
    クリームソーダですね
    現在44で普段は水かノンアルコールビールしか飲みませんが…

    ドリンクバーやハンバーガー買うときも選べるならメロンソーダを選ぶ

    あの身体に悪そうな色
    決してメロンじゃない味
    それにアイス乗ってる感じ

    少年心にドッカンドッカン来ます(笑)

    ふとした時に気づくと
    母親と食事をした時も、選ばしたらクリームソーダを頼んでいて…

    さらに成人した娘と食事をしてても…やっぱクリームソーダ頼んでる…

    結局似てくるのかもね…

    この作品は余命わ宣告されたような方々が主人公でしたが

    そもそも 生き物はオギャアと産まれた時点で
    始まってるのだから、その時点で余命だと自分は思う

    自分は生き物も大好きなので(昔ペットショップで働いてた)
    色々飼育してきてますが、毎回出会いや別れの向き合い方、見方も
    マドンナさんと同じだと思います

    人の事は言えませんが
    なんとなく生きてはいけないと思います。

    ※だから話は変わるけど…結局俺が何を言いたいかって言うと
    【川口春奈CM出すぎじゃない?】って事!!

  • 若くして余命を告げられた主人公が、人生の最後を瀬戸内のホスピスで過ごす物語。
    暗い話かなと思って読み始めたけど、全く違った!
    限られた人生をとても前向きに過ごす物語で、読んでいてほっこりして前向きな気持ちになれた。

    『病気になって良かったとは、まだ心から言えない。でも、たくさんのギフトを恵んでくれたのは事実だ。』
    『私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの?』
    という言葉はとても心に響いた。

    毎週日曜日の"おやつの時間"のおやつの背景にあるエピソードには涙が出た。
    読後は"ライオンのおやつ"というタイトルに心がしみた。

    多くの方に読んでほしい小説です。

  • 人生の最後に食べたいおやつはなんですか―
     若くして余命を告げられた雫は瀬戸内の島のホスピスを最期の場所と決める。ホスピスでは毎週日曜日におやつの時間がある。ゲストと呼ばれる入居者がリクエストし、ランダムで食べられるという。システムです。おやつを食べたり犬の六花とたわむれたりして雫は最後のときへとすすんでいく。
     死は誰しも訪れます。私だっていつかは死んでしまいます。この本はテーマが「死」なのに不思議と暗い気持ちにならない。今が愛おしくなります。登場人物がみんないい人で読んでいるととてもあたたかい気持ちになれます。

    • マメムさん
      初コメです。
      自分の想い出のおやつとの再会、そのエピソードと共にみんなで食べるホスピスの暮らしは、悲しくも温もりを感じますね♪
      初コメです。
      自分の想い出のおやつとの再会、そのエピソードと共にみんなで食べるホスピスの暮らしは、悲しくも温もりを感じますね♪
      2024/09/21
    • うたえながさん
      コメントありがとうございます!悲しい話だけどどこか心があたたまるような話ですよね!
      コメントありがとうございます!悲しい話だけどどこか心があたたまるような話ですよね!
      2024/09/22
  • こんな素敵な場所で最期を迎えれたら理想ですね。
    にしてもマドンナさん素敵すぎます!最期の時にマドンナさんが側にいてくれたら心強いだろうなぁ…
    お父さんが雫に会いに来た場面はもう涙が止まりませんでした!
    ワンちゃんを飼っているので、雫が六花に抱く
    「かわいい、という言葉を、百個並べても、千個並べても、一万個並べても、私の中に沸き起こるかわいいの感情には追いつけない。」のところを読んだ時には共感度100%で分かるー!!と何度も頷きました。
    ずっと読みたいと思っていたので、読了できて大満足です。

  • 2020年 第11回新井賞受賞

    人生の最期を迎える場所を自分で選択できるのなら、こんなどこかのホスピスへ一人で行きたい、と思う
    死を意識して生きる時間を穏やかに暮らせる財力は残しておこうと思う

    • おびのりさん
      可愛いでしょ
      可愛いでしょ
      2024/07/01
    • おびのりさん
      ビマキさん、主人にも子供にも嫌だあ
      親を二人とも看取ったけど、母親はコロナ禍後だったけど やっぱり個室で亡くなるまで付き添いだったんだよね
      ...
      ビマキさん、主人にも子供にも嫌だあ
      親を二人とも看取ったけど、母親はコロナ禍後だったけど やっぱり個室で亡くなるまで付き添いだったんだよね
      数日って言われたから、まあやるかってなるんだけど、交代って誰もいないから、一緒に死にそうになるよ
      買い物も行けないし、コロナ禍の後食堂も閉鎖で、さすがになんか食べんと起きていられなくて
      主人に3食分くらいなんか差し入れてくれって連絡したわけ
      そしたら、買ってきてくれたのよ
      まず、これは お昼っておにぎり
      次は、夕飯って、おにぎり
      明日の朝って、おにぎり
      おい、マジかよって、言わなかったよ
      ありがとうって言えた自分を褒めてあげたい
      2024/07/02
    • bmakiさん
      おびのりさん、、、
      めちゃくちゃ偉いです!
      凄いです!
      普通の人ならちゃぶ台ひっくり返して帰っちゃいますよ!!!
      尊敬しかないです。
      もうこ...
      おびのりさん、、、
      めちゃくちゃ偉いです!
      凄いです!
      普通の人ならちゃぶ台ひっくり返して帰っちゃいますよ!!!
      尊敬しかないです。
      もうここからの人生、おびのりさんは好き勝手生きる権利有りです!
      多分良いことしか起きないはずです!
      2024/07/02
  • 良かったです
    死ということに対して、堂々と真正面から向き合った話
    必ず訪れる死に対する恐怖と不安、人は死んだらどうなるんだろう、きっと後悔だらけなんだろう
    思う事はあっても、深く考えた事はありませんでした

    しかし、作品を読んでいると自分が描いているイメージと違って前向きになっていきます
    勿論、病気と闘う現実は重く悲しく甘くないでしょうが、それよりも生きる喜びや人生の振り返りを小川さんの温もりのある言葉で包み込んでいるからです

    心と体の痛みを和らげるお手伝いをしてくれるホスピスでの生活は、余命僅かな患者達を支えてくれます
    穏やかで優しく煌めく瀬戸内海
    そこに浮かぶレモン島
    柑橘の畑
    目の前に海が広がる葡萄畑
    毎朝食べる違う種類の優しいお粥
    昼のバイキング
    夜の一汁三菜
    ゲスト希望の日曜日のおやつ
    マスターが淹れてくれる美味しい珈琲
    お世話してくれる人達
    そして、六花という愛おしい犬
    全てが。。。
    読んでいる私もとても癒されました

    生きている事の喜びや温もりを感じる
    死を受け入れる事は、死にたくない、もっと生きていたいとう感情も含めて認めてあげる事、と作中にありますが、そんな風に自分が考えられる様になるかは全くわかりません

    しかし、歳は食っていても健康な身体を持った今
    もっと自由に、もっと欲深く我儘に生きてもいいのではないかと、ちょっと立ち止まって考えてみる機会が出来ました

  • 食べたものは生きてきたことの証
    描写から情景が浮かんでくる
    五感で感性をくすぐられる作品

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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