アップサイクル! ぼくらの明日のために (teens’ best selections 66)
- ポプラ社 (2023年10月4日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (223ページ) / ISBN・EAN: 9784591179260
作品紹介・あらすじ
アップサイクル=本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること。
アップサイクルは、暮らしの中ではじめられるSDGsの第一歩。
丈、紫月、王(ワン)ちゃん、中学2年生の3人は、夏休みのグループ研究のため、紫月の姉の茜の研究スタジオに集まった。3人が研究テーマとして見つけたのが「アップサイクル」。
スタジオにあったのは、古びた大きな黒板、年代物のミシン。3人はアップサイクルの試作品として、ミシンの下部を脚に、黒板を天板にしたアップサイクル・テーブルを完成。
打ち合わせのメモも落書きもできて便利だし、そして何よりかっこいい!
「アップサイクル」のおもしろさと楽しさに気づいた3人が次に考えたのは、これを「社会とつなげること」、そして、継続して行う事業にすること。
「中学生で会社って作れるの?」
「アップサイクルで儲けるなんて、なんだか嫌」
と、またまた議論をくりかえす。
やがて、まちと自分たちの事業をつなげるサイト作成に乗り出すことに。
しかし、自分たちのやりたいことの完成形が見えてきた時、王ちゃんのタブレットからこれまで積み上げてきたデータが盗まれる事件が……!
アップサイクル×起業する中学生──「新しいこと、面白いことやろうよ!」中学生たちの熱い思いにワクワクがとまらない傑作YA!(装画:木内達朗)
感想・レビュー・書評
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初めての作家さん。
中学2年生の夏休みの社会科の宿題にしては、
すごい高度な課題に挑戦したと思う。
「アップサイクル」という言葉も、初めて知った。
中学生らしい友人関係のやり取りが、ほほえましかった。
「未来を大人だけに任せておくわけにはいかないのだ。自分たちの未来なのだから。」
こんな風に考える子供たちがどんどん増えてほしい。
もちろん、子供では出来ない法律や制度のことは大人のサポートが絶対必要だ。
博士ちゃんや、天才君など、テレビでも話題になっているが、子供の興味や才能をどんどん伸ばせる環境や仕組みを社会が後押ししてくれたら、未来は安泰!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夏休みのグループワークの宿題から、アップサイクルを始める丈・紫月・王と紫月の姉茜さんと彼氏のたっくん。
タブレットでAIも利用しながら、起業も頭に入れ進めてゆく。
佐藤まどかさんは、時代の最先端を取り入れながら、児童にわかりやすく書いてくれる。読みやすいのが嬉しい。 -
夏休みの宿題でグループ研究に取り組む中学2年生の丈(じょう)、紫月(しづき)、王(わん)ちゃん
古い黒板と昔の足踏み式ミシンを組み合わせて「グラフィティ・テーブル」を作ったことから「アップサイクル」に興味を持つ
アップサイクル──捨てられるはずの製品に新たな価値をあたえて再生すること、創造的再利用
「おもしろいことしようよ! やっぱアップサイクルで、実際になにか作ろう!」
3人はアップサイクルを研究テーマに、それぞれの持ち味を活かしながらディスカッションを重ねてプロジェクトを進めていく
〈アップサイクルでぼくらは社会に挑戦する!〉──帯のコピー
著者は『アドリブ』で日本児童文学者協会賞&児童ペン賞少年小説賞、『スーパーキッズ』でうつのみやこども賞を受賞したイタリア在住の作家
YAで定評のあるポプラ社teens' best selectionsレーベルから、2023年10月刊
〈未来を大人だけに任せておくわけにはいかないのだ。自分たちの未来なのだから。〉
三人称で書かれた中学生3人のディスカッションが頼もしい
そして、ラストにおとずれる2つの“アップサイクル”にしてやられる -
学校の課題をきっかけに、じっさいに社会に打って出られるくらいのアイディアを生み出し、展開していく物語。ちょっとした邪魔が入るところも含めて、アメリカのミドルグレードあたりにありそうな読み味だった。
彼らの作り出すテーブルやら、このプロジェクト自体のネーミングがセンスよくて、かっこいい。それから、商標登録の出願などもちゃんと(お姉ちゃんが)やっているのもいいですね。
テンポ良く読めるけど、会話がちょっと説明的なところが多くて、仕方ないこととはいえ、そこは今ひとつのめり込めなかったかな。 -
リサイクルならぬアップサイクル。捨てられるはずのものに新たな命を与え再生する。
著者プロフィール
佐藤まどかの作品
