- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591179802
作品紹介・あらすじ
『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞!3年連続、本屋大賞ノミネート!!自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。 死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作!
感想・レビュー・書評
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あなたは、『葬儀社』にどのようなイメージを持っているでしょうか?
『死はすべての生きもの』にとって避けられないものです。しかし、昨今、核家族化が、さらには少子高齢化にもよって、私たちは人の『死』に接する機会が少なくなりました。そもそも会社で訃報が出ても、それは”身内で執り行われた”という結果報告であって、実際に通夜・葬儀に赴くこともすっかりなくなりました。また、親族が亡くなった場合でも、その関係性によっては参列しないこともあるように思います。
そんな中では『葬儀社』という場自体が縁遠くも感じられ、『ドラマや映画』の中のイメージが先行してしまう感さえあります。一方で、人に『死』というものが避けられない以上、どこまでいっても『葬儀社』がなくなることはありません。昨今、『家族葬を専門とした葬儀社』も増えてきていると言います。では、そんな『葬儀社』の舞台裏にはどんな人たちがどんな思いの下に働いているのでしょうか?
さてここに、『家族葬を専門にした葬儀社』を舞台にした物語があります。『故人が喜んでくれるはず』と『花祭壇をうつくしく作』ることに情熱を傾ける主人公を見るこの作品。そんな主人公が自らの仕事の思われ方に心痛める様を見るこの作品。そしてそれは、『故人との最後の時間』を過ごす遺族たちに気持ちを込める『葬儀社』で働く人たちの思いを見る物語です。
『真奈が怒る意味が分からない』と『ふたつ上の姉の愛奈(あんな)にきっぱりと言われたのは主人公の佐久間真奈。親友の楓子(ふうこ)の結婚式に出席した真奈は『結婚式に憧れを抱いていた』楓子の姿を見て、『五つ年上だという、たったそれだけの理由で結婚にいい顔をしていなかった義両親に式を明け渡せば結婚がうまくいく』と楓子が一切を妥協し、『式の一切を仕切った』義両親の態度が許せず、そのことに対する思いを姉に吐きました。『義理の両親が喜んでくれたのなら、いいじゃん』と『呆れた目を向け』る姉。『余計な喧嘩』をしても仕方がないと思った真奈は『それで、大事な話って何?』とそもそも姉に呼ばれた本題に入ります。それに『お母さんと実家で同居することにした』、『あの家、あたしが貰うわね』と語り出した姉に『どうして急に』と返す真奈。『お母さんね、子宮摘出手術を受けることになったのよ』と話す内容に『初耳だった』と驚く真奈。そんな真奈に『リフォーム』費用を負担して欲しいと語る姉。それに『…振込先の口座、教えて』と返す真奈は、『話を終えてマンション』を後にします。そんな真奈は『お母さんは真奈のこと心配して』る。『あたしも、お母さんの意見に賛成。というより、あたしは子どもたちの誰にも、真奈の仕事に就かせたくないもん』と姉に言われたことを思い出し『ため息を吐』きます。そして、『スマホを取り出して、母の番号を呼び出』そうとしますが、結局は止め、『代わりに、なつめに電話をかけ』ます。『本業は、作家』という なつめは『大学二年生のときに書いた小説が新人文学賞を受賞して、華々しくデビュー』したものの、『二作目以降は揮わ』ない状況が続いています。飲みに誘うも『あー、無理。あたし夜は仕事』と言う なつめは『本業だけで生活できなくな』り、『デリバリーヘルス』で『「みかん」という源氏名で』働いています。そんな なつめに『彼氏誘えばいいじゃん』と言われ、『彼氏の純也の顔がぱっと思い出されて、思わず顔を顰めた』真奈ですが、『正直会いたくない』と思います。
場面は変わり、『はい、こちら家族葬専門葬儀社、芥子実庵(けしみあん)でございます』と『ことさら穏やかな声で』電話に出たのは社長の芥川。『それはご愁傷さまでございました。お悔み申し上げます』と続ける芥川が営むこの会社は『家族葬を専門にした葬儀社』であり、『芥川さんの祖父、肇さんが創業』しました。『一日一組限定。故人との最後の時間を、温かな空間で、大事なひとたちと静かにお過ごしください、というコンセプトのもとに運営されている』『芥子実庵』で『葬祭ディレクターとして働いて』『かれこれ九年』という真奈は、『葬祭ディレクター一級を取得し』『ようやく一人前になれた』と感じています。しかし、かかってきた案件に『みんな口を揃えて「お前じゃ無理だ」』、『お前は、遺族側だろうが』と言われた真奈。『亡くなったのは、なつめ』でした。『一昨日の晩、常連客だった男と心中した』という なつみは『手書きの遺書を残してい』ました。『生きることに疲れたので自分の意志で死を選びます…死後の手続きなどをひとりのひとに一任します』というその内容。そんな一任を受けたのは働いていた先の『マネージャー、久米島という男性』でした。『まさか客と心中なんてねえ。さすがに初めての経験』と語る久米島は、『友人の勤めている芥子実庵で葬儀を』と遺書に書かれていたことを語ります。『なつめに最後に会ったのは、二週間前の楓子の結婚式』と過去を振り返る真奈に、『芥子実庵で、佐久間真奈さんの担当で、佐久間さんの手で簡素な式をお願いしたい。葬儀の連絡を取ってほしいひとは、高瀬楓子さん』という遺書の内容を伝える久米島。『わたしの手で…』と愕然とする真奈は『友人の葬儀など、どうして担当できるだろう』と逡巡します。『なつめらしい、そしてわたしらしい祭壇とは、何だろうか』と思う真奈は、一方で楓子に連絡を取ります。『ねえ嘘でしょ…』と『電話の向こうで』『泣き崩れる』楓子の一方で、『もしもし』と電話にでた夫の高瀬。そんな高瀬は『楓子は…行かせません』、『ネットニュース、読んでないんですか?江永なつめが勤務先の風俗店の客と心中、って出てますよ』、『楓子は著名な作家と友達』だと『家族や親族に話してたのに、デリヘル嬢だったなんて酷いですよ』と語ります。『こっちは顔潰されたんですよ…』と続ける高瀬に『葬儀の準備があるので、失礼』と真奈は通話を終えました。そして、『どうして、なつめはわたしや楓子に相談してくれなかったんだろう』と なつめのことを振り返る 真奈。『佐久間。芥川さんと相談したんだけど、オレがやるわ』と なつめを搬送してきた嘉久が言ってくれます。それに『…いえ。大丈夫です』、『わたしがやります』と覚悟を決めた真奈。『わたしが、なつめを見送る道を作る。作ることができる』と思う真奈。葬儀社で働く真奈の仕事にかける熱い思いが描かれていきます。
“地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター…死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作!”と内容紹介にうたわれるこの作品。葬儀社を舞台にした物語が描かれていきます。
小説が人間ドラマを描くものである以上、そこには人の一生のさまざまな場面が切り取られていきます。そんな中では、この世のすべての人が行き着く場所でもある『死』は避けて通ることができません。そして、そんな人の『死』を見送る場である『葬儀社』も小説の舞台としてたびたび取り上げられています。私が読んできた作品の中にも”葬式のあの何とも言えない荘厳さと悲しさが好き”という主人公のお仕事を描く宮木あや子さん「セレモニー黒真珠」、”三日やったらやめられない”という葬儀屋・セレモニー桐谷の舞台裏をW不倫の官能世界に見る村山由佳さん「花酔ひ」、そして”葬儀社は年中無休、二十四時間営業”という天幸社を舞台に人の死を見つめる町田そのこさん「ぎょらん」など今もって私の中に強い印象を残す作品が多々あります。そうです。この作品の作者である町田そのこさんは他にも『葬儀社』を舞台にした作品を執筆されているのです。そんな町田さんがこの作品で光を当てるのは、昨今需要が非常に大きくなってきたと言われる『家族葬を専門にした葬儀社』です。では、そんな『葬儀社』がどういった特徴を持つかをまず見ておきましょう。
● 『家族葬を専門にした葬儀社』『芥子実庵』はどんな葬儀社?
・『家族葬を専門にした葬儀社だ。芥川さんの祖父、肇さんが創業者』
・『古民家をリノベーションした斎場で、一日一組限定。故人との最後の時間を、温かな空間で、大事なひとたちと静かにお過ごしください、というコンセプトのもとに運営』
・『四季折々の花を楽しむことができる豊かな庭と、どこか懐かしさを感じる一軒家。室内は和を基調としており、遺族控室には囲炉裏がある』
・『バスルームや寝室は高級ホテルのようにラグジュアリーな設え』→『別れのための時間が豊かになるよう、少しのストレスも感じないよう、さまざまなところまで気配りされている』
・『従業員は、あまり多くない。嘉久に井原、亀川という四十代の男性と唯一の女性社員佐久間、新入社員の須田の五人』
いかがでしょうか?どことなくイメージが湧いても来ます。『一日一組限定』とこじんまりとした『葬儀社』であることが分かりますが、その分、一人ひとりをお見送りする丁寧さを思わせもします。そんな『葬儀社』が舞台となる物語を読み終えて私の中に残った印象は、『葬儀社』という場自体の”お仕事”とそこで働く従業員の”覚悟”、”生き様”を描く”お仕事小説”の色合いが極めて濃い作品だということです。物語は五つの短編が連作短編を構成していますが、まずは、『葬儀社』の”お仕事”のリアルを見てみましょう。
『故人がどんなに大往生であっても、ナイーブになってしまう遺族がいる。そういうひとはどれだけ丁寧に接しているつもりでも、些細な言動にいちいち反応して、気遣いが足りないとか、親身になってくれないとか言う』。
『死』というものに対する思いは人によって千差万別です。日常において極めて冷静に物事に接しているような人であっても身近な人の『死』に接した時にどのような反応を示すかは全く別物です。感情が繊細になっている分、その接し方の難しさは間違いなくあるのだと思います。
『接客に大事なのは笑顔だとよく言われるけれど、この仕事に限っては使えない』。
なるほど。これは、言われてみて、ハタと気づかされます。この世に接客業は数多あれど『笑顔』で接することが許されない場というのは『葬儀社』くらいではないかと思います。ある意味で極めて特殊な職業とも言えます。では、そこで働いている人の本音はどうでしょう。『葬儀業なんて、胸張って自慢できる仕事じゃない』と話す働きはじめて三ヶ月目の新人従業員の語りです。
『遺体を扱う以上あまりよいイメージを持たれないし、客にはとても気を遣う。土日祝日は関係ないし、夜勤はあるし、施行が入れば拘束時間が長くなる。じゃあその分給料がいいかといえば、そうでもない。ドラマや映画ではあたかも尊い仕事のように描かれるけれど、あんなのは作り物でしかない』。
人の『死』がいつ訪れるものか分からない以上、その勤務の特殊さはここに言われる通りだろうと思います。『ドラマや映画では…』という下りはこれが小説に書かれていることを思うと強烈な皮肉にも感じますが、その分強い説得力をもって伝わってもきます。
『「ひとりの人間の後始末」という、誰かがしなくてはならない、特別な技術を要さないただの仕事にしか過ぎない』
『ひとりの人間の後始末』という言いようは究極だと思いますが、『葬儀社』の仕事をある意味で言い得ているとも思います。物語は、そんな『葬儀社』で働く人たち、関係する人たちに短編ごとに視点を変えながらさまざまな物語を描いていきます。では、それぞれの短編の視点の主と描かれる内容に簡単に触れておきたいと思います。
・〈一章 見送る背中〉: 佐久間真奈が主人公。親友で小説家でありデリヘル嬢でもあった なつめの死を葬祭ディレクターとして見送る真奈の苦悩を描いていきます。
・〈二章 私が愛したかった男〉: 牟田千和子が主人公。娘の天音が突然大学を辞めると言い出したことに動揺する千和子。『祭壇を作る仕事を』担当する千和子と元夫との関わりを描きます。
・〈三章 芥子の実〉: 新入社員の須田が主人公。入社三ヶ月という須田は遺族として現れた中・高時代の同級生・伊藤に動揺します。そんな須田はかつて伊藤からいじめを受けていました。
・〈四章 あなたのための椅子〉: 高校時代の友人である森原壱が死んだという知らせに動揺するのは良子。しかし、夫は葬儀への出席を頑なに拒みます。夫とセックスレスな日々を送る良子…。
・〈五章 一握の砂〉: 純也からプロポーズを受けた時のことを思う佐久間真奈は、友人の楓子から今の悩みを聞きます。一方で純也から『葬儀社』を辞めることを結婚の条件と言われ…。
五つの短編に登場する人物はそれぞれに身近な人物の『死』を経験し、『芥子実庵』に関わり合いをもっていきます。それぞれの主人公がそれぞれに思い悩む様が描かれていく物語は、町田さんらしくさまざまな社会問題を浮かび上がらせてもいきます。貧困、いじめ、女性蔑視、親ガチャ等々、このあたりの描き方、赤裸々な言葉の使い方には町田さんらしい鋭さを見ることができます。そんな中でも『葬儀社』で働く人たちの苦悩を見せつけてくれるのが〈一章〉と〈五章〉で主人公となる佐久間真奈の仕事への思いの真骨頂を見る物語です。
『わたしの仕事で胸を張って自慢できるところがあるとすれば、花祭壇をうつくしく作れること』
そんな風に語る真奈は運命的に出会った恋人の純也との関係性に思い悩む日々を送っています。
『結婚するなら、純也がいい。やっぱり、好きだなって思う瞬間がある』
そんな風に冷静に自分の気持ちを思う真奈ですが、一方で
『いまの仕事は辞めてほしい…何も死体を触るような仕事じゃなくてもいいだろって…』
純也によって全否定される『葬儀社』の仕事を思う真奈は仕事と結婚を両天秤にかける中に迷いを深めていきます。この世には数多の仕事がありますが、人の『死』というものを日常とする職業ならではの拒絶反応があることがここに記され、そこに究極の選択を求められる主人公の物語が描かれていきます。そう、『葬儀社』の”お仕事小説”をリアルに描くこの作品。そこには、綺麗事で終わらせない、『葬儀社』の”お仕事”を真正面から取り上げた町田さんの熱い思いを感じる物語が描かれていました。
『大事な者を喪ったことのないひとなど、いない。死は誰しもに訪れ、誰しもがそれを迎え入れなければいけない』。
人がこの世に生きていく中で避けて通ることのできない『死』を日常として取り扱う『葬儀社』の舞台裏を描くこの作品。そこには、『葬儀社』を舞台にした人の心の機微を丁寧に紡ぎあげる物語が描かれていました。『葬儀社』の”お仕事小説”であるこの作品。そんな物語に、主人公たちのそれぞれの熱い胸の内を見るこの作品。
『どれだけ幸福そうに見えても、みんな、それぞれが何かを背負って生きてる』という言葉の重みに深く感じ入る、そんな作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全5章からなる連作短編集。とはいえ、話の中心は葬儀社「芥子実庵」であり、登場人物の「死」と「生」が、町田さん得意の人生における様々な苦悩を漂わせながら、一話ずつうまくまとまったものになっている。
正直、序盤、1章目がなかなかしっくりこなかったところもあり、小説の世界観に入り込めなかったものの、歪な生き方をする男を描いた2章、3章で引き込まれ、1章のふりが最終の5章にうまくつながるところがさすがだと思った。
さも予定調和のようなハッピーエンドではなく、好転する未来をほんのりと感じさせるような終わり方も町田さんらしいなぁ、と。その後の、「芥子実庵」もいつか描いて欲しい。 ★4.0 -
生きているが故の死への恐怖。目を逸らしたくなる現実。作中にある『芥子の実〜』の話は有名で、願いは虚しいが現実は変えられない。それでも生きていかなければならないんだというリアル。
死生観と現実のはざま。もっと言えば様々な選択におけるはざま。この作品は良い意味でストレートだった。
価値観の押し付けや世間体、自他の欲と向き合いながらも懸命に生きていく人を支えてくれる本だと思う。
『ぎょらん』が同著者の作品にあるが、視点が違うし、死にゆく人を想うというよりも【生きていく】に重きを置いた内容であった。素晴らしい。 -
蝉にも鳴く理由がある
と、友だちは同僚に言われたそうです。
私の友だちは職場で嫌がらせに近いことをされていて、それを同僚に相談したらそう言われたと。
気に入らなければほっといてくれればいいのに、わざわざ文句を言いにくる、そればかりか周りに悪口を言い回る。
そんな時に同僚が蝉の話をしてくれたそうです。ミンミンミンミンうるさい蝉を黙らせようと思っても無理なこと。鳴き終わるのを待つしかないのだと。
そんなことを思い出す連作短編集でした。
胸糞の悪い登場人物が何人か出てくるのですが、その人達のふとした憂いを町田そのこさんは見せてくるのです。本当に救いのないほどめちゃくちゃ胸糞悪く描いたくせに憂いを見せてくるのだから、町田さんもきっと蝉を思い浮かべていたんだろうなぁ(?)と思ったりするのです。
そして、“死“に極端に恐怖を感じる人も出てきます。(私も少しその傾向があって、舞台が病院だったり余命何年なんてあらすじに書かれている小説や映画は苦手です。)
どうしても受け入れられないものは人によって違う。諦めきれないものも人によって違う。その価値観が大切な人とかけ離れている場合、どうしたらいいのか?とても難しい問題だなと思いました。
相手を受け入れつつ自分も大切にするのはなかなかに難しいですね。
自分で選んだ道を歩き始めた登場人物たち、みんなが幸せになれるといいなぁ。-
おはよう、こっとんさん!
朝から申し訳ないのですが・・・
>“死“に極端に恐怖を感じる人も出てきます。(私も少しその傾向があって、舞...おはよう、こっとんさん!
朝から申し訳ないのですが・・・
>“死“に極端に恐怖を感じる人も出てきます。(私も少しその傾向があって、舞台が病院だったり余命何年なんてあらすじに書かれている小説や映画は苦手です。
私も本当にそうなので、こっとんさんも同じと思ったら、妙な連帯感を持ちコメントしちゃいました。私は若い時に大病を患い、その後も何やかにやと身体にメスを入れています。だから、病院物には絶対手を出さないし、主人公が死に直面する気配を感じるとさっさと閉じちゃうのよ(笑)
似たような方を身近に知ると、何だか勇気が湧いて来るようでほっとします。
ありがとう!
2024/05/01 -
しずくさん、こんにちは♪
しずくさん、大変な経験をされたのですね。私もとても身近な人が経験したのを見てきたので、お話として読むのはとてもしん...しずくさん、こんにちは♪
しずくさん、大変な経験をされたのですね。私もとても身近な人が経験したのを見てきたので、お話として読むのはとてもしんどいです。
しずくさんのコメントとても嬉しかった(*´∇`*)
私も連帯感を感じて心強いです(^ ^)2024/05/01
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家族葬儀専門の葬儀場で働く佐久間真奈を中心に展開する5章からなる連作短編なんですが、死生観に人生観、新旧の視線から多方面に見ることができて考えさせられる内容でした。
真奈の親友の楓子となつめ、いきなり楓子披露宴から始まり、なつめの死と落差のあるストーリーに振り回されながらも親友の死に怯むことなく司式を担当した真奈。この子の人生観を決定づけるエピソードでした。
2章ではヒモのような生活をする男の話に退いてしまいましたけど、夫婦間における温度差に、共依存の関係。結構深くえぐられました。
3章の荒んだ性格の男の貧困母子家庭の過去語りは勘弁して欲しいって思ってしまいました。
自分がどの視点で見ているかによって捉え方が変わってくるのですが結構、高い視点から俯瞰したら同情してしまうこと多いんですよね。彼よりももっと低い視点から見れば羨ましく思う事もあるかもしれなし相対評価な感じなんですけど、人にとって絶対に避けられないものって死なんですよね。
それにどう向き合って生きてゆくか、結婚することがハッピーエンドと言えるのか。いろんな人の人生を通して考えさせられる作品でした。 -
家族葬の葬儀社の芥子実庵を中心とした小説。 『ぎょらん』に近く、死亡に関する内容が多いので暗く重い。親友の自殺で葬儀を仕切る若い女性、元夫の相手(男性)の葬儀で花を飾る元妻、親友の葬式を逃げ出す葬儀社の社長など非常に重い話題が続く。
これらの話しの裏で進行するのは、職業や家庭の役割に対する古い価値観。自殺した親友の職業に偏見を持つ夫、主人として男は家庭ではこうあるべき、仕事に取り組む男のあるべき姿など。全て離婚に結びついている。
主人公の若い女性が葬儀社に勤める事を嫌がる相手。相手を選ぶのか、仕事を選ぶのか究極の選択となり、結末にこれで良かったのかと、こちらも悩んでしまった。 -
本書の主な舞台は、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。ここに何らかの形で関わる人たちが、一章ごとに主人公となる物語です。
第一章の主人公は、「芥子実庵」の葬祭ディレクター・佐久間真奈31歳。葬祭の仕事に対する恋人の無理解、母親の同調、親友の自死等、旧態然の慣習、風潮、根強い偏見等、ままならない状況下でもがき苦しんでいます。
この真奈のエピソードが、とてもキツく重い内容です。さらに第二章〜第四章と、主人公(視点)を変えながら、濃密な内容が次々と展開されます。
第五章で再び真奈の視点に戻り、全体を通じて、真奈の人生の決断の物語となっているようです。
真奈を中心とした登場人物は、それぞれ事情を抱え、価値観のはざま、人生のはざまでもがきながらも、自分の意志で次のステップへ動き出します。タイトルの通り、はざまから「夜明け」に向かって、暗から明へ歩み始め、心が軽くなる思いでした。
人はみんな、それぞれが何かを背負って生きているし、「死」も、貴賤なく残された者全てに対して平等であるのですね。
〝自分らしく生きる〟ことは、年齢を重ねても簡単ではないです。人は皆何かを背負って生きているでしょうから‥。苦しいこと、人はいつかは死ぬことに対して、自分なりの折り合いをつけて暮らしていくことが肝要なのでしょう。
「死」があるから「生」が輝くことを示し、町田そのこさんらしい、人の心の痛みに寄り添ってくれる物語だと思いました。 -
「ぼくたちはあまりにも、明日に任せすぎている」
いやー、どういう感情で読めばいいんだ?
ちょっと情けない男が出すぎじゃないかね?そのこさん!
反省か!反省を促されているのか?自分の半生に(そういうとこ)
いやなんか、現状は同じラインな気がするんだが、最初に気付くのは女性ばっかりやな
大事なことに気付くのはいつだって女性が先
贔屓しすぎやろって思っちゃいました
なんかズルい
なんかズルいよそのこさん
男だってたまには(たまにかよ)-
2023/12/09
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2023/12/10
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面白いよ笑
コロナ禍の中での家庭あるある。
わたしはマスク買いに走り回ったくらいで変わりなく過ごして、コロナ始まりって何年前だ⁇なんて気楽な...面白いよ笑
コロナ禍の中での家庭あるある。
わたしはマスク買いに走り回ったくらいで変わりなく過ごして、コロナ始まりって何年前だ⁇なんて気楽なもんだけど笑
一穂ミチ短編上手し!な一冊?2023/12/10
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