眠れぬ夜のご褒美 (ポプラ文庫 日本文学 494)

  • ポプラ社 (2024年7月3日発売)
3.36
  • (11)
  • (44)
  • (83)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 1715
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591182260

作品紹介・あらすじ

今日も頑張ったあなたを労わる、
とっておきの「夜食」をどうぞ。
おいしいものが大好きな作家陣が、
夜に織りなす極上の人間ドラマを描く、
心とお腹が温かく満たされる短篇集!

●作品紹介

定時退社して、とある駅の改札前に陣取った陽茉莉。
脳裏によぎるのは、待ち人である憲吾との思い出の数々だ。
小学校の同窓生だった彼とは大学で再会するもすぐ疎遠に。
社会人になって偶然連絡を取り合い、恋人同士になったのだが……。
――標野凪「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」

終電を逃したすず音が、謎めいた女性に誘われてたどり着いた
いっぷう変わった場所「うしみつ屋」。
秘密の合言葉を告げた先には、思わぬ世界が広がっていた――。
――冬森灯「ひめくり小鍋」

ある事情から不眠がちの誠を、
深夜、大学の同級生・昇一がラーメンを食べようと誘いに来た。
「二人で罪悪感を分け合うんだ」
昇一のお目当ての店に向かう途中、
二人の身近で起きた事件の現場を通りかかり……。
――友井羊「深夜に二人で背脂ラーメンを」


那須高原にある小さなペンション「ペンション・ワケアッテ」。
傷心旅行で明美が訪れたそこは、ちょっと変わったオーナー夫婦が営む、
いわくつきと噂の宿だった。
――八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」

古い友人たちと真夜中のファミレスに集っておしゃべりをする
「夜食会」を定期的に催している私。
アラフィフにもなれば、バツがついた人、熟年結婚する人、
子どもとの関係に悩む人、ずっとシングルで来た人さまざまだ。
気のおけないおしゃべりは、意外な展開を見せ――。
――大沼紀子「夜の言い分。」

食に厳しい母に育てられた料理研究家の秀美は、
「正しい食べもの」を好む夫の亮太郎に、
インスタントの激辛キムチラーメンが食べたいと言い出せない。
そのストレスが次第に溜まっていき――。
――近藤史恵「正しくないラーメン」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  この表紙は…キケンですよねぇ!夜中のデザートがテーマなのかと勘違いしちゃいましたね…。この作品は、今をときめく6人の作家さんが「夜食」をテーマにして描いた短編集…どちらかといえば、デザートというより、お食事でした。6人の作家さんですが、標野凪さん、冬森灯さん、近藤史恵さんの作品は読んだことがあります。いつか読みたいと思っているのは、八木沢里志さんの作品!友井羊さんは、知ってはいるけれど読んでみたいと思う作品は今のところないかな…で、大沼紀子さんは知らなかったです。

    〇標野凪「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」
     恋人だった憲吾に時間をおこうと言われた陽茉莉、
     納得できない陽茉莉がとった行動とは…。
    〇冬森灯「ひめくり小鍋」
     コンビニスィーツの開発の仕事をしているすず音。
     ある女性に伴われて足を踏み入れたのは「うしみつ屋」という
     謎めいたお店だった。
    〇友井羊「深夜に二人で背脂ラーメンを」
     大学で同じサークルの友人昇一が、不眠で悩む主人公の誠に
     「ラーメン一緒に食べよう」「ふたりで罪悪感を分け合うんだ」と
     声をかける…。
    〇八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」
     恋人から別れを告げられ明美…
     傷心のうちに訪れた那須の「ペンション・ワケアッテ」
     オーナー夫婦は、訳アリなのか…。
    〇大沼紀子「夜の言い分。」
     気のおけない友人たちとファミレスで集い、
     愚痴ったり、励まし合ったり…そんな「夜食会」についての話。
    〇近藤史恵「正しくないラーメン」
     身体に優しい料理をつくる料理研究家サワデミ。
     彼女の夫も、そんな料理を好んでいたが、
     サワデミは「激辛キムチラーメン」が食べたい衝動を抑えきれず…。

     八木沢里志さんの「ペンション・ワケアッテの夜食」は好きなお話でした。ワケアッテの意味に、あったかいものを感じました。このお話に出てくる、オーナー夫婦もいい感じです。私もこんなペンションなら行ってみたいです。あと、近藤史恵さんの「正しくないラーメン」は、夜中に読んじゃ絶対にダメなヤツです。怖いとかじゃなくて、何か絶対に食べたくなっちゃうから…だけど、面白かったです。

    • 1Q84O1さん
      この表紙だけで満足です!
      甘いもの大好き(*´﹃`*)
      この表紙だけで満足です!
      甘いもの大好き(*´﹃`*)
      2024/09/14
    • かなさん
      aoi-soraさん、おはようございます。
      そうなんです…
      タイトルに入っていない夜食も
      めんつゆと天かすのおにぎりと
      クレソンたっ...
      aoi-soraさん、おはようございます。
      そうなんです…
      タイトルに入っていない夜食も
      めんつゆと天かすのおにぎりと
      クレソンたっぷりの一人鍋、
      ファミレスでのデザートとアルコールつけてのお食事…
      ダメでしょ??こんなの、夜読んだら…ヤバいんです^^;
      2024/09/15
    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      この表紙に、トキメキますよね!!
      ホント、ずっと見ていたい…
      いや、食べたいです(*˘︶˘*)...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      この表紙に、トキメキますよね!!
      ホント、ずっと見ていたい…
      いや、食べたいです(*˘︶˘*).。.:*♡
      2024/09/15
  • なんだか全体的にほろ苦い物語が多かった。ご飯シーンはほっこりするのに。

    深夜に二人で背脂ラーメンを
    どんどん加速する2人の不穏な掛け合いにハラハラ。そのラーメンどんな味するの?って感じ。

    ペンション・ワケアッテ
    訳あり客が来る所と思いきや?
    最後はとってもスッキリ!吹っ切れた彼女がまたここを訪れる日は近そう。

    夜の言い分
    最初はそうそう、みんな久しぶりに集まるとこんな感じ!と謎の親近感が湧いてきて、私もファミレスにいて会話に混じっている気持ちになるのに後半はなんとも切ない。
    まさか語り部がこっちサイドだったとは。

    正しくないラーメン
    タイトルどおり。行動からも正しくない。
    環境にもよるけど、いつもヘルシーな物を食べてる人って普通の人もり美味しいって感覚がずば抜けてそう。
    いけないってわかってるけど渇望してしまい、周りを巻き込んだらもう終わり。恐ろしいな~
    余談だが、旦那さんがひたすらいい人だった。もっと早めに本性だしてれば悩まずすんだのに。

  • 季刊アスタvol.9(2023年10月号)標野凪:バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ、冬森灯:ひめくり小鍋、八木沢里志:ペンション・ワケアッテの夜食、WEBasta2024年6月友井羊深夜に二人で背脂ラーメンを、大沼紀子:夜の言い分、近藤史恵:正しくないラーメン、の6つの夜食をテーマにしたアンソロジーを2024年7月ポプラ文庫刊。八木沢さん以外はかなりソフティケートされた難解な展開に思えて。。。いや、素直に楽しむのが吉ですね。

  • ご飯もの大好き。
    どの話も、本当に素敵だったけど、

    ワケアッテ

    も、

    背脂

    も、

    インスタントラーメン

    も、

    「女子会」改め「夜食会」

    も、


    どれもこれもみんな頷ける感じがして❤️


  • 【収録作品】
    標野凪「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」
    冬森灯「ひめくり小鍋」
    友井羊「深夜に二人で背脂ラーメンを」
    八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」
    大沼紀子「夜の言い分。」
    近藤史恵「正しくないラーメン」

    おいしいものが食べたくなるアンソロジー。
    「夜の言い分。」に共感。

  • 「夜食」がテーマのアンソロジー。ということで、本書を読むときは敢えて夜を選んだ。年齢的に、夜遅い食事は控えたい。とはわかっているが、勤務時間が変わり夜遅い帰宅が増えてきたら、夜に食べる背徳感に抗えなくなってきた。「夜食」って響きも素敵よね…それが、頑張った自分へのご褒美であれば、尚更。
    アンソロジーだから、「眠れぬ夜のご褒美」の捉え方はそれぞれだったけど、思ったよりビターなテイストが多かった印象。ビターな分、フード描写が際立っていた。敢えて夜に読んでいるので、「あぁ…この料理食べたい!」と思わされたら私の負けだな、と。
    で、負けたな~と思わされたのは…
    冬森灯「ひめくり小鍋」
    ひっそり存在する食堂で、喜怒哀楽で選ぶ小鍋。料理の描写で胃袋つかまれた上、人間ドラマの絡め方も秀逸だった。
    八木沢里志「ペンション・ワケアッテの夜食」
    ペンション名、そうきたか!きれいなオチ!!たぬきおにぎりがとても美味しそう。
    近藤史恵「正しくないラーメン」
    さすが近藤さん、トリがふさわしい。辛いものを積極的に食べたいとは思わない私だが、脳が誘導されそうに。禁断のインスタントラーメン、たまらないです!

  • 夜食をテーマにした短編小説。

    どの作品も美味しそうな料理がでてくるけど、気になったのは喜怒哀楽から選ぶ小鉢(冬森灯)。今日の気分で選んでみたい。
    深夜の背脂ラーメン(友井羊)や韓国のインスタントラーメン(近藤史恵)もそそられる。

    冬森灯さんは「うしろむき夕食店」を前に読んでいて、今回の短編も面白かったので違う作品も読んでみたい。

    友井羊さんの短編はミステリー小説を読んでるみたいにドキドキしながら読んだ。たまにはミステリーも読んでみようかな。



  • 料理に関する短編集。

    どの話もティストが違っていて、楽しく読めた。

    ラーメンの話が食欲をそそられて(*´ч`*)

    それにしても、みなさんそんなに食べ物の節制をしてるのね、と変な所に関心。

    どの作家さんも面白かったので、いくつか本棚に追加してみました!

    新しい作家さんとの出会いって得したような幸せな気分になりますね。( ˙꒳​˙ )v

  • もぉ~。
    この表紙が罪だと思うのは、わたしだけではないはず
    この表紙に浸るだけで、この本を手に価値があるように思えるほど、素敵♡
    実際、飽きずに眺めてしまったし・・・。

    最近のワタシ、表紙で本を選んでいる節がある(笑)
    でも、素敵な表紙って本を読むうえで、楽しみを倍増させてくれるスパイスだと思うんです!!

    話が逸れましたが、
    個人的には
    大沼紀子「夜の言い分。」
    近藤史恵「正しくないラーメン」
    世界観とか視点がとっても好きでした♡

  • 図書館の本77

    食×夜 の不思議な物語の短編集。
    夜の背脂ラーメンの背徳感と罪悪感を、分けてくれる友達が素敵だと感じた。

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

近藤史恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×