本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (302ページ) / ISBN・EAN: 9784591183410
作品紹介・あらすじ
『食堂かたつむり』――「食べることは、生きること」
『ライオンのおやつ』――「死にむかうことは、生きること」
小川糸が描き出す、3つめの「生」の物語
「愛することは、生きること」
傷口に、おいしいものがしみていく
苦しい環境にあり、人を信頼することをあきらめ、
自分の人生すらもあきらめていた主人公が、かけがえのない人たちと出逢うことで自らの心と体を取り戻していく。
主人公の小鳥のささやかな楽しみは、仕事の帰り道に灯りのともったお弁当屋さんから漂うおいしそうなにおいをかぐこと。
人と接することが得意ではない小鳥は、心惹かれつつも長らくお店のドアを開けられずにいた。
十年ほど前、家族に恵まれず、生きる術も住む場所もなかった18歳の小鳥に、病を得た自身の介護を仕事として依頼してきたのは、小鳥の父親だというコジマさんだった。
病によって衰え、コミュニケーションが難しくなっていくのと反比例するように、少しずつ心が通いあうようにもなっていたが、ある日出勤すると、コジマさんは眠るように亡くなっていた。
その帰り、小鳥は初めてお弁当屋さんのドアを開ける――
みんなの感想まとめ
人との関わりを失い、自らの人生を諦めかけていた主人公が、出会いや食を通じて再生していく物語です。幼少期の壮絶な経験を経て、心を閉ざしていた小鳥は、介護を通じて出会ったコジマさんとの関係や、お弁当屋さん...
感想・レビュー・書評
-
壮絶な幼少時代を過ごした主人公の女の子「小鳥」の物語。
小川さんの過去作『とわの庭』の主人公「とわ」も、ページを捲れないほど描写がどぎつかったが、今作もなかなかなもの。それゆえか、中盤の「小鳥」が救われていく過程が、あまりにも早くて、気持ちがついていけなかった。おそらく、もっと関わりや、時間がかかるものではないかと。凹凸(敢えてこういう表現にしておく)が話の中心となる終盤もモヤモヤ。そして、最後までモヤモヤ・・。
中盤にあと100頁ほど厚み(展開)をもたせると、もっとよい作品になったような気がする。
推しはP133の美船のことば。 ★3.5詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
またまた小川糸さんの優しくて美味しい匂いのする作品に出逢えました。このテンポも雰囲気も少し影があって心地よくって好きなんですよね。陽だまりよりも木漏れ日のがやさしくて圧を感じないのです。
主人公の訳ありコミュ障女の小鳥は、美味しい匂いのするお弁当屋さんに入るのを躊躇って匂いだけ泥棒してスルーする日々をいったい何年すごしたんだろうか?
誕生日には特別なことが起こると期待して入口を開けたのに賑やかな笑い声にひるんで逃げ帰ってしまう。
そんな気弱で繊細な彼女が初めてお店に入りお弁当をたべたのは父親らしきコジマさんを看取った日の閉店間際の時でした。
18歳でコジマさんと専属介護契約をして12年間、もっと早くこの弁当屋さんに入れたらコジマさんにも美味しいお弁当を食べさせてあげれたのにって、ジューシーながんもどきを涙を流しながら食べてた小鳥。お味噌汁のお替りをいただきながら店主のリムジンに聴かされた身の上が重量感ありすぎて消化しきれない感じでしたが、ようやく二人は出会ってしまった。
食事と香りのもらたす文章表現が反則技のように鼻孔をくすぐりホッとする記憶を呼び覚まし、生きていく気力につながり再生されていく。
小鳥はあれだけトラウマあったのに体を許すの早くないって思っちゃたw
たまに、何故山に登るのかって尋ねられることあるのですが、マロリーのようにカッコよいことは言えないのですが、私にとっては、今ここにいることが嬉しすぎてこの喜びを味わうために生かされてきたのではって思えるとこなんです。確かに山登るのって地味に辛いこと多いので虐げられた分、喜びも大きいのかも。
それに私は痛みについて鈍感なので辛いことはすぐ忘れちゃうんですよね。下山して温泉に入りおいしいもの食べて家に帰ってバタンキューって眠る。そのローテションが至福なんです。山伏的な極端な信仰心まではないですけど
ちょっと私情に逸れてしまいましたが、生きる喜びを感じられる作品っていいですよね。
性と愛についても歪んだ認識が解れていく感じで無償の癒しへと導いてくれるような温かい気持ちに触れあえた作品でアロマについても興味を惹きました。
自転車の二人乗りはいただけないけど-
はじめまして。優しく美味しいにおいのする作品というフレーズにとても共感しました(*^^*)
小川糸さんの作品に出会ってまだ日が浅く、数冊しか...はじめまして。優しく美味しいにおいのする作品というフレーズにとても共感しました(*^^*)
小川糸さんの作品に出会ってまだ日が浅く、数冊しか読んだことがないのですが、小川糸さんの紡ぐことばが優しくて、でもその中に生命力を感じてとても好きです(*^^*)2025/10/12
-
-
『生』について描かれたシリーズものの第三弾
しかし内容に繋がりはないので
単独で読んでも問題なしです
『小鳥』は親の影響で苦しい環境にあり、親友との別れ、施設での出来事などを経て人を信頼することをあきらめ、自分の人生すらもあきらめていました。
しかしコジマさんの介護と、お弁当屋さんとの出会いで少しずつ自らの心と体を取り戻していきます。
小鳥が受けた苦しみが辛い分、オジバやリムジンのセリフが心に沁みます。
その分、小鳥の受け入れの速さにちょっと置いてきぼりをくった感覚でもありました。
あとはやはり食べ物の描写が素晴らしい。
食べていないのに丁寧な食事をしたような感覚になります。
食も性も生きるということにつながっているんですね
うちの近くにお店があったら私も毎日お弁当お願いしちゃうなー
印象的なセリフがありました
死ぬ瞬間って、案外気持ちいいんじゃないかな
そんな風に考えたことはなかったので、印象に残りました
-
私もまだレビューできてないけど読みましたよ、この作品!
リムジンの作る美味しそうなお料理…
食べてみたいですよね♡私もまだレビューできてないけど読みましたよ、この作品!
リムジンの作る美味しそうなお料理…
食べてみたいですよね♡2025/01/30 -
かなさん
それはレビューが楽しみです♪
すごい美味しそうでしたね( ´∀`)
お弁当ってところがまたいいですよねー
本当にうちの近くにで...かなさん
それはレビューが楽しみです♪
すごい美味しそうでしたね( ´∀`)
お弁当ってところがまたいいですよねー
本当にうちの近くにできないかな(゚∀゚)
2025/01/30
-
-
"愛することは生きること"
「食堂かたつむり」「ライオンのおやつ」に続き、小川糸が描き出す3作目の"生"の物語。
✎︎____________
優しい〜〜。
終始やわらかな口調で語られるのだけど、描かれてる内容は虐待や性暴力と、結構重め。
だけど表紙から受けるイメージどおり、なぜか優しい〜と感じる作品でした。
え、小鳥とリムジン(理夢人)って、どっちも名前だったのか〜笑
性依存症でふしだらな生活を送る母の元で育った小鳥は、人とのコミュニティケーションが苦手で性に対してもトラウマから恐怖心を持つ。
そんな小鳥が小島さんと出会い、リムジンと出会い、傷ついた心と身体を取り戻していくお話。
性被害って表に出にくいのかもだけど、実際に被害に遭いトラウマに苦しむ人もいるだろう。
小鳥の様に良き人に出会って、って実際にはそんな簡単にはいかないのかも知れないけど、一つの希望の物語だと思う。
まあ、ちょっとリムジンと出会ってからの展開が足早すぎる気はしたけど〜。
この手のお話って結構しかめっ面しながら読む事が多いのだけど、この作品は穏やかな気持ちで読める作品でした◎
-
みひろちゃん♪たびたび失礼(^-^)/
小川糸さん、ご無沙汰です。
優しさが表紙からも伝わるよ。
でも内容は重めなんだね…
小...みひろちゃん♪たびたび失礼(^-^)/
小川糸さん、ご無沙汰です。
優しさが表紙からも伝わるよ。
でも内容は重めなんだね…
小川さん、分かるわ。
傷ついた人が良き人に出会って立ち直るのっていいよね。
小説の中だけでなく、現実もそうであったらいいなぁ。
小川さんもまだまだ読めそうにないけど、「カフネ」を姪っ子が読み終わったら、貸してくれることになったので、「カフネ」は読めるよヽ(*´∀`)人(´∀`*)ノ
みひろちゃんとまた同じ本を読んで感想を話したいわ♪2025/04/18 -
あいちゃ〜ん、こちらにもありがとう〜٩(ˊᗜˋ*)و♪
そう〜!表紙は優しいけど内容は重め。
でもなんか優しいの!←どっちやねん!笑
...あいちゃ〜ん、こちらにもありがとう〜٩(ˊᗜˋ*)و♪
そう〜!表紙は優しいけど内容は重め。
でもなんか優しいの!←どっちやねん!笑
「ライオンのおやつ」とかと3部作みたいなんだけど、ライオンはいまいちハマらなくて(^^;
だけど、こちらは結構好きだったな〜♪
読むタイミングかな〜?
傷ついた人の再生物語って、めっちゃベタなんだけど、ベタでもそういう話がやっぱり好きなんだなぁ。。
優しい世界に浸りた〜い笑笑2025/04/20 -
わ!カフネ、借りれるんだね〜!
めっちゃ旬だね〜♪
私ももう1回読みたいな!
ぜひぜひ読んで感想聞かせてね〜\(*°∀°*)/わ!カフネ、借りれるんだね〜!
めっちゃ旬だね〜♪
私ももう1回読みたいな!
ぜひぜひ読んで感想聞かせてね〜\(*°∀°*)/2025/04/20
-
-
辛く困難な人生の連続だった小鳥の前に現れたのはちいさなお弁当屋さんを経営している理夢人だった。
最初の小鳥のイメージはすごく暗く感じていました。もちろんすごく辛い経験も困難な人生も送ってきたので仕方はないと思いますが気になっていました。しかし、物語の後半には小鳥が何だか生まれ変わったような少し明るくなったような気がします。この本は人を愛すということの素晴らしさを教えてくれると共に性についても色々考えさせられました。
-
3.4
暗い過去を持つ、老人ホームに勤める30歳の小鳥が、手作りの弁当屋を営む理夢人(リムジン)と知り合い、新しい人生を歩みだす。ちょっと変わった恋愛小説?。
著者の『食堂かたつむり』、『ライオンのおやつ』が良かったので手に取りましたが、物語に感情移入が出来なくて残念でした。
-
これで3部作を全て読んだが、どれも読み易いものの暗い内容で、気持ちも重くなる。
主人公の小鳥は性依存症の母親のために過酷な少女時代を過ごし、また親友の友達も子供を出産し自殺するという展開。救いが、父親を自認するコジマさんとの出会い。そしてコジマさんを介護することにより、微かに人生が好転して行く。
弁当屋のリムジンとの出会いも偶然のようで必然。リムジンもを捨て子でありながら、自分に無償の愛を注いでくれるジェンダーのオジバに育てられ、感謝を持って生きている。性に不馴れな二人が出逢い、じっくりと愛を育み、そして結ばれる。
「愛することは、生きること」というテーマで、最後は心が温かくなって読み終えた。 -
幼い頃から母親の性依存症を見ていた小鳥は、成長するにつれ家の中での寛げる場所がトイレという悲惨さを経験し、高校になり児童相談所に逃げ込んだ。
大人になり父親だというコジマさんの遺産を受け取る代わりに介護をするようになる。
緩やかに進行していく病気に、最初は家の細々とした家事を教わりながらそして介護の勉強もしながらコジマさんの家に通う。
ささやかな喜びは、「リムジン弁当」というお弁当屋さんの前を通るたびに美味しそうな匂いを嗅ぐことだった。
介護に慣れてきた頃にはコジマさんが動けなくなってきて…
コジマさんが亡くなった日にやっとドアを開けて入ることができたお弁当屋さん。
店内でお弁当と温かい味噌汁に涙がこぼれて。
その日が店主の理夢人さんとの出会いで、ゆっくりとゆっくりと2人は親しくなっていく。
やっと触れられても嫌だと思わなくなった。
それは愛する人だから。
人と関わらずにひとりで生きていくことがいちばん楽だと思っていたのだろう。
愛情なんて感じることなどないと思っていたのだろう。
こんなにも誰かを必要とし、いっしょにいたいと思うなんて。
きっと考えもしなかったに違いない。
-
小川糸さんの作品が持つ柔らかな雰囲気にほっこりしつつ、人を愛し生きることがどれほど幸せかということを伝えられたような感じがしました。
本作の主人公は、両親の影響で人を愛することに抵抗があった。そして中学時代、心を通わすことができた親友の不幸と、養護施設での出来事により、人を愛することにトラウマを抱えてしまう。そんな主人公が、あるお弁当屋さんと出会ったことで、愛することの素晴らしさを思い出すという物語。
ピュアな初恋を想起させる物語展開で、読んでてむず痒くなるシーンも個人的にはありました。ちょっとウブでピュアすぎるかなっていう風に捉えちゃったかなあと。それこそフィクションの世界だからこそ、これだけ綺麗に描けるような世界な気がしたので、個人的には評価は悩ましかったです。 -
-
キュンキュンの恋愛が良かった(不倫、離婚、ドロドロは最近は食傷気味)。母親からの虐待が可哀想すぎた分、余計にそう思った。
性に関して、結構踏み込んで書かれていた。妊娠の仕組み、子供達はわかっているのだろうか。心配になってきた。
そういえば私の友人(桜蔭出身)、大学1年の時にお母さんから避妊具を渡されていたなぁ
-
過酷な人生を歩んできた小鳥の愛と再生の物語。
カバーのふんわりした雰囲気に反して、かなりハードでセンシティブな内容でした。
母親の虐待、親友との別れ、児童養護施設、介護、ジェンダー問題、スピリチュアル…色々詰め込まれています。
美味しい料理を作ったり食べたりするシーンが多くて幸せが伝わってきました。
ただ前半と後半のギャップにびっくり。二人の距離が縮まるのが早すぎるしここまで赤裸々に書かなくてもいいのにと思ってしまいました。
とりあえず小鳥ちゃんがコジマさんや理夢人くんと出会えて良かった。
-
素朴で愛情こもったリムジン弁当の描写、食欲をそそられます。オジバの子育ての仕方(貧しいながらも子ども達にいつでもお腹いっぱい食べさせる)素敵です。
-
愛することは、生きること。
自分の人生がどうでもよくなるくらい辛くて酷いことをされて、親も親友も離れてしまう絶望感。
そんな小鳥がリムジンと出会って、美味しいご飯や愛の形を吸収して克服していく姿に私も救われた。
小川糸さんのところどころの言葉や言い回しが今回もグッときました。
リムジンに対してちょっとスピリチュアルだって声も聞くけど、死んでしまっても光となって私たちの近くにいるし、生まれ変わって魂レベルが上がっていくっていう考え、私には腑に落ちて心が救われました。
死の先に希望があるなら怖くないしその為に思う存分生きていける。
性暴力や養護施設、ジェンダーや自殺など社会問題に着目していて、なにより性教育についてしっかり向き合っている。
凹凸と表現しているところも可愛らしい。
世界よ!愛のある凹凸を!
世界よ!美味しいご飯で虫養いを! -
性と生、そして死について、真正面から取り組んだ作品。自分の身体は自分のもので、何人にもおかされちゃいけない領域。これが繰り返し語られます。自由に生きるとは、そういうことだと。どうしても若い読者に伝えたいという、作者の熱意を感じます。
また、お弁当屋さんの理夢人。生きる意味を具現化する存在として描かれている彼はこう語ります。「怒りや悲しみ、不満は確実に内蔵に蓄積される。だからこそ美味しいお弁当で少しでも幸せを感じてほしい。美味しいものを楽しくいただくことこそ、人生豊かにする大切な要素だ」と。美味しくて体にいいものが人生にとって大切、という考えには120% 共感です。
そして、旅立ちに関して。「死ぬ瞬間って、案外気持ちいいんじゃないかな? 体という檻から解放されて、宇宙に素粒子がパーッと広がっていく感じ」そう言う理夢人は、大切な人の命日をお祝いします。この世界を卒業して、もっと違うレベルのところに行ったのだから、と。この考え方にはストンと腑に落ちるものがあります。”人生を全うした人”には、近い人でお祝いしてもいいのかもしれません。
ただ、これを16歳くらいの時に読んだら、どう思っただろう。ちゃんと消化できたかな? ちょっと自信がありません。充分オトナになった今は、この作品が心と体と魂の愛の物語であると理解できますが。 -
小鳥の幼少期は、なんだか「とわの庭」を思い出した。
わけもわからず、大人の都合のいいように扱われる子供達。
ニュースでも、教師が盗撮や猥褻な事件を犯し、どれだけ子供たちの心身を傷つけているのか。
少子化問題を話し合うなら、まず現場の子供達をいかに犯罪から守るのか、もっと大人は頑張らなくちゃいけない。
日本の性教育も、かなり遅れていると思う。
美船のような被害者をもう出してほしくない。
傷ついた心に染みる、美味しいリムジンの料理が、読んでいて温かい。
オジバの性教育のおかげで、小鳥もゆっくりと凸凹の本当の喜びや癒しを得ることができた。
中高生に読んでほしい、究極の恋愛物語であり、性教育の本だ。
気になったのは、小鳥の母親が、その後どうなったのか?
いずれ、小鳥の前に現れそうなものだけど。 -
「食堂かたつむり」「ライオンのおやつ」に次ぐ3つ目の「生」の物語ということで、楽しみにしていた本。
生きることとは?がテーマになっていると思うのだけど、3冊に共通する「食」には今回も惹かれた。
早朝からやっている愛情たっぷりの手作りお弁当やさん、いいなぁ。記念日にはスペシャルメニューも作ってくれるだなんて!
今作は「愛することは、生きること」ということで「性」が軸に物語が展開する。
辛い子ども時代を過ごした小鳥が、自分らしく幸せになっていくのは嬉しかったけど、後半の展開の速さに気持ちがついていかなかった。
小鳥ちゃん、思いのほか切り替え上手だったのかな。 -
性依存症のシングルマザーに育てられたため、過酷な少女時代を過ごした小鳥。中学生になり、唯一無二の親友ができたが、辛い別れとなる。そして、自ら母親の元を去り児童相談所へ駆け込み…と、なかなかハードな主人公の小鳥。
愛に臆病だった小鳥が理夢人と出会い、愛することを知っていくことは素晴らしいけど、性被害、トランジェスターや捨て子などなど、これでもかというくらい盛りだくさん。
小川さんなら理夢人とオジバの話だけで、一つの小説が書けるのではと思うのに、ちょっともったいない。
優しくて温かな文章は小川さんならではだけど、やっぱり『ライオンのおやつ』には敵わない。
ただ、理夢人のお弁当が食べたい。 -
セックス依存症の母との暮らしのせいで、生活を脅かされていた主人公。つらすぎる過去を抱えて、しかたがないから生きているような彼女が、お弁当屋さんと出会い、少しずつ救われていく。
読みながら、何度幸せになってほしいと思ったか。
テーマが「愛」なので、ジェンダー的な話題や、セックスに関する話題が取り上げられている。性生活において「自分を大切にすること」について、特に強調されていて、高校生から大学生に読んでほしいと思った。保健体育の教科書に書いてあること以上に、大切なことが書かれていた。
主人公は対人恐怖症なところがあるためか、心を開いた人への依存が見られる。たまたまいい人たちと関われたからよかったものの、読みながらハラハラすることもあった。
そういう姿を見ていると、親が子どもの人権を守ることの大切さを身にしみて感じる。身体への暴力はもちろん、精神的なものや生活的なものまで、ひとりの人間として慮っていきたい。
話は変わって、この作品はおいしそうな品々が最初から最後まで出てくる。お弁当屋さんの設定が最高に効いている。
モーニングステーキ、さきいかの天婦羅、ポテサラハムカツ……。羅列するだけでおいしい。読むともっとおいしい。
食べることは生きること、人を愛することは生きること。作品の表紙のような、あたたかくて優しい一冊だった。
著者プロフィール
小川糸の作品
本棚登録 :
感想 :
