死体はこう言った ある監察医の涙と記憶 (ポプラ新書 272)

  • ポプラ社 (2025年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (222ページ) / ISBN・EAN: 9784591185650

作品紹介・あらすじ

※本書は、次の書籍の一部内容を再構成し刊行したものです。
ポプラ新書『孤独な死体 法医学で読み解く日本の今』(2014年2月発行)
ポプラ文庫『監察医の涙』(2015年8月発行)

私の死んだ理由をお伝えします――

「ひき逃げされたとか絞殺されたとか、突然大変なことを言い出す死体もある。丹念に検死をし、解剖することにより、なぜ死ぬことになったのか、もの言わぬ死体が語り出すのである。そして、一つひとつ、死にまつわるさまざまなことが明らかになっていく」
(序文「私の死んだ理由はこうなんだ」より)

病死か事故死か? 不可解な窒息死、見えない死因……
2万体を超える検死を行なった
元監察医による法医学・死・事件に隠された真実。
ベストセラー『死体は語る』の著者、待望の復刊!

【章立て】
序文 「私の死んだ理由はこうなんだ」
第1章 死体はこう言った
第2章 監察医の涙
第3章 監察医と奇妙な死体
第4章 人はこうして「変死」する
終章 妻の死
解説 岩楯公晴(東京慈恵会医科大学法医学講座教授)

【内容】
★夫の献身愛
★炎の中に
★偽りの発表
★「おかあさんといきます」
★同居していたミイラと白骨死体
★我が子を殺めた母親
★看護師たちの完全犯罪
★バラバラ殺人の心理
★ポックリ死んだら変死体
★偽装される死体
★「変死の」季節
……など(目次より抜粋)

*著者プロフィール
上野正彦
うえの・まさひこ
1929年、茨城県生まれ。法医学者。1954年、東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。1959年、東京都監察医務院に入り監察医となり、1984年に同医務院長となる。1989年に退官。退官後に執筆した、初めての著書『死体は語る』は65万部を超えるベストセラーとなる。その後も数多くの著作を重ね、鋭い観察眼と洞察力で読者を強く惹きつける。また、法医学評論家としてテレビや新聞・雑誌などでも幅広く活躍し、犯罪に関するコメンテーターの第一人者として広く知られている。これまで解剖した死体は5千体、検死数は2万体を超える。主な著書に、『死体は語る』(文藝春秋)、『死体鑑定医の告白』(東京書籍)、『人は、こんなことで死んでしまうのか!』(三笠書房)など多数。

みんなの感想まとめ

法医学の現場を通じて死の真実に迫る本書は、著者の豊富な経験をもとに、さまざまな死因や事件の裏側を明らかにします。検死や解剖を通じて、言葉を持たない死体がどのように語りかけるのか、リアルな視点で描かれて...

感想・レビュー・書評

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  • いろんな死を見てきた作者の言葉は重みがある。

  • 一気に読んだ。ドラマ「アンナチュラル」から法医学者という存在を知り、その仕事がマイナーかつ重要視されないということも知った。その上で、法医学者のリアルを知るためにも、この本はぜひ読みたかった。内容はとても興味深かったし、上野先生の死生観がひしひしと伝わってきて、生きるとはどういうことなのか、また考える一つのきっかけになった。<以下、メモ>医学は「基礎医学」「臨床医学(治療医学)」「社会医学(予防医学)」の三つに分類され、社会医学が「公衆衛生」と「法医学」に分かれる。監察医制度は東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市にしかない。

  • おもしろいと言ったら不謹慎だろうけど、おもしろかった。知らないことばかり。一番印象に残ったのはp127「お父さんを許せない」

  • 法医学者が書いてる本で実話
    アンナチュラルとか好きな人にはおすすめで勉強になる
    東京とそれ以外で地域差があったり、知識がある人からしたら割と完全犯罪もあり得ちゃうのではと怖くなった

  • 法医学という言葉自体に馴染みのない私にとって、本書は著者が望む啓蒙の役割を見事に果たしていた。
    物言わぬ死体がなぜ死ぬことになったのか語り出す、という。「死人に口なし」という諺とは対照的に、死体が語り出すという視点に強い印象を受けた。

    この著者は監察医になって三年で死体と対話できるようになったそうだ。死んでる人を扱っているのではなく、医師が患者をみる感覚というのが面白い。監察医は死者の言い残した言葉を聞き取り、警察官と協力しながら社会秩序を維持していく。それが、死んでしまった人の人権を守ることになり、大きな意義を感じるという。子どもの検死はしたくない、と言うが、死体を通して人間関係の歪みを見てしまうことは、著者にとって辛くないのだろうか。人間の闇に触れてしまうと、私は心が疲弊する。

    第2章で登場する父親がコミニケーション不足から妻に自殺され、更に子どもにも自殺されるという話。この家庭を顧みない仕事人間タイプの父親は多いだろう。「自分への恨みだけを書いた子どもの遺書を読み、一人残された父親の気持ちを考えるといたたまれない。」と著者は父親に同情を寄せていたが、私は家族三人を自殺に追い込んだ責任を重く感じ、同情することはできなかった。家族三人も自殺に追い込んだ父親の過ちが、コミニケーション不足だけとは思えない。

    終章の著者の亡くなった妻との話。常に人の死に触れる仕事をしていても、著者が自分の妻の死に対して、医師としてではなく一人の夫として向き合っていた姿に好感を抱いた。
    私はどのような年寄りになるのだろうか?と20代の頃によく考えたが、今はどういう死に方をするのだろうか?と考えるようになった。彼ら監察医にお世話になるかもしれないと思うと少しだけ複雑な心境になる。

  • 解剖により、さまざまな事が判る現実に驚嘆致しました。またポックリ逝った場合も変死体となるなど興味深く読み終えました。
    ただ、監察医制度は一部の都市圏に限られていることは残念です。各県にその制度がいち早く整備されることを願い、感想にかえさせて頂きます。

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著者プロフィール

昭和17年、和歌山県生まれ。京都大学法学部卒業。職業:弁護士・公認会計士。●主な著書 『新万葉集読本』、『平成歌合 新古今和歌集百番』、『平成歌合 古今和歌集百番』、『百人一首と遊ぶ 一人百首』(以上、角川学芸出版。ペンネーム上野正比古)、『光彩陸離 写歌集Ⅲ』、『ヨーロッパの大地と営み 写歌集Ⅱ』、『ヨーロッパの山と花 写歌集Ⅰ』(以上、東洋出版)

「2016年 『万葉集難訓歌 一三〇〇年の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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