陰陽師 (4) (ジェッツコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592132141

感想・レビュー・書評

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  • 蟇ーつくづく、博雅は笛バカでまっすぐな人なのだなぁ。
    白比丘尼ー不老不死という道理に外れたものは、やはり業が深いのだな。とにかく逃れたくて鬼になってしまう、哀れというか、苦しいよ。

  • 「蟇」と「白比丘尼」の2話収録。

    相変わらず博雅がいい人。

    白比丘尼は、不老不死になってしまった女性のお話。
    終わりがあると思うと、終わりのないものに憧れ、
    終わりがないと思うと、終わりのあるものに憧れる。

    人はだいたいないものねだりなのか。

  •  安倍晴明&源博雅コンビによる平安怪異謎解き絵巻の第三巻。

    ■蟇(ひき)

     冒頭、美しい月夜に誘われるように、笛を吹きながら夜道を歩く源博雅。博雅は笛に没頭していて気づかないが、彼の笛の音によって屍肉を食らう鬼は姿を消し、盗賊も涙を流す。
     …これ、『古今著聞集』のエピソードをアレンジしてるんですよね。それ以外にも、源博雅については一巻の玄象を取り戻す話も『今昔物語集』に見える話を元にしているわけですが、元ネタも読んでみたくなる面白さです。
     あと、こう言っちゃ何だけど、自分の能力に全く気づいていないところは「涼宮ハルヒ」的と言えるかも知れません(笑)。

     このエピソードは、応天門の変が舞台になっているのですが、小学館の学習漫画『日本の歴史』で読んだ『伴大納言絵詞』を元にした話とは全く違う陰謀劇が新鮮でした。

    ■白比丘尼

     本巻で圧巻なのはこの話でしょう。
     原作の夢枕獏の小説では、かつて人魚の肉を食べたため、永遠の命を得てしまった白比丘尼の体に溜まる「禍蛇」を、三十年に一度祓うだけでした。しかし、本作では、永遠に生き続ける辛さに耐えきれなくなった白比丘尼が「死ぬための手段」に出て、儚くも美しい悲劇に昇華されています。
     晴明の、覚悟を絞り出すような台詞が読んでいて胸に刺さりました。
    「禍蛇を 祓わねば
     女は鬼になる

     博雅…
     おれは
     人は殺さぬが…

     鬼は退治するのだよ」

  • 造本/祖父江慎+大津千秋(COZ-FISH)

  • 白比丘尼
    これはこれで美しいのだけれど、
    原作とは大きく異なる話となっているな。

  • 『蟇』と『白比丘尼』の2つの話。
    応天門の変について学ぶことが出来ました。(ググりつつ読みました)謎の多い応天門炎上事件の真相に迫る晴明と博雅。タイムスリップもののような不思議な感覚で面白かったです。
    不老不死の悲しみを描く白比丘尼。丹生都比売神社にまつわる話。
    真っ白な雪の中に佇む晴明のラストシーンが秀悦でした。

    それにしても喜怒哀楽の激しい博雅にはいつも癒されます。晴明に言わせれば、鬼も退散させるほどの優しい良い漢なんですね。優しさや素朴さは鬼にとっては恐ろしいもの…ですか。ふむふむ。

  • 「蟇」と「白比丘尼」の二話を収録しています。

    「蟇」は、晴明と博雅が過去にわたり、応天門を焼いた罪で流罪となった伴善男の運命を知ることになる話です。

    「白比丘尼」は人魚の肉を食べたために、永遠の命を手に入れることになった女と晴明の三十年にわたる約束をめぐる話です。原作にもおなじ主題をあつかった話がありましたが、本作のほうが悲劇性が強いストーリーになっているように感じました。

  • 2018/11/20 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1035.html
     
    陰陽師 (4) (Jets comics)  勾陣(コウジン)

    「蟇 (ひき)」
     方違え 応天門 
     大納言 伴宿禰(とものすくね)善男(よしお) VS 源信(みなもとのまこと)
     
    「白比丘尼 (しらびくに)」
     不老不死の女、水銀、丹生都姫 (にうつひめ)

    源博雅の笛の音が、悪霊をも魅了する〜〜 ♪

    2015/11/13 友人に借りる。11/16 読み始める。11/18 読み終わる。
     

  • 2015.12.19市立図書館(長女)
    勾陣の巻「蟇」「白比丘尼」
    「蟇」は楽の名人たちや伴大納言のことなど、歴史や人物関係をもっと知っていたらよりおもしろく読めるんだろうな。時空を超えた大きな物語だった。
    「白比丘尼」、手塚治虫の「火の鳥」にでてきた八百比丘尼を思い出した。あちらは不老不死の苦しみというよりむしろ因果応報の業だったか。切なく哀しい短編。
    かっこいいのは晴明だけど、ともだちとしては博雅がいいよね、と娘と意気投合。

  • 美しい・・・!!「白比丘尼」の雪のオープニングとか好きだなぁ・・・。綺麗な作品を書くことに躊躇ない感じが良い!作品の細かいところは拾えてないけど、作品の雰囲気に包まれる感じ好きだなぁ・・・。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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