3月のライオン 3 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
4.32
  • (1215)
  • (768)
  • (418)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 9175
感想 : 371
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145134

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 出てきた島田八段!
    一番好き。
    あと担任の先生も本当いつもいいこと言うよね。
    誰かに頼れ。そうじゃないと誰もお前にも頼れないんだ。って。
    きっと昔私の担任が伝えたかったのはそういうことだったんだろうなって昔々の答え合わせをした気分。
    あの頃は今よりももっとひねくれてたからな。
    あの時に素直に受け取れてたらもっと生きやすかったのかなと思ったりもする。
    この漫画はちょいちょい昔の傷?をえぐってくるから苦しかったりもするんだけど、人として生きていくのに大事な事を思い出させてもくれるから定期的に読みたくなるんだろうな。

  • 周りの人たちの優しさに、新たな気づきを得て着実に新しいステージに進んでいる零。名言の多い巻だった気がします。
    どのキャラクターも全員漏らさず魅力的に描き上げる作者の力量には恐れ入る。あのクソ野郎の後藤ですら、瞬間、人間的な部分をきちんと見せて、多少なりとも人間味を感じさせるように描いているのは、羽海野さんというひとのもつ深みなのでしょう。
    孤独だったり生きづらさだったりが描かれていますが、全く軽薄な仕上がりになっていないのは、それゆえなのだと思います。

  • 島田との対局が素晴らしかった。
    「やれやれ…やっとこっちを見たな」
    零が後藤との私怨に気を取られ、自分をなめていたことすら見透かした上で、勝負の席で静かに座っている懐の深さよ。羽海野先生が描く大人は底知れない深さも、人間臭さもあって好きだな。

    「桐山のアタマをかち割ってやって欲しいのです」
    二海堂が島田へ伝えた言葉。そしてそれは、
    「桐山こそが僕の頭をカチ割って泥の中から出してくれたと思うからです」
    という理由も好き。自分の言葉などではなく、兄弟子に対局で打ち破ってくれることをお願いするという思い。二海堂が島田をどれだけ信頼しているかが伝わってくる。

    「ああ オレより強いヤツがいる オレより努力した人間がいる 『オレは独りぼっちじゃないんだ』って」
    負けることで救われること、気づくこともある。
    相米二の「どんなヤツでも一線でやってる人間で恥をかいた事無いヤツなんていねぇってコトにな」って言葉にも繋がるよね。

    「無傷では決して辿り着けるわけもない世界」
    傷だらけになっても独り、両足を踏みしめて世界の果てを往く。それを間近で実感できたことで、この敗北は零にとって大きな一歩になったのかなと感じた。

    あと、林田先生の「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ でないと実は誰もお前にも頼れないんだ」って言葉も好き。こんな声をかけてあげられる大人になりたかった。

  • 将棋人生の深さを感じさせた松永との対局、将棋も人生も諦めてしまう安井との対局を経た零は寝込んでしまったようで
    彼の性格上、一人暮らしでありながら体調崩して来なかったのが驚きでは有るんだけど、この場合これまで体調を崩していなかったのってあまり褒められたことではない
    だって、人に頼りにならず負担にならずと一人暮らしを始めてしまった彼は誰かに頼るという行為が非常に不得手。だからあの場面で川本三姉妹がドアをこじ開けなかったら零は一人で寝込んだままだったんじゃなかろうか
    そして、零の看病をするに留まらず幸田にも電話させたあかりの手際は褒められて然るべき

    かと言って零は川本家にただ助けられただけに留まっていないのも本作の上手い点
    川本家の助力がなければ零は一人だったように、零を助けるなんて強引なことをしなければあかりは一人だったかもしれない
    誰かを助けた者はきっと誰かに助けられている。そんな事を感じさせたシーンだった

    ただ、明るい暖かさを持つ家庭はそういったものを失った零にとって暗い泥の中へ引きずり込むような落とし穴であるのは辛いな…
    結局、零は居場所を手に入れ続けるために冷たい将棋の世界に再び没入するしか無いのか……

    そして、このタイミングで現れる後藤の恐ろしさですよ!ただでさえ静謐さを持つ将棋会館の空気をさらに冷たいものに変えてしまうね
    零のせいで家庭のぬくもりを失ってしまった香子がそれでも縋るのが今の後藤で、でも後藤は香子を邪険に言って……
    自分の居場所を手に入れ続けるため、香子の居場所を守るため。ここまで闘志を顕にした零って本当に珍しい
    それだけの想いを込めるということか

    ただ、それによって見えなくなってしまうものがあって……
    後藤に目を向けるばかり、目の前の島田に全然目を向けなかった零。だというのにそんな零に晴信も島田も目をかけてくれて……
    うん、これは恥ずかしい!第二巻ラストとは別の意味で走り出した零になんと言うか若者特有の青臭さを見た気がしたよ!

    こういう経験をして少年は大人になっていくんだろうなぁ……、なんて思っていたら!転職マガジン読むプロ棋士の衝撃!迷走が酷い(笑)

    人の温もりに迷い、棋士としての在り方に迷い。そんな少年を導いてくれるのが「先生」である林田だったのは良いなぁ
    川本家の温もりや島田の態度は零を盛大に迷わせたけど、そこにこそ零が選ぶべき答えがある。
    一歩踏み出して島田を「頼った」零の姿には大きな成長を感じられたよ

  • 今まで孤独に将棋をやっていた零くんが兄弟子というか、
    師匠筋の棋士、島田八段に巡り会います。

    ベテラン棋士たちは皆、泥臭く、重厚感のある人生を持っていますが
    皆、小奇麗ではないのに非常に格好いいです。

    何かを真剣にやって結果を出してきた大人っていうのは
    底力がありますし、良いものですね。

    プロというのは、底の深い長い時間をくぐり抜けるものだと
    零くんは知っていきます。

    そして、義姉の香子さんが侮辱されると、真剣にかかっていこうと
    する零くんを見てると、

    「なんだ、この義姉弟は、ちゃんと姉弟じゃないか。」

    と、きつい場面なのにホッとします。実はそこが一番印象的だったの。
    二人共口にしたり、器用に伝えたりは出来ないでいるけれど
    お互い傷つけ合ったことを越えて、やっぱり繋がってる気がします。

    それに後藤さんも、彼女に応えきれないから
    殊更ひどく突き放そうとしているのかもしれません。
    寄りかかりたくなる自分の弱さを知っているからこそ。

    それと、

    「自分で家を出て、家賃を払ってご飯が食べられるようになれば~」

    の述懐は、私もそう考えていました。そしてそれは、7割正しいと思うので
    完全に否定はしたくないです。後の3割はそれだけじゃ埋まらないけど
    7割の部分を自分でどう責任取るかが、人生の始まりだと思います。

    早く彼が胸を張れたらいいのに。

  • 頼れ頼れたよりまくれ。じゃないと、いざというとき、お前を頼れなくなる。ってとこ凄まじい。

  • 島田さん登場。島田さん大好き。実は、ちょっとルックスが、好きだった人に似てる。

    ファン投票でも意外に(!?)上位で、私だけじゃないんだと思うとうれしい限り。この後も、準主役、脇役として登場機会が多いのも、うれしい。

    真面目な話、島田さんの登場までの回は、登場人物やとりまくあれこれを紹介する序章だったのかも、と思わせるぐらい、島田さんの存在って、大きい。主人公が島田さんとの出会いから得る物、そして、そこから、読者が感じ取る物も。

    ここから、いきなり物語が動き出すって感じ。うん、大好き!

    ※少々、頭が沸いておりますので、お許しください。

  • こたつのように暖かくて、一度入ったらでれないような、温かい空間。
    家族がいて、仲良くご飯食べて、満たされてるように見えるのに、何か足りない川本家。
    その隙間にれい君が入って、みんなで暖めあえて生きていけたらいいのに。


    先生の言葉がとても印象に残っています。
     -あったかいものをとれ!!
     -「でも」が100個揃えば開く扉があればいーがはっきり言ってねーよ そんなドア!!

    れいくんは将棋に関係する人たちには、やたらもてるなぁ。

  • 3巻。葛藤、そして一歩踏み出す巻でしょうか。
    前巻で、香子との再会、後味の悪い試合で走り出し、叫んだ零。年末寝込んでいたところを三姉妹に助け出されるところから始まります。
    「あの家はなんか コタツみたいなんだ… 中にいると とろけるようにあったかくて 心地よくって 外に出ると 今まで平気だった日常が すっごい寒いところなんだって 気づかされてしまうんだ」

    そして臨んだ島田八段との試合で、自分が相手の型を決めつけ、島田を見て試合をしていなかったことに気づかされ、羞恥心を味わいます。
    「やれやれ…やっとこっちを見たな」と言った島田八段と、はっと気づいた表情の零のカットがとても綺麗でした。

    実は二階堂ぎ兄弟子である島田八段に「桐山の頭をかち割ってやってほしいのです。」と頼み込んでいたのも感じ入りました。

  • 上位者との対局や交流シーンが描かれ、将棋の世界にも奥行きが出てきました。でも、この作者は私生活に相当重点を置いてくるので、これからも多感で繊細な描写がメインになるんでしょうね。なんだか切なくて、読み進めるのが辛い気持ちになります。

  • なるほど。
    普通と思っていましたが、ジワジワ来るなぁ。
    何がどうって説明出来ませんが、ジワジワくる。

  • ほんと零は川本家に出会えてよかったと思う…!!
    ひとりだったら今頃どんなだったか(/ヘ ̄、)

    それに香子の行動もわたしにとっては謎。
    零にどうしてもらいたいのか、
    後藤さんとの関係もあるし。

    とりあえず零の回りが優しい人が多くてよかった。

  • 1巻、2巻も好きだったけど、この3巻で一気に心に迫るシーンが増えた。

    桐山とあかりの家の「頼る・頼らない」の関係、
    桐山と将棋との関係。

    桐山の幼さが、読み手にも強く共感できる形で描かれているのがすごい。

  • 1,2巻では人気作品というのが、いまいちピンと来なかったのですが、3巻で一気にはまりました。
    おじいちゃんの『「失敗した」って事は「挑戦した」って事だからな』という台詞に救われました。
    沢山の失敗を繰り返し、そのたび心折れてきたけれど、それは諦めず挑戦し続けてきた証拠なのだなと。
    この漫画はくねくねと曲がり道を手探りで行くような、たどたどしい歩き方しかできない人間を応援してくれるような漫画なのだなと確信しました。

  • 先生~(涙)
    ちょういい先生だ。こんな先生わたしも出会いたかったな。

    島田さんも渋い。
    オトナってかっちょいーね。
    わたしもがんばらねば。

  • なにかに長けていても、壁にぶつかって先に進めない人へおすすめ。

  • ふとしたセリフに救われる事がある。

  • 懐かしい世界を感じながら惹き込まれます。
    温かい、冷たい、やっぱり温かい。
    成長するって血をだしてかさぶた作ってまたやぶってくみたいなもんかな。
    血って痛いこと、恥ずかしいこと、苦いこと、、、でも大きな傷は濃くって熱いことにも気づきますよね。
    そんなことも感じる3巻でした。

  • 桐山くんの、おしつぶされそうな喪失感とか、哀しみとか、とても、とてもイタいです。
    なのに、読後感は、ほっこり。
    彼のまわりにいるキャラたちの、あったかさ。
    いてくれて、よかったなー。と、心の底から思えるよなひとたちで。
    だから、読んでるわたしまで、あっためてもらえるのだと思います。
    (将棋のこと、まったくわかってないんですけど。)

    担任の先生、むちゃくちゃイイひとです。ほんと。
    〈できる〉ひとじゃないとこが、イイひとなんです。

    • なぎさん
      さとさん、私も赤木かん子さんにすすめられ、このシリーズを買っています。
      イタいけど、温かいですよね~。

      内容もさることながら、脇のね...
      さとさん、私も赤木かん子さんにすすめられ、このシリーズを買っています。
      イタいけど、温かいですよね~。

      内容もさることながら、脇のねことか犬とかがたまらない味を出しています。

      次巻が待ち遠しいですよね!
      2010/04/02
    • さとさん
      なぎさん、コメント、ありがとうございます。
      赤木かん子さんのオススメでしたか〜。
      はい、ほんとに、あったかいです。

      脇キャラも、いいですね...
      なぎさん、コメント、ありがとうございます。
      赤木かん子さんのオススメでしたか〜。
      はい、ほんとに、あったかいです。

      脇キャラも、いいですね。ねこちゃんたちの食べものへの執着心、我が家の愚犬を見るかのようで(笑)
      じいちゃんも、ひそかにツボです。

      次巻、待ち遠しいですっ!
      2010/04/02
  • 繰り返して読める内容。
    いい感じでした!

  • なんだか絵がごちゃごちゃしてきたなぁーーー(それだけか?)

    いや、面白かったですよ。

  • 強者の戦い。痛みも辛さも味わわなければ辿り着けない場所がある。前巻までは若き将棋の天才でありながらもどこかのめり込めない青さのある零くんでしたが、苦しみの先に見える場所に気づき恐る恐る一歩を踏み出しました。
    そこに気づけたのは「コタツ」みたいな川本家のあたたかさに触れたからですね。あたたかさを知ってしまうと冷たさが怖くなってしまうけど、あたたかい場所があるからこそ冷たい場所に立ち向かおうと思える、冷たい中にもあたたかさは存在すると分かることができる。
    いやーホント、零くんはこれから色んなものを知って掴み取っていくんでしょうね…。あとがきで羽海野先生が人生ぶっこんだと書いてて、だから面白いし心に刺さる作品なんだなぁと思いました。この先も楽しみです。
    あと川本家のおせち食べたくなりました。メッチャ現代風!楽しくおいしく縁起が良いって素敵。以下メモ。
    ・紅白はんぺんで串団子
    ・鯛に切ったフランクフルト
    ・ポークビーンズ(まめに暮らせるように)
    ・金色のきんとん(金運が上がるように)
    ・れんこんのきんぴら(見通しが良くなるように)
    ・ごぼうの肉巻き(根をしっかり張れるように)
    ・ミニハンバーグの亀(長寿を祈って)

  • 後藤対スミス戦で後藤に抱く印象が変わる。そして島田さん対後藤は激しいぶつかり合いで面白い。これがA級。強者同士の戦い。桐山もまた一から……。にしてもアニメ見た時も思ったが兄者といるときの二海堂が小っちゃく見えるのは気のせいか。

  • 面白い

  • ずーーっと前に1、2巻を読んだ(らしい)ので続きを図書館から借りて読みました。先生なんていい人……。友達いなくてもこんな素敵な方がいたら学校がんばれますね。羨ましい。本当、周りの人に恵まれています。おじさま方も格好良いですねー! 続きも読みたいです。

  • 再び重厚さを増した3巻目、悩める少年・桐山零の巻。身体の不調だったり、転職を考えるほど精神的に追い込まれたり…。前巻の松永、安井とは一味違う壁として立ちはだかる後藤九段、島田八段を前に再び悩む零。だけど前巻と違うのは零が自分を見つめ直していること。これがただ重いだけのストーリーでなくしているかな。零と香子との関係は北欧的な暗重さがあるけど…。二階堂や神宮寺会長、スミスたちモブ?の突き抜けた明るさが◎。

  • 頼ることができなければ
    頼ってもらえない
    人を頼る
    友達を頼る
    仲間を頼る
    一人でできることもあるけど
    いつも
    一人が一人の力を発揮できない
    弱ることだってある
    一人しかいない時に
    頼れるか
    弱い自分を受け入れて
    勝とうと思えるか
    勝利は結果
    結果が伴うか伴わないか
    挑んだのだからその結果を受け入れる
    挑んだことがなければそんな気持ちになることもない
    一線にいる人に
    恥をかいたことない奴なんていない
    この恥をどう挽回していくか

  • 2009年8月29日
    本文ももちろんおもしろかったけど、あとがきが個人的には一番好きだった。
    羽海野先生は、巨大ネガティブエンジンを4基搭載した巨大生物のようなもの、らしい。

    ネガティブパワーを、創造する力に変えて、こんなすばらしい漫画を描いて、みんなを幸せに出来るなんて、すごい☆

  • 「達成感」って毎日を生きていく上ですっごい重要なエネルギーよね 三箇日を過ぎ体調も元に戻り 獅子王戦 適正価格エステー科学 あっそう…くみこは美人だよね ティアドロップ型サングラス ハープ橋が悲鳴を上げる 入玉 一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ 負けを悟った側は対局中に最後の一言に向けて心を整理してゆくが_勝つ側は最後の一瞬まで読み違える事がないよう_張り詰め続ける 無傷では決して辿り着けるわけもない世界_僕が「勝つ理由が無い」とか「なのに負けると悔しいのはなんでだ」とか言いながら_目を背けていた世界_その果てを彼は独り両足を踏み締めて往く人なのだ 巨大なネガティブエンジンを4基搭載した巨大生物のようなもので

  • 将棋文化のことが学べてよい。

全371件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

羽海野チカの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×