- Amazon.co.jp ・マンガ (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592145455
作品紹介・あらすじ
遡ること実に百五十年。
家光以来絶えて久しかった男性の将軍として誕生した、第十一代将軍・徳川家斉。
だが実勢を握り権勢を振るうのは、田沼意次を失脚させた、実母・徳川治済だった──。
江戸城内から一掃された蘭学研究者たち。
だが、市井にあっても黒木良順と青海伊兵衛は、田沼の、青沼の、そして平賀源内の赤面疱瘡に立ち向かう想いを、その胸に、しかと受け継いでいた…!!
2014年8月刊。
感想・レビュー・書評
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とても面白いです。
あり得ないはずなのに、史実とウマイことリンクしていて、あれ?こっちが実話?って、思えてくるんです。
映画化されましたね~
もちろん、見ました。
映画の部分も吉宗が男前で好きですが、その後のエピソードのが、ドロドロで儚くて美しいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こわいよう~。こういう、話の通じない感じの権力者が一番怖い。
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どこまで突き進むのだろう、大奥は。
今巻では、すでに男と女の情愛を描くところをもう越えてしまい、人間とは何か、政とはなにか、国を動かすとはどういうことかと、主題は大きく展望を拓いていこうとしている。
すごいな…、ホントによしながふみさんは…。
手塚治虫の域。 -
すべての黒幕、つか、原因が判明。
こわい。こわすぎる。
歪んでいるのに、賢くて冷静な人間が権力をもつって絶望的に恐ろしい。
いったい、何ゆえに彼女はこんなになってしまったのだろう。って、その原因もないんだよね。ないのにここまで歪みきっていられる。
その歪みに、彼女自身が恐ろしさを感じてないのがさらにこわい。
その一方で、病気への抵抗は続いているわけで。
先人の撒いた種が、芽吹こうとしているのが、対照的で泣ける。
人の悪と、善と。
やはり、それは表裏なのだろう。
そういうことを、かみしめてみた。 -
ついに男性に将軍職が戻ったものの、母に逆らえない十一代目・家斉くん。想像を絶する子だくさんながらも夫婦仲円満、性格も悪くないのだけど、いかんせん母・治済が怖すぎる・・・彼女は将軍ではないけれど、歴代の権力者の中で最も性格破綻してるんじゃなかろうか。一方で源内や青沼の遺志を継ぐ蘭方医たちにもドラマがある。それにしても登場人物の男性率がここへきてグッと増えましたね。
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いよいよ物語は終焉へ…?
青沼と共に蘭学を学んでいた黒木と伊兵衛は大奥を追放された後、江戸で共に養生所を営みながら、蘭学を忘れぬために何年も二人で勉強を重ねる。燻りながらもお互いを励まし合い、支え合いながら現状を耐える姿は、青沼の志がまだ生きている証として切なくも心強い。亡くなってもなお人の中にあり続ける青沼の存在感がとても大きく、後半に出てきた源内のエピソードと共に、この物語の重要な存在として心に残る。
そしてここへ来て、徳川を恐ろしい闇へと引き摺り混んでいく『怪物、徳川治済』
いつの世も、こういった化け物のような人間はポッと生まれてしまうのか。可愛い盛りの自分の孫を次々と間引いていくのも、少女時代に母や姉を自ら手にかけたのも、すべては自分の退屈しのぎ。この治済はフィクションの人物だが、人は歴史の中でこうした生臭く意味のない争いを繰り返してきた。なんと罪深い生き物なんだろう…
赤面疱瘡の核心に迫った今巻だが、現代でも人は同じく目に見えない敵と闘っている。戦争という人間同士の争い以外でも、常に人類は何かと闘ってきた。闘うことは人間の宿命なのだろうか。
次巻は、男将軍・家斉と、母・『怪物』家済の闘いが幕をあけるのだろう。誰かを・何かを守るために、人は闘う。 -
治済のサイコパスぶりが、筋金どころか鉄柱でも入ってるんじゃないかってくらい徹底してて面白い!家斉公をどう描くかも楽しみにしてましたが、期待以上でした。巻を重ねても中だるみしないところが流石です!
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良いところどりをしたい一橋治済の息子が150年ぶりの男将軍として徳川11代家斉さんになりましたの巻。
55人ものお子さんを作った家斉さんが女将軍じゃ厳しい設定だよなぁ…と思っていたら男でした。
よく考えられています。
しかし、実在の人間を描くのは難しいですね。
家斉さんの親である治済さんが、かなりの問題児。
松平定信さんなんてかわいいものでした。
しかし、水戸藩を除く御三家・御三卿にまで養子や嫁として子供を送りつけた家定さんの一橋家の血がいずれは絶えて、水戸の慶喜さんが養子として一橋に行くのだから不思議。
今の徳川宗家も水戸藩の血に代わっているよね。
暴れん坊な吉宗さんが紀州の血で徳川宗家を継いでいこうとしたけれど、かなりのところが最後は水戸に置き換わっている。
水戸って粘り強くてスゴイですね。