- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592162155
作品紹介・あらすじ
米軍の猛爆撃で瓦礫の島となったペリリュー島に、草木が再び芽吹き、小動物が姿を現し始めた頃。田丸、吉敷、小杉の3人は、茂る草木に隠れ、必死に食糧を探す日々を過ごしていた。ある日、田丸は米軍の缶詰とともに、地面に残された「伝令」を見つける。そこにあったのは、生き残った日本兵全員の苦境を打破する可能性のある言葉。食糧となる米軍物資を奪取する方法を教えるというものだった。その策は、散り散りになった仲間を救い、反撃へとつながる1歩となるか──!? 「戦場」で生きた若者たち、それぞれが「体験」した真実の記録。
2018年7月刊。
感想・レビュー・書評
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ついに東京大空襲を迎える時期。
本土でも戦況がますます困窮を極めてくる中、
遠く離れたペリリュー島でも、
事態はより重く苦しいものになりつつあった。
仲間との合流や米兵からの糧食奪取作戦など
明るい材料が見える反面、だからこそ
より深刻さを増して突きつけられる現実がつらいです。
でも、かつて現実にあったこと。目を逸らしてはいけない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争を生き残るって、こういう事の連続なのか。生き延びる指揮官は、縦割りでは無く、柔軟な考えを持った人なんだろう。
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再び生き残った日本軍の兵士が集合し、米軍の基地から糧食を盗み出すことに成功します。
各隊から集まった当初は、それまでの経緯や以前からの上下関係や確執もありましたが、次第に一枚岩になってゆきます。
「持久に徹する」という大本営の指示を思い出し、長期戦の備えを始める彼らの裏で、日本では東京大空襲がおこるなど、銃後も大きな被害を受けるようになっていきます。 -
アメリカ軍陣地に潜入して敵の物資を盗んで戻ってくる。こんな作戦、あまりにすごくて、「え?フィクション?」と思ったけど、ノンフィクションだった。
糧食さえあればある程度人はまともな「生活」に戻れることがよくわかる。食事もないのに持久に徹して1人でも多く敵を殺してなんて、無理だ。
一番ショッキングな話は38話生存本能2 。
コンクリ攻めされた穴を掘り出すことに成功し、片倉兵長たちを救出することに成功するのだが…
黒塗りで描かれないからこそ、彼らの惨状を想像させられる。
生きるために。
死なないために。
人はいくらでも残酷になれるし、体より先に心を失うんだなぁ。悲しくて、怖い。
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先の大戦の日本軍を描いた実録コミック。ペリリュー島の攻防戦はすでに決着がついているのだが、「降伏させてもらえない」日本兵は、食料を求めて夜陰に紛れて米軍基地に忍び込んだり。もはや何のために生きているのかも分からない。旧日本軍の戦い方は、あまりにもひどすぎる。大本営には「国民あっての国家」という発想がないんだな。
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4刷