ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 8 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592162186

作品紹介・あらすじ

昭和21年、秋。
最後の戦闘から1年半、平穏が続く島に、島民が帰ってきた。
終戦を知らず潜伏を続ける田丸と吉敷は、ある日、米軍のゴミ捨て場で「戦争は終わった」と書かれた新聞を見つける。
敗けられない戦いだった。そう言われて命を懸けた。
しかし訪れない反攻の日、無警戒な米兵の姿、“敗戦"へとつながる事実の数々に、生き残った兵士は揺れる――。
戦争は終わっているのか、いないのか。
終わっている方がいいのか、終わっていない方がいいのか。
病に侵された仲間救うため、真実を確かめるため、吉敷はある決断を下す――。
玉砕の島で、覚悟を胸に、懸命に生きた若者たちの記録。
2020年1月刊

感想・レビュー・書評

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  • 昭和21年。ペリリュー島。
    戦争は終わった。
    でも、彼らの戦いは終わっていなかった。
    あの苛烈な生き残り戦は鳴りを潜め、
    生命の危険からは少し遠ざかったようにも感じる。
    が、終戦を知らず、ましてや敗戦など想像することも
    受け入れることもできない彼らにとって、
    この生殺しのような「ゆるやかな緊張」は
    どれだけ消耗を強いる日々であることだろうか。
    ある意味7巻までよりもキツさを感じる8巻でした。
    吉敷と田丸の決断は、どのような局面を導くのか…。

  • 可愛らしい絵が逆に戦争の恐ろしさを引き立てている。

  • 戦争が終わったことを感じつつも認められない日本兵たち。認められないのは負けたことではなく負けた後の状態のほう、というのが問題の根深さを感じる。

  • 相手を倒す、戦闘に勝つ、という目的や機会の無いままに潜伏を続け、次第に隊の規律も緩み始めます。
    避難先から戻った島民女性を襲おうとするもの、米軍基地のゴミ箱から持ち帰った新聞で敗戦の情報に触れて動揺するものたち、戦闘とは異なる「辛さ」が続きます。

  • 逆に、つらい。



    高木は本当に馬鹿だったなぁ。
    よしきくんが心配です。

  • 初版

  • 島田少尉としては、40名近い集団を率いなくてはならない状態なので、少尉にだけ情報を渡すとか、投降について事前に相談するとかしておけば早めに帰国できたんじゃないかと思ってしまう。
    まぁ、答えを知ってるからこそ言えることなんだろうけど。

  • 戦争が終わったのに、何でまだ争うの?
    何で島民女性を襲うの?
    戦争が終わったのに、何でまだ日本人が亡くなるの?

  • 米軍との最後の戦闘から1年半が経ち、島田少尉率いる吉敷上等兵、田丸一等兵ら残存兵は生活にも戦闘にも十分な物資を備蓄していた。そこへ突然米軍が約200名の旧島民を帰還させる。もしや戦争は終わっているのではないか―。疑念を抱いた田丸と吉敷は米軍キャンプに忍び込み、英文の雑誌や新聞を持ち帰る。そこには、日本本土で写した米兵の写真と「WAR ENDS」「JAPANESE SURRENDER」の文字が躍っていた。島田少尉は、動揺する将兵に訴える。「『生きて虜囚の辱を受けず』。この戦陣訓を胸に我々を戦場に送り出した祖国の同胞が、戦い半ばで他国に降伏することは決してない」。しかし、日本の降伏を確信した吉敷上等兵は―。多くの戦場で展開されたであろう混乱と葛藤が始まる。

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