フルーツバスケット 23 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 209
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592184034

感想・レビュー・書評

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  • 名作として今も愛されている理由が全巻読んでわかりました。始まりから終わりまで、ずっと優しくてあたたかい話でした。少女漫画にしては残酷な描写も結構あるんだけど、それでも根っこにある作者さんの価値観?というか、人間の描写の仕方というか、そういうものがとにかく優しかったように思う。作者さんは性善説なのかなあ、とぼんやり思った。

    透と夾の心が通い合っていく過程がとても丁寧で、夾くんの不器用な優しさに男の人として惹かれていく透に感情移入しながら読めた。初期の方の看病のシーン良すぎる。

    誰かのそばにいたいと願うことは物凄く我儘で自分勝手なことだけどそれでも他人を求めずにはいられない、1人では生きていけない。それはモノノ怪に取り憑かれた特別な人間でも同じ。
    透がお母さんを忘れてそれ以上に大切な人ができてしまうことを恐れる気持ちがとても痛かった。失う辛さを知っている透が失いたくないと思えた相手が夾くんでよかった。

    メインの3人以外だと紅葉くんにはちゃめちゃに泣かされました。紅葉くんが最後まで透に自分の想いを伝えなかったの、紅葉くんらしいけどとても切なかった。相手に気付かれなくても、報われなくても、それでも良いと思える旅人の話をしていた紅葉くんだからこそなのかなー…と。

    映画楽しみだー。

    透と夾の未来に幸あれ。

  • ・2022/01/20頃に、フルーツバスケット全巻無料公開していると知り、タイトルだけ知ってたので読み始めた。

    ・全巻読み終えての感想をここにまとめて。

    ・フルーツバスケット、よくもまぁこんなにも毒親が揃いも揃った...と思うけど、物の怪付きというののせい、なのかなって思ったりした。1人くらいそうじゃないのがいてくれてもいいじゃないって思ったけど、それは透だったんだな。。

    ・ゆきくんの本田さんへの感情の着地点(恋愛感情ではなくお母さんを求めていた、事を自覚し、本人へ伝える)までの流れがめちゃくちゃ綺麗だなぁって思ったんです......

    ・確かに突然透を[女性]として扱うようになったな!って読みながら思ってた所があったけど、本人が意図的にしていたことで、試していたとあとからわかった時の、なるほどなぁ......と寄り添い側でうんうん、って頷いてしまう...

    ・透とゆきくんと夾の3人を、主人公とヒロインプラス恋敵、な在り来りの構図に落ち着かないで、このような結末へ持っていくっていう先生の思考がすごいとおもう...

    ・吹っ切れたように「ごめん、ほんとごめん」を使い始めるゆきくんがすきです。

    ・女子sはうおちゃんがかわいくて大好きです。

    ・Twitterで見たけど全てにおいての救いが透になるの、すごいなっていうか透の底知れない包容力が強い...メシア透の言葉に間違いはなかった...

    ・あきとさんが女性だったとはかなり驚いた。

    ・んーーーーーみんななにか満たされてなくて、でも踏み出すのも怖くて、現状にいるという姿勢から、踏み出す勇気をもった者から変化を得て進んでいくっていう大まかな言葉にするけど、踏み出すのも怖いって感情めちゃくちゃ分かるしそこから進むみんながすごいと思う。あきとさんも最終的にはきちんと進んでゆくし。

  • 小学生の頃から読んでいた漫画。

    昔は前半のどたばたコメディの雰囲気が面白くて、後半になるにつれてシリアスになるのが嫌だったけど、
    大人になって読み返すと後半の陰の部分に強く惹きこまれていくようになった。
    優しい言葉の一つひとつに泣きそうになる。

    不器用な夾がだんだん優しくなるのがいい。愛おしい気持ちになるラストが好き。

    もう一回読みなおしたいな。

  • 何度でも読み返したくなる。
    2、3年に1度は全巻読み直している、大好きな作品です。
    人間は醜いところもあって、弱いところもあって、でもそれに気づいて一緒にいてくれる人もいるんだと。心が洗われる作品です。

  • 何が斬新だったって連載当初一見三角関係にしか見えなかった三人のうちの透と由希が実は表主人公/裏主人公という位置づけで男女の垣根を越えた親愛の情を築き上げたことが証明されたラストですよね。個人的にあまり見たことのない落ちだったので鮮烈な余韻に浸れました。そして作中最も好きで最も泣かされて最も応援していた由希が最も成長してくれたことが一番に嬉しかったです。生徒会メンバーと関わりだす前後の時期の、透がくれた分け隔てない愛情から独り立ちし今度は自分の力で自分を歩くと前を向いた姿勢が、か細く淋しく心許なく映りながらも仄かに光るようで眩しかったです。いや、もう、真知と幸福になってくれたことが本当に嬉しくて本当にお目出度くて号泣であるスマン正直真知が登場した辺りから主役カップルよりギラギラ食いついて追っていました。由希、あなた男だったのね。かなり男を見せてましたね。すごい真知のこと攻めてて驚きときめきつつも笑いました。真知がほんに可愛いようううう。由希が透から与えてもらったように真知も由希から与えてもらって、でも透と由希のように敬愛だけでなくお互いが戀(に分類されるであろう感情)を含め気持ちを深めていって、なんていうか透と由希ももしも夾がいなかったら結構な割合でそういう関係になっていたような気もするので、完全にこういうのってタイミングの問題というか、人同士の機微って未知数だよね…としみじみしました。何が云いたいかというと紆余曲折経てこの世界の中でのたった一人をお互いと決めた由希と真知の末永い倖せを祈っていますということです。それは作中の全ての登場人物に云えることなんですけれども。個人的に一番辛口で味な成長をしたのは紅葉なんじゃないかと思いました。母君の「行ってらっしゃい」がそのまま「未来へ行ってらっしゃい」という意味なんだなと泣いた。ノーチェックだった分個人的に衝撃だったのはやはり紫呉兄さんと慊人さんではないでしょうか。これも正直云うと途中まで全然性別に気づいていなくて(男性と定めて見た場合の慊人さんのビジュアルが好みすぎたのも原因)、紅野さんとの随分とまあ艶かしさ前面に出したやりとりに花ゆめはいつからBLを赦した…!とカルチャーショックだったのですが、物語が半分越した辺りから線がまろやかに描かれ出したので、あ、そうですよね、女性ですよね、と把握。いや、昼ドラでしたね…笑。二十歳もいい加減越した大人同士の意地の張り合いドロドロすぎる。凄い良かったですけど。夾と透二人の老いた姿を最後描かれたのは、生きて死ぬまでの時間の長さ重みを見てわかるようにしたかったのだろうかと斜めな見方をしまして、これもまた良い終わり方だったと思います。ですが本当のラストはそれの一歩手前の、由希から透へ贈った言葉の花束なんだと思います。あれは由希が代表してフルーツバスケットという物語の主人公であった透へ捧げたものであったと同時に、読者へ向けた作者様からのいろんな思いを包んで渡した、それぞれ自分の日々を生きていかなきゃいけないそれぞれの人々へ捧ぐ慈愛に満ちたエールだったんだと思います。ファンブック未読なのでてきとうなことぶってますが。解釈は自由よ。本当に、響くモノローグが沢山に出てきて、噛みしめたい言葉がいっぱいに溢れた漫画でしたよね。読めてよかった。今更ですが高屋先生お疲れさまでしたありがとうございました!『星は歌う』も近いうち拝読させて頂こうと思います。

  • 何度助けられたかわかりません。
    この漫画に出逢えたこと、そして高屋先生に心から感謝を。

  • 猫含む十二支全員の呪いが解けた後の話。慊人は、紫呉からもらった振り袖を来てみんなの前に現れ、「ありがとう」と告げた。たぶん、紫呉と旅に出るところで、最後になったかもしれない。自由になった草摩の人たちは、新たな道を歩み始め、透も最終的には、夾と結ばれた。感動的な最後だった。

  • 夾くんが着物をきて透と並んで歩いてるとこに号泣した
    道場継いだってことじゃん…

  • ※全23巻の感想をまとめてこちらに。

    読み始めたきっかけは…たしか“ギネスに載ってる少女漫画”って話を聞いたから、だったかな?

    透みたいな子は…なんていうか、すべての人の拠り所的な存在だよね。((-ω-*)ウンウン
    でも、もっと狡くて人間臭い様なとこも見たかったな~。
    ってか、最初絶対由希とくっつくと思ってたのに、そっち(夾くん)かーい!みたいな。笑
    いや別にいいんだけど、どこ?どこで恋に落ちたん??って、読解力のない私には謎だったw
    (でも恋ってそういうもん?♡)

    心の機微が忙しないというか、ここまで人の内面に入り込んでくる作品って少女漫画ではそうそうないと思うので、なかなか新鮮だった。
    自分は自分をどう思ってるのか?
    自分が人をどう思ってるのか?
    他者が自分をどう思ってるのか?
    …色々考えさせられた作品だった。

  • 終盤暗くもなったけど、最後は気持ち良いぐらい全員幸せになって大団円だった。

    序盤の少女漫画らしさ全開な絵のタッチの好きだったが、
    20巻ぐらいから絵柄が変遷しつつも完成されて行ってた。

    anotherはその後?面白いんだろうか。

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著者プロフィール

高屋奈月(たかや なつき)
1973年、東京都出身の漫画家。1992年、『花とゆめプラネット増刊』(白泉社)「Born Free」でデビュー。2001年「フルーツバスケット」で第25回講談社漫画賞少女部門を受賞、同年テレビアニメ化され、これが代表作となる。2015年9月「フルーツバスケット another」を連載開始。
2019年、新キャストで「フルーツバスケット」がアニメ化されることが決定。

高屋奈月の作品

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