花よりも花の如く (第11巻) (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592186588

感想・レビュー・書評

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  • わたしも杖もない。
    ただ、三重のマトリョーシカを抱いている。

  • うーん、トレンディなんだよなあ、トレンディ。なんというか、全体的に90年代的というかトレンディなんだよなあ。能をやってる範囲ではらそうでもないのだけど、それ以外がトレンディなんだなあ。

  • 隆生先生が写真やレコードを探してくれたり
    憲ちゃんに見せる為にももう一度舞おうとされたり
    というところが感じ入るし
    伝統芸能の生々しさであるとも感じる。
    そうやって目の前で見せることでしか
    伝わらないこともある。

    葉月さんが「一番したかったことを忘れるために
    ピアノを始めたのかも」というのはぐっときた。
    『かげきしょうじょ!!』でも主人公がそうだったが
    そういう家に生まれて舞台に憧れて
    でも伝統芸能で男性だけのものだから自分は立てない
    というのは辛いところだ。
    だからと言って女性も立たせろ、という問題ではないし。
    葉月のピアノが好きと言ってくれる憲ちゃんや先生たちがありがたいし
    『楽しい時間と同じように傷は隣の人を近くする』
    という表現が美しい。

    安宅の関を越える、というのが本当に文字通り
    一同で越えるというのに感じ入った。

    確かに興味がないと舞台に立つと言っても
    趣味だと思うかもしれないし、
    能と狂言と歌舞伎の区別がつかないという人もいそうだ。
    だから彩紀の言う通り、ドラマの功績は本当に大きいとは思う。
    ただ当の本人は「私には杖すらない」と思い悩む真っ最中。
    自覚した途端今まで気にならなかったことも
    気になってしまう気持ちはよく分かる。

    望さんとの出会い、丁寧に描かれているからこそ
    ご都合主義に感じず、憲人が”持っている”なと思える。
    マッサージ師だからこそ自然に「また来ます」が成り立つし。
    家族ではなく能関係の人でもなく、でも同じ役者である琳さんは
    悩みを話すのに丁度よい距離感の友人だったのだろうなと思う。

    憲ちゃんの蝉丸を力強く思えたという葉月さんの感想がとても良い。
    演じる人や考え方(演出)で変わるから芝居は面白いのだ。
    その意味でテレビドラマだって同じなのに、
    同僚から「TV組」なんて揶揄されるのは悔しいものがある。

    漫画だからと言ってしまえばそれまでだが
    憲ちゃんといい周りの人といい行動力があって展開が早い。
    HPに載せたら?とか紹介して?とか、実際にちゃんと現実にしていくところが良い。
    現実だとなかなか周りが気乗りしてこなくて
    空回りすることが多い気がする。

    忙しくて後回しにしたいことでも
    焦りつつもきちんと投げ出さないところが素敵だし
    それをきちんと身にできるところが素晴らしい。

  • 「榊の会」立ち上げや例会の「弱法師(よろぼし)」に向けて多忙な日々を送る憲人。ドラマ出演の影響や自分と他の役者との違いに気付き、心に迷いが。そんなある日、琳と飲みに出かけて酔った憲人は、なぜか真っ暗な森の中で目を覚ます。そこで出会った男性は…?
    (2013年)
    — 目次 —

    附祝言

  • 2013-1-8

  • ドラマきっかけで伝統芸能に興味を持つひとは多いと思う。野村萬斎、海老蔵など。このマンガきっかけでお能に入るのだってアリ。

  • 戒(かい) 高砂/安宅/鷺/蝉丸/弱法師

  • 「年をとるというのはマトリョーシカみたいなもんでねぇ。20歳の自分も5歳の自分も中にいるんだよ。どんな大人も20歳でも5歳でもあるんだ。」ゴッホ先生。憲人はすぐにコンプレックスを感じていじけてしまう。悩んで、折り合いをつけて大人になっていくんだけど。ちともどかしい。

  • 相変わらずしっかりしたお話で安心して読める。

    しかし、いいタイミングでいい人と巡り会える引きのよさは凄いなー、憲人。

  • 白杖のマッサージ師と高尾山で出会うの巻

  • 逢坂までは、さすがに来ないか。残念(笑)近所なので。

    昔の成田 美名子は、ものすごく起承転結をしっかりつくる人だったのですが、「花よりも花の如く」は、それが見えない。見えないのに、しっかりとお話がつながっていて、おもしろいところが凄いです。

  • 7〜8巻が特に面白かった。

  • 憲人が「榊の会」の立ち上げで忙しくしてたり、能の家の弟子でなかったことに苦悩してます。テレビを見て能を習う人が増えてるみたいですけど、現実的にそういうことを考えたことはないなぁって。興味を持つのはいいことなんでしょうけどね。

    あと、高尾山での話は、一瞬夢話かと思ったら、現実話だったんでちょっと驚き。そこで新たに出会った盲目の望が「弱法師」の参考になっているみたいですが、音楽つながりで今度は望と葉月の関係が気になる憲人になりそうな予感です。

  • ちょっとだけ、というか、やっとケントがラブストーリーをしてくれる気になったか!です(笑)
    でも、新たに登場の美形さんが…これは波乱の展開を見せてくれる為の一役なのか?と勝手に脳内妄想をしております(笑)

  • 道成寺の被きに向けて自分の会を立ち上げたり、NPOの能教室の講師をしたりとどんどん忙しくなる憲人。
    ふと自分だけが役者の家の出ではないことに気づき、迷ったりもします。
    そんな中で新しい出会いもあって、迷いが晴れて行く。
    人って出会いなんだなって思いますね。
    葉月さんとの関係もどうなっていくのか気になります。

    個人的には、目上の人って何を考えているかわからなくて怖いなって思っていた時期だったので、17ページの隆生先生の台詞がとても印象的で、引用までしちゃいました。

  • 201301/丁寧に機微が描かれててさすが成田さん。じっくり楽しんでいきたい。

  • 高尾で迷子。。。

  • 人の出会いがまた成長に繋がるのでしょう、この出会いが色々な部分で大きく変わるのか?そろそろ決めても良いんじゃない!

  • 憲人の恋愛もなかなか進まんね~^^;『弱法師』から芸の悩みも出てきて、煮詰まってきたところにまたもや?迷子になる憲人、そして新キャラ登場。彼の存在が『弱法師』にどう影響を与えてくるのでしょうか。

  • 憲人さん、当初はのび太だったのに、かっこよくなっちゃって。

  • スピリチュアル的に捕らえるべきかわからんが、色々タイミングがいいよなぁ。

  • 正直、これほどドラマの影響が続くと思っていなかったので、たまに時間軸が混乱(笑)
    そして憲人さんの藤哉さん化が進んでいる気が(笑)
    いや、シリアスな場面と云うか、新しいお弟子さんとのシーンとかが多かったりするから仕方ないんですが、ムードメーカー的なおちゃらけた憲人さんも好きなので、ちょっち寂しい…。
    でもしっかりもののようでいて、全力体当たりなところと、同じようなループに嵌っているのは変わりないので、らしいなぁ、と。

    彼を見ていると強くではないけれど、じわじわと頑張れる力が湧いてくる。
    そんな意味で私にとってこの本はマイロングセラーです。
    再読ベスト10には確実に入る。

  • 「能って結構、恋の曲が多いんです」
    というあおり帯。
    古典系って恋を題材としてものが多いですよね。

    作中で、憲人の個人の会が本格始動して新しい生徒さんが増えました。
    みなさんきっかけはドラマが多くて、能をほとんど見たことがない。
    まぁ、それが今の日本の現状だとは思います。
    私も能と狂言、人形浄瑠璃なんかは授業で見に行きましたけど、歌舞伎はない。なかなか個人で見に行くには、環境が整ってないと難しい。
    最近では小学校などで古典芸能の授業があったりするらしいです。あと、お茶とかお花とか。
    能が「人類の口承及び無形遺産に関する傑作の宣言」されたことに、憲人家族が感想を述べていますが、一概に「よかったねぇ」とならないところがかかわっている人たちの乾燥かと。

    さて、恋の歌が多いという煽り文句のわりには、本編の恋愛は全く進展なし? な感じです。葉月さんとは仲良くしてますけれど。
    ひょんなことからマッサージ師兼バイオリンにストの望さんと出会う。
    盲目である望さんが「弱法師」をする憲人に影響を与えていく~というところで、以下続刊。次が楽しみです。

  • 生真面目に努める能漫画 11冊め。

    前回までがドラマ編で、今回から、そのドラマによって変わった能生活の再開のような感じ。
    新しい物の見方が加わったことで、迷いも増えたりで、それがまた新たに人に会うことで道がひらけていく。

    元通り、能の道に戻ったようなのだけど、進みかけた葉月さんとの関係は、それどころではなくなったような感じ。
    まあ、こちらもゆっくり楽しみながら付き合うべきだろう。

  • この巻の最初の話までは本誌買っていたか、立ち読みしていたようだ。
    望さんにマッサージして貰っている話も
    立ち読みしまして、
    また良いキャラ出して来ましたな(ワクワク)
    と思いましたけれども。

    能の「安宅」、たくさんの山伏達、高尾山…
    RDGと何気にリンクしている内容で
    ちょっと興奮しました。安宅だし。

    「マトリョーシカみたいなもので、20歳の自分も5歳の自分も中にいるんだよ」

    て台詞に安心したりとか。

    楽しい時間と同じように、傷は
    隣の人を近くする

    ていうのも思わず頷いてしまったり。

    整体師でヴァイオリンも超上手い望さんの
    台詞も言ってみたいな〜。

    「とにかく私弾いていれば楽しいし、幸せなんです。」

    憲ちゃんが高尾山で、酒に酔って迷子に
    なった話は完全に読んでなかったので
    意外性も手伝い楽しんで読めました(笑)

    そしてここで終わり…⁈
    良い所で以下続刊で…
    のああああってなったので
    ★4つで><

  • ここで終わるのか…!!!って思った。
    そう思うほど、心の底から続きを楽しみにできる。

    けんちゃんがんばれ。

  • ケントが魅力的な人物とすぐに親しくなれるのは、熱いときに鉄を打っているからなのかな~。ちょっと見習いたいです。

  • 20130110

  • 本当に一話一話、どっしりきっちり丁寧だよなあ……
    登場人物が仮想にとどまらない。

    なにより、お能知らないのでよくわからないけど、花花でお能に興味持たせてもらった。
    成田さんじゃなきゃこんな気持ちにならないと思う。

    さて、憲ちゃんスケジュールいっぱい過ぎないか……とても心配です。

  • マトリョーシカの話おもしろい!
    そうだよね、なくなったのではなくて
    積み重なっているだけなんだよね。

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著者プロフィール

成田 美名子(なりた みなこ、1960年3月5日 - )は、日本の漫画家。代表作は、『エイリアン通り(ストリート)』、『CIPHER(サイファ)』など。血液型はAB型。
青森県青森市出身。青森県立青森東高等学校出身。1977年、『花とゆめ』(白泉社)掲載の『一星(いっせい)へどうぞ』でデビュー。
登場人物の前向きな姿の描写へのこだわりで知られる。マンガ評論家ヤマダトモコは、成田作品の個性を「明るさへの意思」だと評した。

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