花の名前 1 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
3.71
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本棚登録 : 779
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592188254

感想・レビュー・書評

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  • 全4巻。
    とても綺麗で、静かで、そして心に秘めた痛いような恋情が熱くて、深く心に残る話でした。無愛想で頑固で人嫌いな小説家、京さんと肉親を失ったショックで心を閉ざした蝶子が一緒に暮らすうちに少しずつ近づいて、幸せに向かっていくストーリーが好きです。不器用で人付きあいが苦手な2人だけに、本当に「純愛」という感じがするお話でした。

  • 再読。確か高校の時に表紙とあらすじに惹かれてまとめ買いした覚えが。不器用で頑固な小説家と家事と園芸が得意な可愛らしい女子高生(後に大学生)との年の差、時折挟まれる文学的な言葉選び、暗めな雰囲気とほのぼのした平和的なギャグの絶妙なバランスが大好きな作品です。自分の手で闇を振り払った蝶子の言葉が本当にかっこいいです。また本編だけでなく、巻末おまけ漫画の秋刀魚の件には笑いました。個人的には薔薇さまだった蝶子を見てみたい…。

  • どこかやっぱり暗いけど、だからこそ蝶子ちゃんが持つ光がとてもきれいに見えた
    本好きさんに読んで欲しいなとも
    でもこれは少女マンガ
    そして私は作者のギャグセンスがとっても好き
    場面場面で見ると笑えるとこもいっぱいあるから好きなんだよなーほんとに

  • どうしよう売れない・・好みすぎて。
    ちょっと暗いテイストが入る時もありますが、
    暗闇をずっと彷徨う人が、闇の中で行灯のようなささやかで小さな光を見つける話が好きな人にはオススメです。

    真面目なキャラクターだけじゃきっと読まなかった。
    作家の友人や蝶ちゃんの友人には和みました。

    小話の、事故とはいえ、惚れた男の顔を魚で殴れる女性は、意外性があって好きです。←暴力を肯定しているわけではないのであしからず。多分、この話があったから主人公の女の子を好きになれたんだと思う。

  • 1巻感想
    少女漫画の中では一番好きと言っても過言ではないくらい、大好きな作品。

    両親を事故で失い、心を閉ざした美しい少女・蝶子と、彼女のことを引き取った、心に闇を抱える無口で偏屈な小説家・京。
    美しい言葉選びや丁寧な場面など、漫画でありながら純文学を読んでいるようでした。
    花を育てることで自らの闇を抜けた蝶子と、未だ闇の中にいる京。しかし蝶子の存在によって、京も徐々に救われていく。
    「孤独」や「闇」という重いテーマを抱えながらも、京の担当である秋山の明るさがいい緩和材となり、暗くなりすぎない。
    蝶子が緊張したあまり、京を秋刀魚で叩く場面など、笑える部分もたくさんありました。
    闇の中を漂うような雰囲気に、白い花がぼんやりと浮かび上がるような美しい作品。


    2巻感想
    大学二年生になった蝶子が「大正文士の会」というサークルに入り、新たな人物たちが増えました。
    蝶子に恋心を抱く優しい青年、唐澤がとにかく可愛いです。秋山さんと明るい大正文士のメンバーたちが、重さを増していくこの作品の良い緩和剤になっていると思います。 伊織という女性の登場で垣間見える京の過去。自らの闇に沈んでいく京。いつになったら彼は闇から抜け出せるのか。蝶子は、京を闇から救うことは出来るのか。
    重いままで終わりましたが、巻末のおまけ漫画で和みました。


    3巻感想
    京が抱える闇が深くて、底無し沼に沈んでいくような巻でした。
    京を連れていった伊織。京がいなくなり壊れた蝶子。そんな蝶子に告白をする唐澤。京を叱咤する秋山。 京の過去、伊織の願い、秋山の決意、唐澤の優しさ、蝶子の強さ。
    過去は消えることはないけれど、それを乗り越えた先に光がある。
    伊織も秋山も闇から抜け出した瞬間が、とても綺麗でした。

    4巻感想
    闇の中にひっそりと咲く、蓮のように清浄で美しい作品でした。
    京の弱さと、蝶子の強さのバランスがよく取れている。
    花は枯れても、また咲くように凛とした再生のお話でもありました。
    きっと蝶子と京には、これからも様々な困難があるでしょうが、乗り越えていくことが出来ると思います。そして願わくは、秋山と唐澤にも幸せが訪れますように。

  • 全4巻一気に読了しましたが、すばらしくよかった。
    気もそぞろで読んでたのに、すぐに物語に引き込まれ
    熟読してしまった。
    いろいろと深かったなぁ。
    作品自体が文学的で、つねにいつもどこか凛としている。
    物語の中に流れる風が穏やかなのに突然の強風になったり、嵐になったりそんな時間の流れをちゃんと見守り、支え、寄り添う人達が各々で理由を持ちながら集まり、いつの間にか全てが必要でなくてはならないものとなっていた。
    物語の暗い部分にも、いつも光の糸がみえる、シリアスだけど救いようがないわけじゃない。
    京さんや蝶子さんの抱える過去はとてつもない闇なんだろうけど、その傷が逆に人をひきつけてしまうんだよね。
    セリフも所どころドキッとするような突き刺さるような言葉や深みを感じる部分もあって、とにかく面白かったです。

  • 隠れた名作です。もっと評価されても良い作品。
    暗めのお話の中に微かな光が見え隠れする感じが好き。
    どこか文学的でもあるのに、時々入れられるクスリと笑えるような場面が映えて素晴らしい作品になっていると思います。登場人物たちが何とも切なげに、不器用に生きているので何とか幸せになってほしいと願ってしまうようなお話です。

  • 少女漫画の中では一番好きと言っても過言ではないくらい、大好きな作品です。
    両親を失い心を閉ざした蝶子と、心に闇を抱える偏屈な小説家。
    美しい言葉選びや丁寧な場面など、漫画でありながら純文学を読んでいるようでした。
    花を育てることで自らの闇を抜けた蝶子と、未だ闇の中にいる京。しかし蝶子の存在によって、京も徐々に救われていく。
    「孤独」「闇」という重いテーマを抱えながらも、京の担当である秋山の明るさや、子供っぽい部分を見せる京、蝶子が緊張したあまり秋刀魚で京を叩くなど、笑える部分もたくさんありました。

  • 何度も読み直してしまう作品。
    斎藤先生の繊細な絵柄とストーリーがまさにぴったりだなって驚きます。(←失礼)

    静かで穏やかな日常の中で感情が激しくうごめいている様子に、恐怖と美しさを同時に感じます。

  • 大好きな作品。今でも何回も読んでます。

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