ねじまき真野さん (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592191308

感想・レビュー・書評

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  • 再読。「ねじ」は「軸」だ。ねじを巻くように髪を結う真野さん。毎朝のその習慣は彼女が正常稼働するための儀式のようなもの。ねじを巻かなければ制御不能、つまり故障と損壊を意味する。
    私の目は真野さんが髪の毛を切るシーンで釘づけになる。彼女の声は震えている。その咽喉から絞り出すような声を頭の中で再生するとき、彼女のことを歪んでいると言う以前におそろしいと思う。けれども、平穏と均衡を切り捨ててでもただ一人の人を手に入れたいと懇願する彼女に惹かれ、繰り返しこの作品に手を伸ばす私も、とうに頭のねじが飛んでしまっているらしい。

    狂気すれすれで正気を保っている少女を描かせたら、白泉社では斎藤さんに敵う人はいないのでは。
    《2014.01.30》

  • 自分の髪を結うことで心を落ち着かせている、真野薔子(まのしょうこ)。転校してきた時期と制服のせいでクラスで浮いた存在となっていたが、隣の席に座る野田成二に弱みを握られたことで付きまとわれることに──。表題作、野田の過去と幼馴染を描いた「架空庭園」、描き下ろし「その後の真野さん」の他、「薔薇とジルコニア」「吐露」を収録した短編集。
    『花の名前』以来、久々に斎藤さんの本を購入。やっぱりドロドロした話が上手い。異常な執着心や劣等感など。野田は真野さんとみひろ、最終的にどちらを選ぶか非常に気になる。

  • クラスで浮き気味の転校生・真野さん。自分の髪を結う(=ネジをまく)ことでマイペースを保ってきたが、隣の席の野田君に弱みを握られ、つきまとわれることに! 構われる理由が分からないまま、彼の不可解な行動に振り回されるうちに…? 他3編&描きおろし収録、斎藤けん傑作読切集。

    なかなか難しい感じの短編集。
    斎藤さんの作品は結構重い話とギャグな話のギャップが激しいけど、今回は重い方が多め?
    真野さんの話では野田くんとのやり取りはそれなりに面白くて、真野さんが変わっていく感じが好きなんだけど。
    髪切ってからのキャラがだいぶ変わってて、むしろこっちのが好きだなぁという。
    ただそのまま次の話読むと、今度は野田くんのキャラが違いすぎてて、最初これが噂の「前の彼女との話」だと気付けなかった。
    幼馴染のみひろちゃんはとてもいい子で、自分なりに頑張ろうとした結果があれで…。
    そういう意味では野田くんがすごく厄介な性格してたんだなと。
    でもこれを読むと、出来れば待っててほしいなぁと思うので、真野さんとくっついてほしくないというジレンマ。
    薔薇とジルコニアは最初ホントにSFなのかと思ってた。おまけに最後のメールがコミックスの柱部分だと思って飛ばしてせいで、意味不明に。
    後でようやくオチに気付いた。ああびっくりした。

  • 真野さんの話が一番よかったなあ。瀬名さんも好きだ。

  • 最高。めちゃくちゃツボ。かわいい表紙と裏腹な内容がまたいい。
    すごい多様な解釈ができる作品だと思います。ハマる人はハマるし、苦手な人は苦手ってはっきり分かれると思います。

    絵がきれいだし、登場人物の心情の言い回しとかも惹かれる。
    真野さんの話は可愛くて痛い。架空庭園は切ない。お互い思ってて、なのに別れなきゃで。描き下ろしの真野さんは続きが気になってしまった。
    バラの話は藤井さんがかわいかったです。ファンタジーかと思ったら違った。

    読了後もう一度読み直してみるとまた違った感想を抱ける作品です。掲載順がすばらしい。真野さん→架空庭園→その後の真野さんて順で読むと胸がいっぱいになります。人形だとかねじだとか、感情、独占といったキーワードが真野さんと野田君の間にあるのですが、私はそれがうまく解けない。答えのない作品だと思うけど、誰かに解説してほしい。笑

    とにかく多様な解釈ができる作品。とってもおもしろい。

  • 斉藤けんさんらしい話。
    シリアスというか毒があるというか、読み終わった後に何だか背筋がゾクッとするというか(笑)
    花の名前を思い出した。
    最後の「吐露」がすごい。短い話の中にあれだけ深い内容を描けるとは・・・。奥が深い。

  • 表題作が特に何とも言えない読後感、皮膚を割いて心の弱い部分を突き刺される感覚に眉をしかめた。
    その後の結末を空想してもきっと誰かが泣いて誰かが笑うことはないのでしょう。切ったものはなんだったのでしょう。

    作者の紡ぐ人物たちのモノローグに今回も魅せられた。
    意志の強い瞳、好きです。

  • 斉藤けん先生らしいお話が詰まった短編集です。表題のねじまき真野さんは後日談の方が好きです。

  • 素晴らしかった・・・さすがである。

    ただ、みひろの件は、なんとも言えない気持ちになった。彼女が野田くんを好きな気持ちは多分本当で純粋にそうで、それを成就させたいと思うのは当たり前の気持ちで、でも多分みひろは野田くんと並ぶには真っ当な子すぎるんだろう。野田くんは歪んでるのに、みひろはおそらく本質的にそれを理解出来ない。それは野田くんにとって苦しいことだと思う。
    かといって一緒に狂ってくれる真野さんと一緒にいることが幸福なのかとも私は言い切れない。世界がどんどん、閉じていきそうだ。それともお互いだけに落ちてしまえば逆に完結して安定するんだろうか。難しい・・・心の話はなんでも難しい・・・

    何はともあれ、このコミックスに入っているお話はどれもすごく好きだ。吐露も読んでて泣きそうになったよ。どれこれも、何もかもが、素晴らしかった。

  • ・・・斉藤けん先生すごいなぁ、と思った一冊。
    うまく言えないけど、吐露の表現の仕方とかすごいと思う。
    表題作も面白かったけど、薔薇とジルコニアがいちばん好み。

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