誠のくに (花とゆめCOMICSスペシャル)

著者 :
  • 白泉社
4.13
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本棚登録 : 380
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784592194354

作品紹介・あらすじ

激戦の会津で、命を燃やす斎藤一。一方、北に新天地を目指す土方歳三。2人の間に交わされた熱き想いとは!? 『北走新選組』『凍鉄の花』に続く新選組シリーズ第3弾!! 2013年9月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 花とゆめコミックスにしては厚い。対して、斉藤一と土方歳三を軸とする新選組と会津藩の有為転変を描くとなると、駆け足だなぁと思う。史実をきっちりおさえつつも、フィクション部分は説得力がある……たとえば、斉藤と土方の出会い、斉藤が土方の懐刀として非情の剣を振るうことになる経緯や動機、斉藤と中野竹子や高木時尾との接点、会津で土方と斉藤が異なる選択をする経緯、など。限られた中にも、近藤勇、沖田総司、原田左之助など新選組幹部や容保様始め会津藩の幹部たちも鮮やかに印象を残す。繊細な少女マンガのタッチで斬り合いや戦を説得力もって描くのは大変だと思うが、初めて旗本を斬り殺した場面から会津戦争の凄惨な各局面までも描き込んでいる。「この本を福島と幕末に生きた人達に捧げます」という献辞に感銘を受けました。

  • 菅野さんの新選組シリーズ第三段。斉藤さんのお話です。
    新選組も北上の時期になると内部でごちゃごちゃし始めて難しいなあと思っていたのですが、これを読んでなるほど…と勉強になりました。
    もう少し幕末あたり勉強しないと幕末好きとは名乗れないな…

    自分の誠を求めて生きる姿はカッコイイ。そして土方さんもイケメン。
    しかし、集団の心理は怖い。会津の人たちの心意気は感心する反面、自ら命を絶つ必要はないのに、って何かにとり憑かれるように命を懸けている姿が異常だと思った。
    幕末それ自体が異常な時期だったのかもしれないけれど、それがすごく伝わってくる。

  • うーん……
    いや、いくら何でもダイジェスト過ぎねぇこれ?

    『凍鉄の花』はちょい微妙だったが、『北走新選組(私のMacは最初に真選組って出るw)』が好きで、当時まだ幕末初心者だった私は、少女マンガでここまでガッツリ描ききった作者に、一種尊敬の念すら覚えたもんだった。
    現在にしても、おそらく作者の方が情報量・知識は上だろう。
    でも、だ。
    10年近く経過して、震災があって原発事故があって、大河があって、資料が少ないらしい斎藤一と会津を、満を持して描いたんだろうけども。
    新撰組好きークリエイターとして、疼きがあったのだろうけども(笑)。
    もうちょっと焦点を絞るか、あるいはじっくり腰を据えて描いた方がよかったように思う。

    新撰組の個々の人物像については十人十色思い入れがあるから、ここで何か言ってもあまり意味はないが、この斎藤一は私的には“違う”なぁ。作者、中村彰彦の『明治無頼伝』読んだのかな?

    ※私が幕末にハマったきっかけは何を隠そう『銀魂』だ(そして実は会津の生まれだw)。

  • この方の新選組関連3作を読み。絵柄もエピソードの入れ方もザ・少女漫画なんだけど、作者の新選組愛がすごい。

    で、この斎藤一も良かったです…特に顔(そこか)
    しかし、このうっすらBL風味は何なのか? 新選組系あるあるなのか? 

    ともかく、話はけっこう事前知識ないとわかんない感じだけど、これをきっかけにググったりして、会津戦争とかに詳しくなる、という。一石二鳥(?)
    会津藩とのつながりとか、結婚エピソードとか、謎の多い斎藤一だからこそ創作できる話なんだろうなー。創作意欲をかきたてるというか。

  • 新撰組の斎藤一の生涯を描いた作品。泣けた。しかし乙男の「男らしさ」価値観の元は新撰組にあったんだな、と解る。

  • 斎藤一を主人公として描かれる新撰組のお話です(*´∀`*)ただ真っ直ぐ誠を貫いた男達。アツイ!土方さんと斎藤さんの会津での別れのシーン…。仲たがいではなく、それぞれの道へと歩むための別れ。このシーンが好きです(ノω`*)斎藤さんが、心折れそうになる土方さんを奮い立たせるシーンも良かった(*´∀`*)菅野先生が描かれる土方さんの絵は、鬼の鋭さ・儚さ(近藤さんが居なくなってから)があってかなり切なくなるのでタオルのご準備を★2017.7.3.読了。

  • 新選組シリーズ第三段
    今回は斉藤ーがメイン。
    所々分かりにくいシーンも有るが、それを補う作者の新選組への強い思い入れを感じる。
    そして相変わらず土方さんが格好いい…その生き方で斉藤さん始め隊士たちに多大な影響を与えています。
    斉藤さんと土方さんの強い繋がり、斉藤さんと会津との繋がり、斉藤さんと侍としての生き方が描かれる。

  • 斎藤メイン。斎藤ー土方の関係性と絆に重点を。あと、斎藤さんと会津の関係。
    なぜ斎藤は会津に残り土方は北上したのか、についても納得できる描き方だった。
    2013年だから、題材を選ぶ時に「八重の桜」を意識した部分もあるのかな。
    大河もだけど、斎藤さんと時尾さんのカップル好き(*^_^*)
    個人的にも斎藤さんは「土方さんにとっての懐刀」というイメージが強かったからそういう描き方で嬉しかった。江戸以来の仲間にはさせたくない汚れ仕事も頼める存在。
    しかし、会津戦争のはいつ見ても辛いです…

  • 出だしのシーンから一気に引き込まれました。
    斉藤は冷徹と言うよりもどこか脆さもはらんだ、人情味のある印象で、土方との持ちつ持たれつな関係がとても魅力的でした。
    斗南藩時代の話も盛り込まれていましたが、この後半の斉藤が私は特に好きです。(そのそばで彼を見守っていた二人の女性もまた魅力的で……)
    北走は(野村が主人公の話は特に)少し青臭いと感じさせる部分もある清々しい作品でしたが、誠のくにはそれよりももっと温かで優しい気持ちにさせてもらえる作品だと思います。

  • 連載されている時から読んでいたが、全体的に解説的な部分が少なく、「斉藤さんがとにかくかっこいいけれど、これは会津と新選組の関係や会津での戦い、新選組の終焉を知らない人にはかなり分かりにくいだろうな」という印象は受けた。コミック化にあたって、目立った加筆修正は多くなかったのに何気なく、斉藤さんの気持ちがより分かりやすくなっている気がした。それにしてもすごいのは会津の人の底力。女性の強さがうまく描かれていた。謎の多い人、斉藤さん、本当にこう考えて生きていた気さえしてくる。

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