- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592195412
感想・レビュー・書評
-
前作『彼女になる日』の舞台設定を引き継ぎ、男性から女性へと後天的に性別が変化した学生の人間模様を描くおはなしです。
anotherの名の通り、登場人物を取り換えていますが客演もあったりします。また、コミックスでは前作の後日談としての短編も書き下ろされています。
さて、本作では一話→一巻での完結が企図されていた前作と違って連載となっているため、「さぁどうなることでしょう」な要素が増量となりました。
年齢が高校生→中学生に下がり、思春期の迷彩が増したこと。
当然ながら肉付きが少し落ちたでしょうか。
また、表面的にも受け入れていた肉体の変化も主人公「相楽」が突っぱねた性格と言うこともあって周囲には隠しており、元彼が受け入れるまでの過程も焦点となります。
さらに時期がはやまったことによって「羽化」と言う生物的な生々しさやエロチックさがより一層強調されているような気がします。
また、友達からはじめる関係の「黒川」さんによる着せ替え人形的なお約束のイベントなど、ある程度成熟した関係だった前作より初々しさなどが強調されているような感も強いです。
主人公を含め羽化する対象が二人と増えており、また直面するのも三角関係と、偏に括れない性別のいざこざは増したでしょうか。
BLだか百合なのかノーマルなんだかさっぱりわからない恋愛関係、面白いです。
これを上記の内、いずれかひとつと決めて読むにははじまったばかりでもったいないと思います。
単純に考えると、悪友の「成海」と想い人の「黒川」さんのどちらかと思いつつ、それも受け取り方にとっては非常に複雑な問題なのです。
男としての男か女か、または女としての男か女か、その女も……。
今後に繋がる伏線と言うか、それも隠された伏せ札と言うか、一巻目にして波乱の要素に満ちています。詳細をみるコメント0件をすべて表示