おむすびの転がる町

著者 :
  • 白泉社
4.41
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本棚登録 : 359
感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592711650

作品紹介・あらすじ

「楽園」からの6冊目のpanpanya作品集。
表題シリーズはじめ「筑波山観光不案内」全5本計55p、「坩堝」「ツチノコ発見せり」「新しい土地」等、著者ならではの描写が輝く16篇。
日記も併収。
2020年3月刊

感想・レビュー・書評

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  • 漫画、だいぶ前に新刊のコーナーに平積みになってたのを装幀買いしていたの、積読物件。満を持して読みました(どんなんよ)。これはめちゃめちゃ面白かった。小学校の頃につげさんのマンガを読んだ時のような、不思議な旅行感が味わえました。特に、ツチノコ、観光不案内、おむすびの転がる町の3作はすばらしい。味わい深く、濃厚です。ただ、この絵柄は好き嫌いが別れると思う。お目目キラキラ系とか萌え系しか受け入れない人には不向きか?
    そして、ザキヤマのカステラ風蒸しケーキ、、食べたことはあったが、そこまで言われるとまた食べたくなりますねぇ。いつかどこかで見かけたら食べようと思います。

  • ■おむすびの転がる町(2020年3月)7冊目
    ツチノコ発見せり
    筑波山観光不案内①旅のはじまり
    筑波山観光不案内②山のぼり
    筑波山観光不案内③山頂にて
    筑波山観光不案内④山のひみつ
    筑波山観光不案内⑤それから
    そこに坂があるから
    坩堝
    街路樹の世界
    茫洋
    カステラ風蒸しケーキ物語
    動物入門
    新しい土地
    架空の通学路について
    おむすびの転がる町

    これで、今のところ刊行されている7冊全部読んだことになる。
    最初に読んだときはつげ義春じゃん!と思ったし、インタビューで影響はないと答えているらしいと読んでも、いやいや嘘だろと思っていたが、7冊読んで考えが変わった。
    たぶんこの作者、ブッキッシュではない作家だ。
    お話を消費するのではなく、目の前にある物事を観察し知ろうとする博物学への意欲が強い。
    はっきりと考現学と著者解題に書かれていたので、いまさら発見のように言うのも空しいが。
    散歩するときに目に映るあらゆるモノに名前がついていて、ほとんど誰かが作ったり意図をもって配置したりしているって、あらためて考えれば奇蹟。
    こうやって世界への解像度を上げていける作者、すごい。

  • 作者のpanpanyaさんは、一つの気づきから何倍にも想像をふくらませられるような、とても楽しい感性を持っている。
    この漫画を読むことでそうした楽しい感性をおすそわけしてもらっているような、作者の見ている景色を一緒に覗かせてもらっているような感覚がして、本当に楽しかった。
    本の感想としては少しおかしいけれど、やっぱり「面白い」ではなく「楽しい」。

    わたしのように、好奇心や探究心をなくしてしまった現代の大人たちにこそ読んでほしい作品。

  • いつもと同じ道を歩いていたら、知らない建物があることに気付いて、いつのまにやら別世界に来てしまったような気分になる。

    読んだ時のそんな感覚が癖になって、つい毎回買ってしまう。
    雰囲気は変わらないのに、知らないものを見たような気になるところもあいかわらずだった。

    「カステラ風蒸しケーキ物語」を読んでいて、自分にも昔好きな蒸しパンがあったことを思い出した。
    食べたくなって調べてみたものの、かれこれ10年程前のことでぼんやりとした記憶しかない。画像検索でこれかと思うものを調べても、いずれも現在は生産していなかった。もう幻のパンと思う他ない。が、思いは募る。
    とはいっても、解題にあるように、蒸しパンを通してあらゆるものの移り変わりとそれを受け入れて丁寧に生きる心境にはならなかった。

    作者の、潰れたエネルゲンの缶を拾って磨いたり、行政発行の街路樹マップを買ったりする行動は何処からくるものなんだろう。一番気になったのは、定期的にそんなものを集めて置き場は尽きないのかということだった。それとも作品世界のように、謎の無限の広がりが漂うご自宅なんだろうか。

  • panpanyaさんの作品『おむすびの転がる町(2020)』を読了。

  • どうしても『蟹に誘われて』を初めて読んだ時の衝撃を期待してしまう自分がいて、嫌になります。

    本作品集はタイトルにも含まれる「町」、町並み、がひとつの共通テーマに据えられており、一部はエッセイのような趣きがあります。

    ある程度の方向性のようなものが示されている為か、『蟹〜』の時に感じた予測不能なワクワク感、底知れなさ、何じゃこれ感はだいぶ薄まっているように思いました。
    女の子の表情表現が豊かになったのもそう感じる一因なのか?

    このへんは星新一御大の作品集に通じるように感ぜられて、作者の懐の広さを見られると共に、「これはこれとして、こういうのじゃないやつがいっぱい読みたいの!」という私のわがままであります。

    「動物入門」「新しい土地」の2編は好み。


    1刷
    2021.7.12

  • やっぱり面白かった。好きだpanpanya。
    特に「筑波山観光不案内」(私も行ってガマグッズ手に入れたい)、「新しい土地」「おむすびの転がる町」。
    異界が現実世界とそのままつながっている感じ、まことしやかにあり得ないことを(時に正しい科学知識も交えながら)語る(騙る、と言ってもいい)技術、不条理で不気味なところ、時にノスタルジックな後味。
    絵も魅力的だし、本当に素晴らしい。
    いつまでもこの世界にいたくなる。
    電子書籍でも買えるけど、装丁がいつも凝っているので、紙の本で買っている。

  • 2021/3/10購入
    2021/6/10読了

  • 初めて行く土地には新しい発見があります。
    でも自分の住んでいる町にも、見逃していることがたくさんあるはず。
    いつも通り過ぎる坂の上には何があるのか。お気に入りの菓子パンはどこで売ってるのか。おむすびの転がる先には何があるのか......。
    毎日の通学ですら冒険だった子どもの頃を思い出して、自分の町を見直してみたくなる一冊です。

  • 久々にこの方の漫画を読んだ。あいかわらずの世界観が心地よい。
    梶井基次郎の小説を、からっとさせてSF(すこしふしぎ)要素を加えたような。現実に非現実が混ざり込んでくるが、それに対して突っ込みや過剰な説明がなく、ふむふむと主人公の疑問・仮説・実験・考察の過程に付き合っていくような気持ちになれる。挟まれるエッセイみたいな文章も良くて、都庁の街路樹の話が心に残った。

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