- Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592711650
作品紹介・あらすじ
「楽園」からの6冊目のpanpanya作品集。
表題シリーズはじめ「筑波山観光不案内」全5本計55p、「坩堝」「ツチノコ発見せり」「新しい土地」等、著者ならではの描写が輝く16篇。
日記も併収。
2020年3月刊
感想・レビュー・書評
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漫画、だいぶ前に新刊のコーナーに平積みになってたのを装幀買いしていたの、積読物件。満を持して読みました(どんなんよ)。これはめちゃめちゃ面白かった。小学校の頃につげさんのマンガを読んだ時のような、不思議な旅行感が味わえました。特に、ツチノコ、観光不案内、おむすびの転がる町の3作はすばらしい。味わい深く、濃厚です。ただ、この絵柄は好き嫌いが別れると思う。お目目キラキラ系とか萌え系しか受け入れない人には不向きか?
そして、ザキヤマのカステラ風蒸しケーキ、、食べたことはあったが、そこまで言われるとまた食べたくなりますねぇ。いつかどこかで見かけたら食べようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■おむすびの転がる町(2020年3月)7冊目
ツチノコ発見せり
筑波山観光不案内①旅のはじまり
筑波山観光不案内②山のぼり
筑波山観光不案内③山頂にて
筑波山観光不案内④山のひみつ
筑波山観光不案内⑤それから
そこに坂があるから
坩堝
街路樹の世界
茫洋
カステラ風蒸しケーキ物語
動物入門
新しい土地
架空の通学路について
おむすびの転がる町
これで、今のところ刊行されている7冊全部読んだことになる。
最初に読んだときはつげ義春じゃん!と思ったし、インタビューで影響はないと答えているらしいと読んでも、いやいや嘘だろと思っていたが、7冊読んで考えが変わった。
たぶんこの作者、ブッキッシュではない作家だ。
お話を消費するのではなく、目の前にある物事を観察し知ろうとする博物学への意欲が強い。
はっきりと考現学と著者解題に書かれていたので、いまさら発見のように言うのも空しいが。
散歩するときに目に映るあらゆるモノに名前がついていて、ほとんど誰かが作ったり意図をもって配置したりしているって、あらためて考えれば奇蹟。
こうやって世界への解像度を上げていける作者、すごい。 -
ツイッターで見かけて気になったマンガ家さん。
何度も噛んでじわじわ味わいたいかんじの、ユルくおもしろい物語。
なんかこう・・・哲学がありそうでなさそうな、"言いたいこと"がありそうでなさそうな。そのうち物語の中にストーリー以上のことを探すのがアホらしくなってくる、パラレルワールドの日常。
テクノロジーと伝説が入り乱れる『筑波山観光不案内』や、とまどう郵便配達人の『新しい土地』が好き。
風景や建物は黒々と丁寧に描いてあり、人物は鉛筆?みたいな線であわくユルく描いているのも面白い。作品解題も味わい深くて良かった。 -
やっぱり面白かった。好きだpanpanya。
特に「筑波山観光不案内」(私も行ってガマグッズ手に入れたい)、「新しい土地」「おむすびの転がる町」。
異界が現実世界とそのままつながっている感じ、まことしやかにあり得ないことを(時に正しい科学知識も交えながら)語る(騙る、と言ってもいい)技術、不条理で不気味なところ、時にノスタルジックな後味。
絵も魅力的だし、本当に素晴らしい。
いつまでもこの世界にいたくなる。
電子書籍でも買えるけど、装丁がいつも凝っているので、紙の本で買っている。 -
作者のpanpanyaさんは、一つの気づきから何倍にも想像をふくらませられるような、とても楽しい感性を持っている。
この漫画を読むことでそうした楽しい感性をおすそわけしてもらっているような、作者の見ている景色を一緒に覗かせてもらっているような感覚がして、本当に楽しかった。
本の感想としては少しおかしいけれど、やっぱり「面白い」ではなく「楽しい」。
わたしのように、好奇心や探究心をなくしてしまった現代の大人たちにこそ読んでほしい作品。 -
いつもと同じ道を歩いていたら、知らない建物があることに気付いて、いつのまにやら別世界に来てしまったような気分になる。
読んだ時のそんな感覚が癖になって、つい毎回買ってしまう。
雰囲気は変わらないのに、知らないものを見たような気になるところもあいかわらずだった。
「カステラ風蒸しケーキ物語」を読んでいて、自分にも昔好きな蒸しパンがあったことを思い出した。
食べたくなって調べてみたものの、かれこれ10年程前のことでぼんやりとした記憶しかない。画像検索でこれかと思うものを調べても、いずれも現在は生産していなかった。もう幻のパンと思う他ない。が、思いは募る。
とはいっても、解題にあるように、蒸しパンを通してあらゆるものの移り変わりとそれを受け入れて丁寧に生きる心境にはならなかった。
作者の、潰れたエネルゲンの缶を拾って磨いたり、行政発行の街路樹マップを買ったりする行動は何処からくるものなんだろう。一番気になったのは、定期的にそんなものを集めて置き場は尽きないのかということだった。それとも作品世界のように、謎の無限の広がりが漂うご自宅なんだろうか。
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この作者の漫画はいつも心地いい 近所の本屋で取り扱いがないので、発売に気付けずつい先日購入した カバーを外した表紙がぼこぼことした住宅の壁のようなデザインになっていて、ずっと触っちゃう あとこの漫画ではないけど、最近ARuFaさんの本棚にpanpanyaさんの漫画が並んでいるのを知れたのが嬉しかった(本当に関係なくてすいません)
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panpanyaさんの作品『おむすびの転がる町(2020)』を読了。
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どうしても『蟹に誘われて』を初めて読んだ時の衝撃を期待してしまう自分がいて、嫌になります。
本作品集はタイトルにも含まれる「町」、町並み、がひとつの共通テーマに据えられており、一部はエッセイのような趣きがあります。
ある程度の方向性のようなものが示されている為か、『蟹〜』の時に感じた予測不能なワクワク感、底知れなさ、何じゃこれ感はだいぶ薄まっているように思いました。
女の子の表情表現が豊かになったのもそう感じる一因なのか?
このへんは星新一御大の作品集に通じるように感ぜられて、作者の懐の広さを見られると共に、「これはこれとして、こういうのじゃないやつがいっぱい読みたいの!」という私のわがままであります。
「動物入門」「新しい土地」の2編は好み。
1刷
2021.7.12 -
2021/3/10購入
2021/6/10読了
panpanyaの作品





