- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592850076
作品紹介・あらすじ
俺-間男は、エロいながらも不安な夢から目を覚ました。そこは人外のモノが跳梁跋扈する絶海の孤島。天下の美人妻・麗華ちゃんと倦怠期解消の船旅に出たはずなのに、待っていたのは謎と怪奇とドタバタだった!?連続殺人の真犯人とその目的は。島に隠された神の「のろい」とは。熱いというより微妙に暑苦しい空の下に展開する、変本格ミステリー。
感想・レビュー・書評
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アイドルと結婚した主人公だが、熱が冷めてみると
彼女が自分を本当に愛しているのか、と考える。
しかも主人公、船によって海にダイブ! ですし。
漂流してしまうわ、そこで不思議な生き物に会うわ。
殺人事件は起きるし、変な状態にはなるし。
殺害には不思議な力は使われず、解決にのみ
不思議な力は使われています。
使用方法をよく守りましょう、という状態ですが
じゃぁ今までの混乱は!? という解決方法。
これがバカミス、というものか、と関心でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お下品なキャラにふざけた会話。ギャグもすべりまくりで、今時の漫画でも見受けられないほど陳腐な世界です。
しかし、無人島に住む人面猿に「嘘がつけなくなる」という呪い(ローカルルール)をかけられてからは真っ当なパズラーに変貌します。フーダニット、暗号、叙述など本格の仕掛けが十分で楽しめました。
難点はローカルルールの一部が後出しになっているところです。ややアンフェアかなと思いました。 -
何というバカミス!いやしかし、全体のトーンや謎解きの部分はバカミスではあるが、実は結構論理的だし本格っぽい。そのバランスがとても面白い。読み終わった後でじわじわ来る、サブタイトルの意味。こんなミステリがあったなんて!
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やっと読めた!! ブクオフ行く度に探してたんですよね。
いやー、嬉しい。クロケンの隠れた名作との
声もある、脱力系なのに妙にカタルシスのある
ミステリ...でいいんだよねw。
孤島でのクローズドサークルに於いて起る怪異。
人間ではない生命体の襲撃、それによる
呪い、過去その孤島で起った事件、そして遺体と暗号。
さらには現在進行系で殺人事件も起る...という
とにかく普通に書いたら重厚感溢れる本格派の
ガジェットなのですが、基本ベースが下ネタ、
駄洒落、脱力コントをベースに展開されるという
アクロバット小説。
後半から一気に謎が収束に向かう展開は
まさに「究極の名探偵」としか言い様のない
反則技ですが、ベースがこの作品にする事で
むしろ騙されたように納得せざるを得ない。
読めて良かったー。
ちなみに登場人物のオカマ「ゼニーちゃん」は
まさに今作のイラストを手掛けた魔夜峰央先生の
描くオカマさんと100パー、イメージが合致します。
素晴らしい。 -
美人妻の麗華ちゃんとの倦怠期をなんとかしようと船旅に出た間男(はざまおとこ)が目を覚ますと、そこは絶海の孤島。同じく流された人間はいずれ劣らぬ変人揃い。怪しいモノや怪しい事柄が次々と起こり、しまいには殺人事件まで勃発する。間男の運命やいかに?
これぞ本領発揮、と言ったら著者に怒られるだろうか。
著者のホームページくろけんのミステリ博物館の愛読者にとってはまさしくこれこそがくろけん節と言いたくなるような、脱力せんばかりの駄洒落が満載の一冊である。しかし、もちろん黒田研二氏にはもう一つの顔がある。稀代のパズラーである氏の本書だ。この暑苦しいノリに騙されることなかれ。ちゃんと伏線が張り巡らされ、用意周到な仕掛けも駄洒落に負けず満載なのだ。ひたすら楽しく楽しく読まれることをお奨めする。 (2002-11-18) -
漂流し、孤島に流れ着いた主人公達。
洋館で見つかった謎の死体、暗号、人外の生物の呪い、さらに新たな殺人事件。疑心暗鬼の中生命の危機に脅える、という設定だけをみれば硬質なクローズドサークルのミステリに思えます。
人外生物の登場により、物語の中に独自のルールが生まれ、一味違ったミステリになっているのが秀逸です。
しかしなんといっても本書の特徴は、表紙からして察せられるお下品なエロギャグの連発。
恐ろしい出来事が起きているにも関わらず、緊張感もなくふざけている描写は、呆れて苦笑いしつつも楽しかったです。
事件の解決はまさに「嘘つき」パズル。
とてもロジカルできちんとした本格ミステリなのですが、やはり手放しで褒めて人に薦めるにはちょっとためらいます。
ブックカバーなしでは電車で読めない魔夜峰央の挿絵もあります。
確かに究極の名探偵。
「登場」ではなくて「誕生」というところがいいですね! -
たしかに「究極の名探偵」だけどさあ……こんなの出しちゃダメでしょ(笑)。一回しか使えないネタ。
キャラといい設定といい……完全にあほらしくて笑える作品。なのでこれはバカミスかっ!? と思ったけれど、本質はちゃんと本格だったのにびっくり。しかしこれを書いたのが、「硝子細工のマトリョーシカ」だとか「笑殺魔」を書いたのと同一人物だとは到底思えない……。ご本人のサイト見たことない人はさぞかしイメージが崩れるだろうね。 -
く、黒田先生こんな作品も書くんですか!!
私、真面目な作品ばかりしか知らず、いやそっちも好きですが、でもこれツボです!
ザ・下品!
ザ・阿呆!
でもがっつり本格!!
表紙に魔夜峰央もってくるところがまた! -
>面白かった。今までの作風からは想像も出来ませんでしたが;私も実はパタリロ好きです(爆)専門の友人には物凄く驚かれましたが(ギャグ系嫌いだからかな)