愛はね、 (白泉社花丸文庫 ひ 5-2)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592876465

作品紹介・あらすじ

予備校生の多田望は、幼馴染の俊一に片想いをしていた。ノンケの俊一は決して自分を好きにならないと知っている望は、俊一以外の誰かを好きになりたくて、駄目な男とつきあってばかりだが……。 2010年12月刊。

感想・レビュー・書評

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  • う〜ん…樋口さんの健気受は大好きなんですが。ノンケの幼馴染みの彼への思いを振り切る為に他の男と付き合ってはその気持ちがバレて暴力を振るわれる受。そんな繰り返しで、それを彼を思い続ける健気さと受け取るのか、ただの弱さと受け取るのかで評価が別れてくるかと思います。私としては自分の都合で無自覚に当て馬を振り回す受にあんまり感情移入出来なかったな。確かに暴力はいけないですけどね…どうしてそうなったのか受は全く気付いてないようなww
    後半はそんな自分に決着をつけ攻に自分の気持ちをぶつける事が出来たので、これから少しずつ強くなっていくのかな。攻の態度もいまいちはっきりしませんが、ノンケが男を好きになる時ってこんな感じかな…自分で自分の気持ちを悶々と手探りしているような。続編があるようなのでそちらに期待したいと思います。

  • きた!健気受!!
    あー、好きだ。やっぱ好きだ健気受。
    幼なじみの俊一と望。
    ずっと望の世話を焼いてきた俊一。望はお人好しで優しくて、利用されてばかりで。高校時代から男(恋人)にひどい目にばかり遭わされてきた。
    そんな望をずっと傍で支え、慰め、励ましてきた俊一。
    望はいつも一番俊一が好きで、嫌われたくなくて。
    でも「いつも正しい」俊一は絶対に男と付き合ったりはしない。
    どうしても、望の手を取れない俊一は望にも苛立ちながらも放っておけない。
    望は俊一が絶対に自分の望むものを与えてくれなくて、苦しいのに離れられない。
    お互いに「愛」の形が違って、どうしても交われない二人の物語。
    読んでて苦しいのに愛しい話。とにかく望がすんごい健気で可愛すぎる。普通ならもうとっくに俊一は落ちてる!
    最後はハッピーエンドとはちょっと・・・違うかもしれないけど、続編もあるので最後の最後は・・・どうなるかな?

  • 評判が良かったので読んでみたけどビックリするほど合わなかった。
    主人公の望はいくらなんでも頭弱すぎるし、俊一の行動も理解不能。
    どっち側にも魅力を感じず共感もできずで読むのがひたすらしんどかった。

    主役以外のキャラも微妙で、なにかに憑依されたとしか思えない豹変ぶりを見せたDV篠原を筆頭に
    強姦魔が最終的にはイイ奴ポジになってたり、海外に留学したまま12年も音沙汰なかった次兄が
    突如タイミングよく現れて訳知り顔で兄貴風吹かせてたり(自分でも言ってたけど)
    脇役が場面に合わせて都合よく立ち回りすぎで不自然。
    次男に至っては一番大変な時にさっくり帰国するわで(笑)家族と和解するところも
    そこに至るまでに父と兄が望に歩み寄ろうとする描写が少しもなかったので白けてしまった。

    最後までモヤモヤがつきまといストレス値の高い内容だったけど
    そこで終わり?って感じだったので続編を読めば少しは変わるかなー。

  • はっきりしない終わり方。

    blにありがちな安易にハッピーエンドにもっていかない所に作者の誠実さが出ていて、そこがいいんですけれども、俊一の気持ちがなんだか微妙なまま、彼の気持ちが固まる前に結末を迎えたので、その先をしっかり読みたかった。別に悲恋でもバッドエンドでもいいので。

    後、表題の愛はね、は主人公の母親が主人公に言った言葉で、その続きを思い出せないという事になっていて、そこここに出てくるので、なにか伏線的な使われ方をするのかな?と期待したのですが、さほどの事はなく終わってしまい、生かし切れていない感じがして、そこも惜しかった。

    作者の七年前の作品らしいので、最近のがもっとこなれたものになっていそうなら、続きがあれば読みたいです。

  • 読んでいて苦しかった。
    幼なじみの泥沼。互いに傷つけ合うけれど、ああ恋だなあ…と感じました。
    解決しないけれど、このままでもいいかと思ってしまった。

  • 受け入れることは強さと柔らかさだとおもっているのだけど、望は本当に心から受け入れているというよりは許すことで自分を守っている弱さって感じがする。理不尽に痛めつけられた訳では無い、仕方ないんだ、みたいな。それが、終盤ほんとうに解き放たれて自由を得た姿がかっこいい。それに比べて無様な俊一が際立ってくる。
    どちらにしろ二人とも子供で、二人とも無神経で、お互い無自覚に傷つけあって、あー「幼馴染ラブ」だなあって思った。

  • 寄宿舎ものも、虫シリーズも読む気しないけど、
    1冊は読んでみたかった作家さん。
    タイトルは亡き母が耳元でささやいた言葉らしいけど
    望は最後を覚えてなくて、それはひとそれぞれ、って
    終わっているのが歯がゆい。
    作家のポリシー、スタイルが出るところだから
    そこは回避しちゃいけないと思う。
    苦手なあほのこ魔性の色香に、がちがちのノンケ男が
    おちるのか、ってところにハラハラ。
    割とかんたんにためらいなく同性を肉体的に愛する
    ノンケ話ばかり読んでたから、やっぱ無理・寸止めブレーキそうだろーとも、って嬉しくなるくらい。
    終わり方も、ようやく結ばれました、てきな着地じゃなかったのでうれしかった。

  • 樋口美沙緒、たまらなくすき。切なくてくるしい。もどかしい。攻めの内面化されたホモフォビアには複雑な気持ちになるけれど、樋口美沙緒作品の執着とすれ違いものはどうしようもないくらいすき。

  • 泥沼感がすごかったです。続きがある筈ですがもうこの二人はこれでいいような気がしてしまう。

  • ものすごくうじうじした受けがぐるぐる悩む話で
    頭弱いのかって思うぐらい人のいいなりで
    読んでいてストレスたまりまくりました。
    早く読み終えてしまいたい・・・と思うほどに。
    が、終盤、望が自分の気持ちをようやく切り換えて
    自分なりの結論を出していくところが、
    おお?と思う展開で、感想が変わってきました。
    そうか~、こういうラストもありか~・・・。
    ぐるぐるした挙句に実は攻めも受けが好きだったんだよ!
    エッチもできてハッピーエンド!
    ・・・みたいな感じで終わらなかった事が新鮮でした。
    でも、そうだよね~、受けの事が好きだけど、
    ゲイになるってことをそう簡単に受け入れるのは難しい。
    ここはすごく納得がいきました。
    というわけで、最終的には結構面白かったな、
    と思いましたが、ストレスはたまって辛かったので、
    評価に困るな・・・と思う作品でした。
    続編に期待したいと思います。

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