ぼうや、もっと鏡みて (白泉社花丸文庫 ひ 5-3)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592876649

作品紹介・あらすじ

大学生の俊一は、幼馴染みでゲイの望の気持ちに応える気もないのに、望を傷つけてはその気持ちが自分にあることを確かめずにはいられない。自分の気持ちをもてあまし、戸惑う俊一だが……。 2011年6月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 正直この俊一の精神的暴力性、癇癪はガキかよ~としか言いようがないし、プライベートを仕事に持ち込みまくってるところがかなり気になるが笑、まぁ丸く治まったなら良しかなあ。
    子供の頃の初恋を引きずってるからか、めちゃめちゃ子供っぽいんだよなー愛が。望が先に大人の階段登っちゃってるからなあ。
    俊一には頑張って大人になって、傷つき果てた望を包み込んであげてほしい。

  • 望がかわいそうだとおもったし、攻めの内面化されたホモフォビアはきつかった。でも番外編をよんで、ほんと安心した。甘々な番外編をもっと読みたいです。

  • 「愛はね、」の続編。私はこちらの方が面白かったです。
    「愛はね、」は受けのうじうじがどうしても好きになれなかったのですが、今作では攻めのうじうじがすごく長かった・・・。
    でも、このぐらい葛藤するのが普通なのかもしれないなって思いました。
    その葛藤具合は興味深く読んでいたんですけど、
    それを克服して付き合うようになってからは
    一緒に暮らそうとしたり、ちゃんと受けの兄に挨拶したりなど、吹っ切れ方がすごかったな。
    こういう自分自身の中に同性愛について根深い差別意識のある人は、一生悩み続けるんじゃないかと思っていました。
    そういう意識を持ちながら、でも望を手放すこともできず、ぐるぐるずるずるするんだと思っていました。
    だからちょっと意外でしたね。
    というか、克服できたきっかけがちょっと薄くてあまり納得行かなかったというか・・・。
    葛藤部分がリアルだっただけに最後が普通のBLになっちゃってちょっと惜しい気もしました。
    でも、「愛はね、」よりずっと読みやすかったのは、攻めのキャラはそんなに嫌いじゃなかったからかもしれません。
    あと、結城さんの付けたこのタイトルはあんまり好きじゃないですね。
    この「タイトルのまま小説が世に出てしまったのか・・・。俊一が変えればよかったのに・・・。」と陰ながら思いました。

  • こんなにも男同士の恋愛の葛藤を真正面から描いた作品は読んだことがなかった。ようやく自分の気持ちをしっかり見つめて素直になった俊一。もー、やっとだよ!!望くんをしっかり捕まえてもっともっと甘やかしてくれないと割りにあわないよ><

  • 前作「愛はね、」の1年後。俊一と望がどんな選択をしたかが、細やかな筆致で描かれていて、興味津々で読み進みました。二人の関係にじれったくなりつつも、俊一の切実な思いや苦悩を知ることでストーリーに生々しさが感じられて読み応えがありました。

    前作では望視点だったので、俊一がどう思っているのかは望を通してしか分からなかったのですが、今回は俊一からの目線なので、彼が何をどう感じていたのかよく理解できます。
    望はいろいろな修羅場をくぐってきて確かに成長しています。俊一を好きな気持ちはブレがないけど、彼に依存することがなくなったんですよね。
    ところが俊一は相変わらずだな~という印象。望にこれまで関わってきたどの男たちよりも、はるかにエゴイスティックです。
    望は自分のもの、という観念が潜在意識にあるから、すごい独占欲と所有欲を露わにしてきます。
    けれど、篠原に「抱いてもいないくせに」と、鋭いところを突かれてしまうんです。篠原は、俊一の自分の本心から顔をそむけたままの臆病でずるい心を見抜いているんですよね。

    俊一は望を愛しているくせに、性愛の対象として見ることは罪悪であり恥ずかしいことだと思っています。
    見た目を裏切る臆病さです…
    だから優しくしたと思ったら、突然冷たく突き放したり、心にもない酷い言葉を投げつけたり、気持ちと態度が裏腹でひどく望を傷付けてしまって、気が付けば史上最低男に成り果てていて、読んでいて俊一には腹が立ったり呆れさせられたり。
    本当は望に対して欲望があるのにそれをひたすら否定して、そのくせ距離を置かれると不安になって襲ったりととんでもない行動をとるんですよね。

    望を愛しているくせに、どうしても自分が「そちら側の人」になることを認めることができない俊一の苦悩がとてもリアルで、心に刺さりました。
    たった一言、自分の方から言えばそれでいいのに、その一言が言えないもどかしさがたまりませんでした…
    俊一が書いた小説のテーマそのもの、愛情探しの旅なんですよね。だから、最後に自分の心にちゃんと向き合い、望の元にたどり着けた俊一に心から安堵しました。

    それにしても、望ってほんとに健気でやさしい子です。やっと両想いになった後のHシーンがすごくよかった。俊一がホモになっちゃう、ってかわいい一言でしたww

    「ぼうやの恋人」は、その3年後の二人が描かれています。望に夢中な俊一だけど、相変わらずの独占欲で余裕なし。でも、意外に原因は望にあるのでは?と思ったり。愛するあまり、望の一挙一動に振り回されているかんじです。今までが酷かったので、読んでいて溜飲が下がりますwwただ、ラブラブなのは間違いなし!
    それを確証させるSS「愛のありか」は、望視点で彼自身もそうとう俊一の変化に驚いて喜んでいるのがわかる掌編。

  • 今度も泣かされてしまった。胸を打たれた。いいな。

  • 途中苛々したりもしたけど、無事くっついて良かった…!

  • 「愛はね、」続編。とにかく前回がとってもよかったのですが、今回は俊一視点でちょっと評価下げ気味です。
    望視点だと俊一もそこそこいいんだけど、実は結構俊一もどろどろしてんだよ。ってのがわかる後半でした。
    まぁ、それはそれで人間味があっていいんだけど望の健気さに打たれてるので、俊一に対しても「もっと望を大切にしろー!」って思って読んでた(笑)
    とにかくすれ違いまくる二人。タイミングの悪い二人。ここまでくるともう本当に相性悪いよなぁ・・・ってカンジだけど、一旦うまく行けばガッチリはまる二人なのかも・・・?
    一応ハッピーエンドながら、これからもなんだか大変そうな二人ってカンジがすごいするけど。

    好かれてることに胡坐をかいてた俊一が望の変化に戸惑いながら、自分の気持ちに正直に向き合うまでのぐるぐる物語。

  • 2冊で完結と言う感じ書かれてあるので、2冊読んでの素敵な読了感と思っていたんですよね。 前半の上から目線の俊一にどうしてもイライラしてしまった。 ちゃんと自分の気持ちに気づけてからは良かったですね。 何よりもラストの書き下ろしのショートがすごく好き! 望があんなに一途で可愛いんだから、やっぱりそれぐらい愛されて貰わないとね~♪ どんなけ甘々になったんだ!ってぐらいの俊一の変わりようにニンマリしました

  • 前作で腹括った受。
    だったら今作は攻が潔く好きだと認める番だな、うん、と思って読み始め……。


    おい、攻、こら。


    半分以上過ぎたあたりで、思わず閉口……。
    ページの無駄遣いじゃないのかって勢いで、攻の往生際が悪い。
    同じ所をぐるぐるぐぐるぐる。
    友達の恋愛相談で同じ話エンドレスで聞かされるのと同じレベルのストレスでした。
    結論出てんだろ、だったら動け!!
    と尻蹴飛ばしてやりたくなることウン回。

    漸く腹括ったのでほっとしました。
    BLで葛藤もの大好物ですが、ちょっとしつこかったです。
    続編出してまでの話か……?
    というのが正直なところですが、充実したラストの甘々っぷりへの布石だと思えばこれもありかも。

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