日出処の天子 第2巻 (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592880523

感想・レビュー・書評

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  • ああ、もうこれは毛子が厩戸皇子に恋している。恋とは気づかぬ恋。

    自分が言ってしまったことで皇子を傷つけたと後悔したり、もう取り返しがつかないのかと悩んだり、皇子が自分にかける言葉づかいで彼の自分への気持ちが変化したことを感じとったりしていて、それは恋です恋。

    大王の座を巡っての権力争い中。厩戸皇子はまだ大王の座につける年齢に達していないけれど、大人たちがみな一目置いている状態。

    人殺しも自分の手でしてしまうほどの大胆さを持つ厩戸皇子。ふつうに考えればこわい人だ。
    不思議な能力を持っていても不死身ではなく危ない場面があったり、賢くても、まだ子ども。母の愛が得られないことで不安定で、精神的にはまだ未熟なところもある。

    助けてあげたい。

    厩戸皇子のような人が、本当の笑顔を自分にだけ向けてくれたと思ったら、好きになるでしょうね。美しいし。

  • やっぱ思ってた以上に王子と毛人、惹かれ合っててこう…すごいな…
    しかし毛人、♡は行きすぎだ(マジレス)
    世はまさに権力争い、それを王子は裏で不思議な力を使い…でも王子としては、異能力といよりもSPEC的なイメージなんだな
    誰しもにあって使えるようになってる人はほんのわずか、みたいな…

  • 来目王子の可愛さがカンストしている。厩戸の母への屈折した想いがのぞけるのも今日興味深い。悟りさえすれば誰でもできること、その苦悩。毛人を遠ざける胸中が切ない。
    そして解説のインタビュー! 最後の伏せ字なんなんだよ‥‥「それは実は――――を止めるための手なんですよ」「――――の欲望を、現実的に抑止するための? そういう欲望、衝動を…」
    あと隠された十字架すごい。これのおかげでこの日出処の天子と天智と天武が描かれたなんて偉大すぎる。というか、天智と天武はあからさまにこの漫画の影響を受けているんだなあ。梅原猛先生偉大です。

  • 2016.9.24市立図書館 →2021年9月、電書化ときいて大人買い
    (コミックス版ですでに読み終えていたけれど、巻末に氷室冴子と山岸凉子の対談があると聞いて改めて借りてみた。すごくつっこんだところまでインタビューしていておもしろかった)

  • 蘇我氏と物部氏の権力闘争が激化。その背後には、不思議な力を用いて朝廷をあやつろうとする厩戸王子の姿があった。彼の真の狙いとは? 蘇我毛人と厩戸王子、ふたりの激動の物語はどこに着地するのか。

    2巻では、物部氏VS蘇我氏(朝廷)の戦がメインになります。
    王子がカミナリと共にやってくる戦の神、「剣の護法童子」を呼び寄せるのですが、
    何回読んでもそのシーンはゾクっと来ます。

    そして、王子の心、魂に毛子が少しずつ写り出したことで、
    王子の内面が繊細に揺れているのも色々なコマで目撃できます。



    厩戸王子らの父である大君が斃れ、後継者争いは一層激しさを増す。
    しかし王子は自らは名乗りを挙げず、御しやすい相手を祀り上げるために
    権謀術策、人を操ることのみに専念する。 その真意は毛人にも読み切れない。

     崇仏派と神道派、支持を得るための寝返り、更に血筋まで絡み合った諍いは、
    遂に蘇我・大伴連合軍と物部軍との全面対決という局面を迎える。
    神輿として戦場に担ぎ出された若い王子達の中に、厩戸王子の姿もあった…

     …王子の孤独さ、繊細さ、その結果としての残酷さが非常によく解る2巻です。
    異能の片鱗を持つ母、その愛を乞い期待する度に拒絶される王子は哀れです。
    王子を愛する義務を感じつつ恐れる母は、己の中の異能も認めたくないのでしょう。
    そしてそういう二人を見てしまうことで、毛人の王子への同情は募ります。

  • ううーん困る…。今さらこんな古典的名作にはまってなるものかと思っていたけども…いたけども……!
    くそっ、厩戸王子…っ好きだっ!ううかわいい……っ

  • 北見T

  • やはり愛がテーマになる。厩戸と毛人との妖しい愛がテーマになりそうな雰囲気。こればっかりだとつまんないなぁ
    厩戸皇子の能力も超人として扱っているかのよう。毛人も対物部守屋戦で超能力を発揮し勝利する。

  • 次期大王擁立をめぐって、仏教派の蘇我氏と神道派の物部氏との戦がはじまる。
    密かに穴穂部王子を暗殺し、蘇我氏側として戦に参加した厩戸王子が本領を発揮する。
    雷神までをも味方に付け、戦を勝利に導く厩戸の力の凄さに圧倒される。
    その圧倒的な力を持つがゆえに苦しんでいる厩戸と、その力に畏れを抱き厩戸を人間として見ることができなくなってしまった毛人。二人の思いがすれ違ってしまう場面は切なくもどかしかった。

  • 物部氏との争いへと•••。
    皇子を傷付けてしまった毛人。どうなるか⁇ハラハラ。

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著者プロフィール

山岸凉子(やまぎし・りょうこ)
1947年北海道生まれ。69年デビュー後に上京。作品は、東西の神話、バレエ、ホラーなど幅広く、代表作に「アラベスク」「日出処の天子」「テレプシコーラ/舞姫」など。

「2021年 『楠勝平コレクション 山岸凉子と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山岸凉子の作品

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