- Amazon.co.jp ・マンガ (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592881919
感想・レビュー・書評
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今となってはかなり古く、青い青い青春群像もの。
「複雑な経緯をたどってシャアルの家に集った人々がやがてそこを自分の居場所として落ち着き、出て行っても帰ってこられる場所として心の落ち着きを得るまでのお話」
アメリカ西海岸大学ものなのだけれど、主人公は飛び級天才16歳だし、ヒロインは15歳日本人少女だ。
反則技な気はしなくも無いが、当時の少女漫画のレギュレーションぎりぎりで好きなことやってたのかなあ、とか複雑なことを思う。
キャラクターの中で、好きなのは真っ正直なジェル君なのだけど、当時悩みに共感していたのはセレム。
今の年になると能力と人格の不可分さなんてわかってくるのだけど、まあ若いうちはいろいろ悩むことが多いよね。
「考えること」と「悩むこと」はやはり違って、悩んで前に進めることってほとんど無いんだけど。
とはいえ、悩んだことが無いと、解決の重みには気付かなかったりするし、頭と心を使うこと自体は、大切だと思うのだね。
よき仲間と、よき居場所を得て、保つために、よき己でありますように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022.6.5市立図書館
大串尚代「立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ」で、70〜80年代のコミックにも読むべきものがけっこうあるようだなあと目を開かれて、吉田秋生「カリフォルニア物語」に続けて借りてみた。
舞台はロサンゼルス、主人公はアラブの富豪子息シャール(ミックスルーツ、容姿端麗・頭脳明晰)、カナダ出身で新聞部の貧乏学生ジェラール、ひょんなことでシャールのもとに住み込み料理担当の日本の少女翼を中心にほのぼのあり、事件あり、しんみりありで、コメディという形ながら、タイトルに有る通りそれぞれ「エイリアン(在米外国人)」である人物たちの心の奥底に秘めた複雑な感情や気遣いがふと垣間見られるふしぎな作品。何巻まであるのだろう...瞬間的に相手の苦境を見抜いてさりげなく助けをいれちゃえる有能すぎるシャールという人物・来歴にはまだまだ謎が多く、この先どう展開していくのか気になる。
1 真夜中のカーボーイ(さまざまな出会い)
2 アラビアより愛をこめて(シャールの従姉妹ナ−ディアの来訪)
番外編:ロスの魔法使い(翼とのであい)
予告編:エイリアン通り
「真夜中のカーボーイ」は未見の映画で、あらすじを読んでみたけれど、それがこのエピソードとどうリンクしているのかピンとこなかった(むしろ先に読み終えた「カリフォルニア物語」の設定こそまさしく...だった)。たぶん映画をみればすぐわかるのだろう。
巻末の高千穂遙の解説、これをすごい作品と説明するための文章が文化と創作について普遍的な原則を語っていて、よかった。 -
電子書籍で手に入れて、20年ぶりに読み返してみた「エイリアン通り」。LaLaの看板作家として30年以上君臨した大御所・成田美名子の出世作である。連載時(1980年代前半)はアメリカを舞台にした少女漫画がほぼ皆無である中、当時の日本の若者が憧れた「アメリカのスクールライフ」のステレオタイプなイメージを鮮烈に描き切っている。この抜群のセンスの良さは、今読んでも色褪せることはなく、時代を超えた名作と呼ばれるにふさわしい作品だと言える。
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初期作品なので絵も癖があってちょっと見にくかったり、話も分かりにくいトコがあったりするけど、キャラが魅力的。
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帰って来ることができる、何年たってもいつでも戻ってこれる「家」。別れを恐れるのは自分に繋がっていられる自信が足りないから。
卒業を前にして、色々と考えさせられる良作。
セレムが好きでした。
全四巻 -
CIPHERからはいった成田世界
その基礎がここに構築されています。
飛んだ設定だけど、少女漫画的なものだけでは収まらない「社会」を見据えて自分がどうアクションを起こしていくのか、青年期の成長を見ることができる。
読むたびに何度も、思春期を思い出します。
同世代の時にこの作品を読みたかったな。 -
古式ゆかしい少女漫画のヒーローが出てくる。
うん。典型的でかっこいい。これを照れもなく堂々と書くために、舞台は海外だったりするんだろうか……日本人でこのヒーローはいくら少女マンガとはいえどうなんだろー。
…………あれ? 少女マンガのヒーローに日本男児はなれないってこと? -
少女漫画かどうかはわからんが、
漫画の傑作の部類に入ると思う。
いつの時代も
読み継がれてほしい本。
アイデンティティ、人種、宗教、友情、恋愛、
生きているとぶちあたる数々の壁が
たいてい描かれている
バイブル。 -
全4巻 完結