エイリアン通り(ストリート) 4 (白泉社文庫)

  • 白泉社 (1995年12月15日発売)
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本棚登録 : 165
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592881940

作品紹介・あらすじ

サウド石油相の息子であることがバレてしまったシャール。おかげで王位継承権の争いに巻き込まれ、命まで狙われることに。迫り来る魔の手から、逃げきることができるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 1~4巻まとめて。ほんぽーとで見つけ、懐かしく、フェリーの時間を延長してまで読み切る。非常に感動かつ笑える作品。マンガはこうでないと。ぼく球もまた読みたいな。とにかくこれはさよ子を思い出す。今思えば、さよ子は渋いマンガを読んでいたものだ。あの頃も面白かったけど、今読むとさらによく分かるというか。自分が何者であるか。今の良い関係を維持したい。仲間が離れるのが怖い。自分に何ができるのかがわからない。人に必要とされているのか不安。多種多様な民族の問題と絡め、展開される。しかし、セレムもあれでたかだか21歳だなんて。翼くんの着替えのシーンはよく覚えている。ほんと、シャールはいつから翼が好きになったんだろう。しかし、マンガはいいなぁ。

  • 2022.8.2 市立図書館
    完結。初出1980-84年「LaLa」、わたしが小学校高学年だったバブル以前にこんな国際的で社会派ながら笑えて泣けて元気が出る作品がすでにあったなんて。
    物語は終盤になって出自を明かしたシャールへの反応、第2話で因縁のルシフィンとの再会でひと悶着あり、さらに翼の母親がたずねてきたりシャールの父上の決断に伴ってシャールが拉致されたり物語は大きく動くが、そんななかでお互いの気持ち(友情や愛情や信頼関係)を確かめ合い、未来へ一歩踏み出す前向きな結末になってよかった。映画に疎いので各話のタイトルが名画から取られているということしかわからなかったけれど、映画のみならず当時の洋楽の流行やイスラム世界の宗派の対立までこれみよがしではなく物語の展開に盛り込まれているのがすごいなあと感心する。

    第7話 この家の鍵貸します
    第8話 翼よあれが郷里の灯だ
    (特別編)フィリシア
    シャール通信

    そのうち「サイファ」や「アレクサンドライト」「NATURAL」「花よりも花の如く」なども読んでみたいな…

  • 無事に完結。シャール君が誘拐されるなど、物語は最後に大きな展開を見せたけど、大団円で余韻の残るいい終わり方だった。翼クンの片想いが実って、他人事ながら嬉しい。

  • セレムさんはわたしの初恋のひとであります。

  •  読み終えてみると……なんというかものすごい「自己肯定」の物語なのね。これって。
     少女漫画らしく「翼」という少女が恋をしているんだけど、彼女が主人公ではなくて、ヒーローのシャールが主人公。

     しかし大人になって読んでみると、シャールの兄弟たちってどんな気持ちなんだろう……これだけで一作品かけるんじゃ……と別な妄想が膨らむ。面白かった。

  • 成田美名子をはじめて読んだのは、雑誌に載っていた「アレクサンドライト」の最終回だ。たまたま他のお目当ての作家さんが連載を始めたときで、正直、終わっていく物語には何の興味ももてなかった。
    しかし、その次に始まった「NATURAL」で完璧にハマってしまい、既刊をあつめはじめた。「サイファ」を読んで、すごく衝撃を受けた。読んだときには、もうかなり過去の物語だったのだけれど(たぶん、10年前くらい。)、少しも古くは感じなかった。
    そうして少しずつ集め始めて、手に入れたのがこれ。実はもっと前に読了しているのだけれど、探し物をしに実家に戻ったときにこの本があって、どうしても読みたくなって持ち帰ってきてしまったのだ。

    正直、サイファやナチュラルなんかを読んでしまっているので、成田美名子にしては平凡だな、みたいに感じてしまう。感じてしまうけれど、4巻ついつい一気読み。話とか全部知っているのに途中でやめられない。
    その魅力はなんだろう。
    やっぱりキャラクターだろうか。みんな癖があるのに、みんな「普通」。本当は普通。そこが身近なのだけれど、でも自分にはない強さとか優しさとか、器用さとか不器用さとか、そういうものもちゃんと持っているから、好きになれる。
    日本人にはあんまりなじみのないところを舞台にして、なじみのない人たち、環境を描いているのに、まるで自分のことを言われているみたいなモノローグとかせりふとかもガンガンでてきて、少し傷ついたり、少し泣いたり。
    逆に、自分たちとはかけ離れているから、安心してのめりこめる。素直にそのメッセージを受け取れる。そういうこともあるかもしれない。
    それができるマンガって、実はそんなにないんじゃないかと思う。

    私はこのストーリィの中で、セリムが好きだ。
    わかるんだ、ここにいてもいいのかわからなくなるような焦燥感。
    好きなんだけど、それを認めるといろいろつらくなっちゃうから、できるだけ自分の心を近づけないようにしようとするその心とか。

    あと個人的に気になっているのは、B.Bがカタギな学生になろうって約束した条件って何だっけ? 作中に出てきました?


    成田さんは、ずっと、一線にいる。時代に埋もれない、新しいもの新しいものを産み出せるちからのある漫画家。
    今連載されている「花よりも花のごとく」、私は好きです。能楽が好きだから、というのも少しあるけれど。
    これも、「能楽」ってなじみがないものをちょっと絡めてきて、けれど、描きたいのは心なんだろうな。
    20年も一線にいられるのは、すごく難しいことだと思う。それがいつまで続くのか。どこまでいけるのか。
    とりあえず私は、まだまだ追い続けたいと思う。

  • すごく正しい事をイヤミなく描いてる漫画家。

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