摩利と新吾: ヴェッテンベルク・バンカランゲン (第6巻) (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592882060

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  • 夢殿先輩が満面の笑みで放った一言、

    「追ってきた」

    グッと来ました。
    この人の人生って多分生まれる前から
    レールが敷かれていて、本人も将来は
    それに乗って人生を送るのを判っているのだと思う。

    唯一、学生時代だけが
    彼が自由に過ごせる時間だってのも判ってる。
    最愛の人を追ってドイツまで行ってしまう
    夢殿先輩最大の行動だったのではなかろーか?

    摩利に恋するあまり、ライバルの新吾には凄く正直に
    言わなくてもいいことまで口にしてしまう、
    でもその分信頼は得られてると思う。
    本当は誰よりも摩利から頼られたかった彼の願いも
    切ないです。

    摩利との関係はいつも奪うようなスタイルなんすが、
    何故か憎めない大切なキャラなんですね。


    もう1人、先輩と言えば忘れちゃいけないのが
    なんと言っても志乃さん♪(キャーッ)
    この人の不思議なキャラが
    五目飯の味付けに凄く利いてます。
    若干二十歳ながら、愛欲の全てを知ってしまってる?!
    摩利もプライドを捨てて
    志乃先輩に苦しい胸の内を吐露出来てたら・・・
    新吾や夢殿先輩からも信頼されてる
    (夢殿先輩との掛け合いも最高!)
    バンカラ猛者連のなかで浮世離れしてる?
    無くてはならない清涼剤みたいな人。



    持堂院卒業の最後のストーム!
    二度と戻れない一瞬、皆が輝いてた時代、最高です。

  • 木原敏江の不朽の名作。交わりそうで交わらない、恋愛のようで恋愛とは違う幼馴染みの少年ふたりの成長物語。・・・というのが何も知らない人向けの説明ですが、これじゃ全然!この壮大なスケールの漫画の良さは伝わらないですね(笑)。大正~昭和の激動の時代を生きた日独ハーフの美貌の鷹塔摩利。彼の親友であり密かな恋の相手でもある印南新吾。ある意味究極のファンタジーです。
    木原先生は二人を決して「そういう関係」にしないと決めていたそうな。理由は「対等でなくなってしまうから」。男の友情が至高であるという考えも。・・・昭和の少女マンガの限界かもしれません。

  • (2010-01-08L)

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著者プロフィール

木原敏江

1948年(昭和23年)、東京生まれ。1969年「別冊マーガレット」に掲載された『こっち向いてママ!』でデビュー。77年、旧制高等学校に通うふたりの少年を描いた『摩利と新吾』を発表する。この作品は、その後7年間にわたって描き継がれ、明治末から大正、昭和と、三つの時代を舞台に展開する一大大河ロマンに結実した。84年『桜の森の桜の闇』『とりかえばや異聞』の発表で始まった連作「夢の碑」シリーズも、97年まで執筆が続いた大作。85年、同シリーズにより第30回小学館漫画賞を受賞。『アンジェリク』『大江山花伝』『紫子―ゆかりこ―』は宝塚歌劇団で舞台化された。そのほかの作品に『どうしたのデイジー?』『エメラルドの海賊』『銀河荘なの!』『天まであがれ!』『杖と翼』などがある。

「2021年 『ワイド版 マンガ日本の古典28 雨月物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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