ビリーの森ジョディの樹 第1巻 (白泉社文庫 み 2-17)

著者 : 三原順

• 白泉社 (2001年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[本屋さんが大好き！さんの感想 · 2023年11月13日]

初めて読んだのは、最初に刊行された時。私は27歳でしたが、先生があの若さで亡くなるとはまったく考えつかないことで、以来何とも言えない喪失感を抱えて過ごしてきました。
最近ようやく乗り越えたと感じ、20年以上前に購入していた文庫本を読み直しました。

三原先生が描くイノセントゆえの「犯罪」。他の作品にもあるように思うのですが、読むととても胸苦しい気もちでいっぱいになる…数年前までそうでした。が、私自身が既に三原先生の亡くなった年をはるかに超え、逆に直視しなければ、と思えるようになったのです。こういうことが実際にもあると。
そしてもう一つ、本作の場合は主人公にとって理不尽で機能不全な家族、クラスメイトという名の障害、そこから救ってくれる「精神的に普通」の男性…それもまた三原先生の作品のモチーフでしたよね。

悲しい、苦しい、でも生きていかなくては。
生きることを選んだのなら。

そんな思いで1巻を読み終えました。

[りんさんの感想 · 2013年10月16日]

三原 順の最後の作品。
三原 順自体、読むのは久方ぶりです。

やっぱりこれは傑作で、完成していたらどんな作品になっていただろうなぁと思ってしまいます。

[むむぅさんの感想 · 2011年11月3日]

これはなによりも、三原氏が亡くなったことを思い知らされる悲しい作品。

[りりこ* 路地裏ニ居ルさんの感想 · 2009年9月25日]

全２巻。
美しく残された形。
そして、そこにあるのは永遠の喪失。

[タカマサさんの感想 · 2006年12月21日]

遺作。ストーリーは完結しているものの、画面など未完成な部分が多いのが惜しまれる。何気に三原作品の中ではかなり読みやすい作品だと思うのだがどうか。

[みずかさんの感想 · 2006年6月27日]

全2巻所有。遺稿となりましたね・・・。
ところどころラフな下書きの原稿が痛々しいです。

[yasumihさんの感想 · 2005年5月22日]

未完の遺作。解説：川原泉。

著者プロフィール

三原順（みはら じゅん）
マンガ家。本名・鈴木順子。1952年10月7日札幌に生まれる。1973年、「別冊マーガレット」掲載の「ぼくらのお見合い」でデビュー。1975年から1981年にわたり「花とゆめ」で連載された『はみだしっ子』シリーズによって熱狂的支持層を獲得、以降もセルフマーダー・シリーズ、『X Day』、『ムーン・ライティング』シリーズ等の名作・傑作で読者に感銘を与え続ける。1995年3月20日、病気のため42歳で死去。

「2019年 『かくれちゃったのだぁれだ 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」