- Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592882244
感想・レビュー・書評
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初めて読んだのは、最初に刊行された時。私は27歳でしたが、先生があの若さで亡くなるとはまったく考えつかないことで、以来何とも言えない喪失感を抱えて過ごしてきました。
最近ようやく乗り越えたと感じ、20年以上前に購入していた文庫本を読み直しました。
三原先生が描くイノセントゆえの「犯罪」。他の作品にもあるように思うのですが、読むととても胸苦しい気もちでいっぱいになる…数年前までそうでした。が、私自身が既に三原先生の亡くなった年をはるかに超え、逆に直視しなければ、と思えるようになったのです。こういうことが実際にもあると。
そしてもう一つ、本作の場合は主人公にとって理不尽で機能不全な家族、クラスメイトという名の障害、そこから救ってくれる「精神的に普通」の男性…それもまた三原先生の作品のモチーフでしたよね。
悲しい、苦しい、でも生きていかなくては。
生きることを選んだのなら。
そんな思いで1巻を読み終えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三原 順の最後の作品。
三原 順自体、読むのは久方ぶりです。
やっぱりこれは傑作で、完成していたらどんな作品になっていただろうなぁと思ってしまいます。 -
これはなによりも、三原氏が亡くなったことを思い知らされる悲しい作品。
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全2巻。
美しく残された形。
そして、そこにあるのは永遠の喪失。 -
遺作。ストーリーは完結しているものの、画面など未完成な部分が多いのが惜しまれる。何気に三原作品の中ではかなり読みやすい作品だと思うのだがどうか。
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全2巻所有。遺稿となりましたね・・・。
ところどころラフな下書きの原稿が痛々しいです。 -
未完の遺作。解説:川原泉。