黒鳥 (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1999年3月1日発売)
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883296

感想・レビュー・書評

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  • 女のドロドロとした情念をゾクゾクする極上ホラーに仕上げた4編の短編集。
    どの短編も良いですが、嫉妬という後ろ暗い感情を生涯最高のブラック・スワンの踊りへと昇華させる『黒鳥』は傑作です。
    『鬼子母神』は母になることが怖くなるような恐ろしさがあります。
    少しトラウマです。

  • 愛する男性も名声も手に入れたバレリーナ。
    しかし、それは手に入れたものを失うという恐怖の始まりでもあった。
    若く美しいバレリーナに、彼女は焦りと嫉妬を覚えて-。

    タイトルの「黒鳥」と次の話「貴船の道」は女性の嫉妬をあつかったもの。
    その次の話「緘黙の底」は衝撃作です。
    反抗的で問題児の小学校5年生の少女。
    周囲が問題児扱いするその少女の真実の姿を、養護教諭である主人公だけは自分の過去の経験からつきとめる。
    悲しい話です。
    同じテーマの話は山岸凉子さんの本にいくつかあって、それを見る度に衝撃を受けます。
    心というものは傷ついても体と違って周囲にも自分にも見えないから・・・。
    それが恐い。

    あとこの本には「鬼子母神」という母親の偏愛をあつかった話も収録されています。

  • タイトル作の『黒鳥』これ洋画になったらよいのに。合いそう。そういう実写ぽいイメージを作りながら読みました。
    『緘黙の底』の保険医さんが少女に聞くときの表現は漫画でしかできないなあと思った。
    この短編集が山岸さんの中で印象深いかも…。そんなに数を読んではいないけれども…

  • バランシンのスワンを見る前に読んでみました。表題が3番目の嫁の話。悲しい男ですよ。他作品も悲しかったり辛かったりしますが、どれも後味はいいので、良い文庫でした。あ、最後のお兄ちゃんに救いが訪れますように。

  • 黒鳥・貴船の道・緘黙(しじま)の底・鬼子母神

  • 再読。女に生まれたという重荷がのしかかってくるような感じを受けた。全ての章で男性の描かれ方が辛辣(例外はモヤシくんぐらい?)。。 表題作はもちろんのこと、鬼子母神も好み。

  • 4月中だけどいつだか思い出せない…
    (手帳に記入していたのにこれは抜けていた)

  • 女性が主人公の作品を集めた作品集。

    男も女どちらの業の方が深いのだろうか?
    という問いには考えさせらせます。

  • (1)黒鳥…プライベートでも上手く行くかというと――。
    (2)貴船の道…略奪婚に成功した女。
    (3)緘黙の底…痛々しいテーマ。
    (4)鬼子母神…家族を客観視できるようになったヒロインは立派。

  • うっすらと買ったような記憶があるけれど、とりあえず、読みたい。

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著者プロフィール

山岸凉子(やまぎし・りょうこ)
1947年北海道生まれ。69年デビュー後に上京。作品は、東西の神話、バレエ、ホラーなど幅広く、代表作に「アラベスク」「日出処の天子」「テレプシコーラ/舞姫」など。

「2021年 『楠勝平コレクション 山岸凉子と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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