つるばらつるばら (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1999年12月1日発売)
3.97
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本棚登録 : 488
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・マンガ (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883593

感想・レビュー・書評

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  • 何年振りに読み返したんだろう。
    本棚の奥に少し汚れてひっそりとあった。

    『つるばらつるばら』
    スカートが好きで男の子が好きな男の子、継雄が「夢の中の薔薇の垣根の家」を現実で探す物語。
    犬童一心監督の映画『メゾン・ド・ヒミコ』の原案。「私はトランスジェンダーの気持ちが分かる!」といわゆるLGBTの方たちに肩入れするきっかけになった作品。勘違いですが。
    ゲイバーのママが素敵。

    『夏の夜の獏』
    「実年齢は八歳だが精神年齢が異常発達をとげてしまった」少年、走次。彼の目には父親も母親も兄も子供に見える。寝たきりのおじいちゃんに至ってはハイハイする乳児だ。そんな彼の目から見た世界は...。
    もしかしたらみんな走次なのかも、と思った。

    『ダイエット』
    過食症の福子。彼女は友人カズノコが恋をきっかけにダイエットするのと一緒にダイエットに励む。
    なんかあらすじ書くの難しい作品ですね。
    嫌な記憶を思い出すことを「馬鈴薯掘り」に例えているのが絶妙。

    『毎日が夏休み』
    あることがきっかけで登校拒否中のスギナ。公園で出社拒否中の義父とばったり遭遇。ふたりで何でも屋をやることに...。
    この作品も同名の映画になった。義父役を佐野史郎が演じていたっけ。映画の方も良い作品だった。
    胸が清々しくなる。

    『恋はニュートンのリンゴ』
    頭が良い八歳の女の子、三時子。彼女は十九歳の男子大学生、泡盛くんに恋をする。周りの大人たちの妨害にもめげず彼に逢おうとするが...。
    今あらすじ書いてて思ったんですがこの作品って『不思議の国のアリス』ですかね。「ニュートンのリンゴ」は「落ちる」三時の子と書いてさとこと読ませているし。

    どの作品の主人公もハードな毎日を達観したユーモアでなんとか送っている。ふわふわした可愛い絵に騙されてはいけない。少し乱暴な言葉遣いも大島作品ではあったかい。

    昔、この本をデトックスのように読んでいた事がある。
    どの作品も泣いてしまうし、読んだ後はお腹がぽっぽと温かくなる。

    最近、ネットで大島さんの姿のお写真を拝見してしまった。(見ないように気を付けていたのに)
    実際にいたんだ!と思ってしまった。
    知らない間に神さま扱いになってた~。

    つるばらつるばら(笑)

    • hiromida2さん
      こちらこそ、ありがとうございます!同じように大島弓子さんのファンかと思うと つい、熱くなってしまいました。私の好きな、吉本ばなな さんの本を...
      こちらこそ、ありがとうございます!同じように大島弓子さんのファンかと思うと つい、熱くなってしまいました。私の好きな、吉本ばなな さんの本を初めて読んだ時も 大島弓子さんのセンスを感じたり きっと 人間の深く心に 留めてるものに そっと手を差し伸べてくれるような 心が洗われる気持ち 「ロストハウス」も私も何回も読み返しては やはり泣けますね。映画も大好きだけど 本当に読む世界で今の若者にも 心に素直に向き合える時間があればいいですね。また、参考させていただき本棚覗かせてもらいます。朝?夜中に失礼しました(*ꆤ.̫ꆤ*)♥
      2018/03/04
    • 5552さん
      hiromida2さん、再びのコメントありがとうございます。

      よしもとばななさんは前河合隼雄さんとの対談で「蝶と蛾、どちらが好きか」と...
      hiromida2さん、再びのコメントありがとうございます。

      よしもとばななさんは前河合隼雄さんとの対談で「蝶と蛾、どちらが好きか」と河合さんに聞かれて「圧倒的に蛾が好き。ライトの光に当たっていくのを見ると泣きたくなる」というようなことを答えられていました。あの地味でどっちかっていうと嫌われものの蛾を選ぶとは!と衝撃を受け、やがて納得。こういう感性の方だからああいう作品が書けるんだな、と。よしもとさんご本人の事がもっと好きになりました。
      大島さんもよしもとさんも読んだあと早く起きた朝の新鮮な空気を吸い込んだような気分になります。

      私の本棚、参考にしていただければ幸いです。
      星の数は甘めです(^-^)

      2018/03/04
    • hiromida2さん
      なるほど〜のコメントで嬉しくなりました。
      ありがとうございます!5552さんの感性も流石です。私は映画についての自分の採点はキツめかも(笑)...
      なるほど〜のコメントで嬉しくなりました。
      ありがとうございます!5552さんの感性も流石です。私は映画についての自分の採点はキツめかも(笑)やはり 自分の視点でも 他のボヤけていた鋭い感性で爽やかな気持ちになれたら最高ですね。
      2018/03/05
  • 「つるばらつるばら」
    夢の中で自分は「たよ子」だったという記憶が、少年の人格を形成していく。
    その家を探すために、路地探索を人生の第一目的にする……。
    不覚にも泣きそうになる。
    父母の会話シーンまでもが継雄のモノローグに組み込まれるという作りは、ささやかながら憎い。
    「毎日が夏休み」
    非常に後味の爽やかな映画を見たことがあるが、その原作。
    いかに映画が原作に忠実だったかがわかる。
    「恋はニュートンのリンゴ」
    天才少女三時子の恋と、恋された大学生泡盛くんの駆け引き。

  • 夏の夜の貘 

    山羊の羊の駱駝の

    つるばらつるばら


    どれもとても素晴らしい作品ですが、
    つるばらつるばらが一番好きです。

  • 子どもの頃読んだ
    名前の思い出せない漫画

    友達から借りた大島弓子さんの漫画を読んで
    同じ作家さんかもと思って探したら
    再会できた

    つるばらつるばら

  • なんだか、マンガではなく、本を読んでるという感じでした。
    この方の描く世界観、けっこう好きです。

  • 初大島弓子。この面白さとリアリティを、説明できない。

  • 夏の夜の獏が本当に好きです

  • すべて良かったですが、特に「夏の夜の獏」と「ダイエット」を気に入りました。
     辛いことや悲しいことがあったとき、どうしていいかわからなくて、「大丈夫、こんなことは何でもない」とか、「わたしは大人だから、強いから頑張ろう」とか、人間はそんな風に考えて耐えようとするわけですけれど、でもそういうときって本当は泣きたいんですよね。泣きながら、「助けて」って言いたいんですよね。
     ということを感じる作品たちでした。「夏の夜の獏」は、主人公の走次君が痛々しかったです。自分は体は子どもだけど、精神的には大人なんだと思いこみながら、両親の離婚や学校でのいじめや失恋を乗り越えようとし、最後には声をあげて泣く。本当に、わたしが行って彼を抱きしめてあげたい……
     そして「ダイエット」。主人公の福子は両親の離婚と再婚により居場所をなくし、「ハートが飢餓状態」であるため、食に癒しを求めています。が、友人の助言によりダイエットを決意。そこから彼女の体重は急増・急減を繰り返し、やがて心も体もバランスを失って行く。決して「助けて」とは言わないけれど、幸福を見つけるため、よりよい自分になるため、必死で日々を戦っている福子。そしてそんな彼女を支える友人、カドマツとカズノコ(あだ名です)の気持ちは、愛情や友情よりずっと静かで、なおかつあたたかです。
     この人の作品は、描ききらないところがいいですよね。絵にも内容にもセリフにも、少しずつ余白があって、それでとても日本的な、静かで透明な感じになっていると思います。

  • 『つるばらつるばら』が、
    「つるかめつるかめ」「くわばらくわばら」からの造語だったとは。


    「つるばらつるばら」
    前世で自分が「たよ子」だったと信じ、性転換してその名を名乗って、残して来た夫の住む家を探す少年の物語。
    「夏の夜の獏」
    自分を大人だと思う少年の物語。絵も自分は大人で、先生や両親は子供で描かれている
    「ダイエット」
    痩せたり太ったりを繰り返す少女。その子を、面倒を見てあげなければいけないと思う友達の少女。
    「毎日が夏休み」
    会社を辞めたエリートの義父と、いじめと勉強が問題で学校をやめてなんでも家をはじめる物語。
    「恋はニュートンのリンゴ」
    大学生と、その大学生に恋をした天才小学生少女の物語。

  • 湯河原図書館で偶然見つけて、数十年ぶりに再読しました。「つるばらつるばら」他2作。どれも大島弓子先生独特の鋭い感性がキラキラ光る傑作ばかり。特に「夏の夜の獏」は、精神年齢は20歳、実は8歳の少年が見た日常を描いた物語。冒頭から一気に引き込まれて主人公の不思議な魅力の虜になり、最後は思いっきり感動して泣いてしまう・・・典型的な大島ワールドです。

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著者プロフィール

栃木県生まれ。短大在学中に『ポーラの涙』でデビュー。昭和53年より「月刊ララ」に掲載された『綿の国星』は、独特の豊かな感性で描かれ、大きな反響を呼ぶ。『ミモザ館でつかまえて』『夏のおわりのト短調』『パスカルの群』など著書多数。

「2011年 『グーグーだって猫である6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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