月迷宮/夏迷宮: 京&一平シリ-ズ 2 (白泉社文庫 か 6-2 京&一平シリーズ 2)
- 白泉社 (2003年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592886327
感想・レビュー・書評
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京が声をたてて笑うのってこれが初めてじゃないかなーと思うのでした。傘の場面。優しい顔して笑ってるの見ると良かったなぁと思うのです。この後少しずつ明らかになる京の生い立ちを思うと。4歳で仮面を被って15歳で捨てて、でも一人で生きてたからまた新たな仮面を被ってたんだと思うんだよね。それが一平に出会って、やっと本当に4歳からやり直してるんだろうなーと。子供返りというか初めての子供の態度。他人にあんなに甘えるの初めてなんだろうね。でも十分に大人でもあるから恥ずかしくて素直にはなれない。割と素直だと思いますけど。君らしい絵だとか結構素直に褒めるよね。一平に対しては本当、まるで子供で微笑ましいです。そしてよくぐーで殴られている。殴ったなって、べそっとしてるのがまたかわいい。一平もその辺本能的に解ってて無意識に面倒見ちゃってるんだろうなと思います。京がどんなに天才でキレイでも全くお構いなしだし、あの真っ直ぐさ素直さは悪意にまみれて生きてきた京にとっては本当に救いだろうな。優しい顔でばかだなぁって言ったり。ミノタウロスの話。そのまま結城のこころも救ってる。結城もここからあんなにメインになるとは思ってませんでした。あとがき見たらやっぱりこの回のみのゲストキャラだったらしいし。この話で特に顕著だけど、自分の保身の為の事は事実ですら言わないんだなぁ。自分の為だけだから言わないんじゃなくて、言えば傷付く人がいるから。他人なんて、と言いながらそういうところが本当は優しいんだよねと思わせる。歪んでしまっただけで。常に露悪的に周りからは見えるから、何かを庇ったり救ったりする為に露悪的な場合もあると誰も気付かない。真実を知って憤ってくれる一平がいるから、もう救われるんだろうけど。中学生の頃の話が今回登場しますが、そこでも草尾の為にわざわざ行動してる。焚き付ける為に。2人を幸せにする為に。きっとそういうの、一平以外には信じられない行動だよね。一平もまだまだ本当に京を理解してるわけではないですが。
月子の話は何度読んでも微妙に後味悪いです。 -
[加納朋子さんが解説を書いている]
解説 人は迷うものだから 加納朋子