夢の中 悪夢の中 (白泉社文庫 み 2-19)

著者 :
  • 白泉社 (2011年9月15日発売)
4.15
  • (12)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 96
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592886860

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 全編通して、自分の事は自分がよく知っている、自分だけが自分を愛していると思い込んでいる人間に対する皮肉に満ちている気がする。あの頃、友達は『はみだしっ子』の世界に夢中だったが、私はハマらなかった口だった。悲劇を喜劇に変換し、独自の世界に飛び立って行く登場人物たちの表現に自己陶酔と言う言葉を見ていたからかもしれない。作者の独特な表現方法に馴染めなかったのだ。その感触はこの作者最後の短編集を読んでも変わらなかったが(アダルトチルドレンと言うものがどう言うものであるのか、理解できて無かったんだろう)『はみだしっ子』を今だから読み返したいと思った。

  • 母と子の葛藤…怖いくらいリアル。
    短編集なのに、凄い濃さは、やっぱり三原順!
    で…巻末で、亡くなった事を知り、文庫化された本を買い漁った。
    もっともっと新作を読みたかったよ〜

  • 表題作他、
    「ベンジャミンを追って」
    「彼女に翼を」
    「帽子物語」

  • これを読んで初めて毒親という存在を認知したかもしれない。ネグレクトや虐待などハッキリした名称意外の、害のある家族ってあるんだなと知った。

  • 短編集。表題作のテーマは、(セラピストへの批判と)「人は分かり合えない(こともある)。」だろうか。

  • まんが

  • 毒母、それを反面教師として生きたはずの娘だったが…。

  • 表題作のほか「ベンジャミンを追って」「彼女に翼を」「帽子物語」を収録、巻末に著者全作品リストあり。
    三原順さん初読了。有名すぎる方なので後回しにした結果、何故早く読まなかったと後悔。どれも素晴らしい……!
    「夢の中〜」は母親らとの性格不一致から、母の愛情を拒絶してきた女性の話。最後にゾッとしたわ……救いがない。主人公が息子と相容れない関係になるのが目に見えている。
    「ベンジャミン〜」は幼少期のトラウマから口が利けない少年を救おうとする教師の話。一読では私の理解が追いつかず……驚きを隠せない。呆然となった。いつからこんな計画が……凄すぎます。
    「彼女に翼を」は大金持ちの老人と結婚し一人娘を手懐け殺そうとするブラックコメディ。前記2作に比べコミカルな作品のため、なんだかホッとした。
    「帽子物語」帽子を愛する少年の話。表題作と共通する点は母親が関わることかな。でもこちらはハッピーエンドで可愛らしいお話だったので、爽やかな気持ちで本を閉じることができた。
    巻末の作品リストは発表の年代順、またどの単行本・文庫等に収録されているか明記されています。私のように三原順さんに詳しくない方に親切なつくりで嬉しい。

  • 親がよかれと思ってやってくれるのは分かるのだけれど、それが子供にとっては、苦痛で迷惑で自分を信じてもらえていないんだという口惜しさや歯がゆさとなることは多々ある。
    もっと子供を信じてあげて欲しいと思う内に、自分も大人になってしまった・・・
    自分がイヤだった事をしないようにしないように・・・

  • 生前、最後の短編集。
    彼女の頂点。

    表題作は、ちょっとオチは見えていたかなぁと思います。
    でも、どうすりゃいいねんと思いますよねぇ。そして、それをずっと考えてきたのが、三原 順だったんだなぁと。
    特に後期は、この本に書かれたような軽快な悪意が、この人の中で大きな問題だったのかなぁと感じました。

    自分にはあまり悪意がないのに、ものすごく人を傷つける(心理的にだけではなくて、本当に生存権も脅かすほどね)こともある。

    「帽子物語」と「夢の中 悪夢の中」は、まったく逆のことを書いている。
    人とふれあってわかり合うためには、ぶつかっちゃうこともある。でも、ある程度それを受け入れていかないといけない。

    その天秤の間で、揺れ動く。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三原順(みはら じゅん)
マンガ家。本名・鈴木順子。1952年10月7日札幌に生まれる。1973年、「別冊マーガレット」掲載の「ぼくらのお見合い」でデビュー。1975年から1981年にわたり「花とゆめ」で連載された『はみだしっ子』シリーズによって熱狂的支持層を獲得、以降もセルフマーダー・シリーズ、『X Day』、『ムーン・ライティング』シリーズ等の名作・傑作で読者に感銘を与え続ける。1995年3月20日、病気のため42歳で死去。

「2019年 『かくれちゃったのだぁれだ 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三原順の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×