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本 ・本 (25ページ) / ISBN・EAN: 9784593100613
作品紹介・あらすじ
かなしみは とつぜん くることがあるよ
きみのあとを ついて まわって
ぺったり くっついて きたりして――
だれにでもやってくる「かなしみ」。いきができなくなる「かなしみ」。きみをのみこんでしまう「かなしみ」
そんなきもちにそっとよりそう、とっておきの絵本。子どもから大人まで。
感想・レビュー・書評
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「かなしみは とつぜん くることが あるよ
きみの あとを ついて まわって
ぺったり くっついて きたりする
そしたら
きみは いきが できなく なっちゃうよね」
悲しみがやってきたとき、隠したり、怖がったりしなくてもいい。
話を聞いて、ただ一緒にいて、好きなことをしたり、外に出たりしてみて。
悲しみへの対処法を、やさしい言葉とやさしい色合いの絵で教えてくれる絵本。
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平易な言葉で書かれていますが、実に奥深い。
悲しみから目をそらすよりも、自分の心に耳をすますとか、自分の気持ちがよくなることをしてみるとか、外、特に森等、木のあるところを歩くとか、音に耳を澄ますとか、悲しみを受容するとか、フォーカシング、森林浴、リズム運動、マインドフルネス等々、ふんだんに心理手法が紹介されています。
これを読んだ子どもが、すぐさまこれらを取り入れて悲しみに対処できるようになるとは思いませんが、いつかのときに一つでも思い出してくれたらいいなと思える本です。 -
小学四年生のときかな。
ある日、理由も分からず、友達に無視されてしまった。
かなしくて、さみしくて、授業が始まっても、ポロポロポロポロ涙をこぼしていると、担任の先生が別室に連れていってくれた。
そこで、涙が止まらない私をじっとみつめながらこう言った。
「5552ちゃんは悲しいんだね。先生も悲しくて泣きたくなるときがあるよ。でも大人は泣けないの。5552ちゃんみたいに泣けないの」
……と、強い調子で言われてびっくりしたのを覚えている。
たぶん、甘い言葉でなぐさめられると思っていたのだ。
先生はそれを察してちょっとイラッとしていたのかもしれない。
かなしみを素直に表現する私を見て羨ましかったのかもしれない。
四年生にもなって人前で泣く私を叱咤したかったのかも知れない。
でも、先生にそう言われたことで私は大人でもかなしみを抱え、泣きたくなることがあることをはじめて知った。
かなしみは生きているとかならずやってくる。
もしかしたら一生デフォルトでついて来るのかもしれない。
そんなかなしみとの付き合い方をそうっと耳打ちするように教えてくれる絵本。
涙色した「かなしみ」と、赤いレインコートを着た男の子。
色数を極限まで抑えた色使いがシンプルで目にも心にも優しい感じ。 -
かなしみがやってきたら、あなたは?
まえのわたしは、やってきたらしらんぷりすることが多かった。
そんなかまってらんない、のみこまれたら抜けだすの大変だもん。
みない、しらないの一点張り。(抑圧ですね)
でもさいきん思う、もしやってきたらちゃんと存在を肯定してあげることが大切なんだろうなって。
悲しい時に悲しめずに、悲しまずにいるとだんだん心が心としての(感じる)力を失っていくような気がして。
あっ、悲しみがやってきたぞ。
なんできたの?
どうしたいのかな?
わかんないときは、音楽きいたりホットチョコレートいっしょに飲むとか、ね。
“たぶんね かなしみは よくきたねって いわれたかっただけなのかもー”
この行に、いちばん伝えたいメッセージが込められているように感じました。
いつでも元気ハッピーでいたいけど、
悲しんでるわたしも、大切なわたし。
嬉しいも悲しいもちゃんと感じられる心があるっていうことは、とてもステキなことだと思いました。
これは手元に置きたい絵本。
たくさんの方の手にふれていただきたいと思う作品でした。
“きみのそばで ねむりたかっただけなのかも”
めがさめたら いなくなってるかもね…
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久し振りに、絵本を衝動買いした。「かなしみ」を擬人化するとは何だか斬新な発想だが、突然やってきた「かなしみ」を受け入れ、仲良くする。目からウロコでした。まるで友達のように、かなしみと寄り添う。どんなセラピー本より、心に効く気がする。
実は衝動買いしたのは、私自身も精神的に参り気味だったからなのだが…この絵本は大人にも十分訴えかける内容だなと実感した。本書に出てくるのは、男の子と「かなしみ」の2人だけだが、見返しには悲しみに打ちのめされているおとなの姿が。本文以外のところにも、ちゃんと物語がある。私も、「かなしみ」と仲良くしてみよう。
詩人の伊藤比呂美さんによる訳もよい。何よりタイトルがいい。是非、幅広い世代に手にとってもらいたい絵本だ。 -
日曜日の早朝、ラジオで落合恵子さんがやっている絵本紹介番組を聴くのを楽しみにしています。今週は「おじいちゃんの手」が紹介されました。ネットで番組のホームページを検索していると、過去放送された絵本に「かなしみがやってきたら きみは」のタイトルが目に飛び込みました。
紹介は
「かなしみ」は、突然やってくることがある。
くっついて離れなくなることもある。逃げたくても、ついてくる。
そんなとき、あなたなら、どうする?
この本は、「かなしみ」とのつきあいかたが描かれています。
友だちのようにつきあってごらん、と。
怖がらずに話しかけてみたり、一緒にソファに座ってみたり、外に出て森の中をふたりで散歩したり……。
そう、自分のなかに芽生えた「かなしみ」に蓋をしないで、「どこからきたの?」と話しかけてみて。
乗り越えられそうもない悲しさや哀しさを抱えたとき、そっとページを開きたい1冊です。
友人に贈ろうかと思案中。 -
ご家族を亡くされた方が、読みたいと話されていて、お悔やみとともにおくりました。
その方が、この絵本をどのように受け止め、悲しみを昇華されたのかはわかりません。ただ少しでも心に寄り添うことができたらなと言う思いからでした。
悲しみはその人自身でしかわからない。
痛みもあります。
ただ、悲しむ時間は誰にでも必要なんです。
悲しいと言う感情を周りの人が理解し、その気持ちとともに今時間を過ごされていることを自然に受けいれられる環境、自分自身の心の在り方が大事だなと思いました。 -
〝悲しみは突然くることがあるよ。 君の後をついて回って、ぺったりくっ付いてきたりする。 そしたら、君は息ができなくなっちゃうよね。 見えないところに隠しちゃおうか―でも、そんなことしたら、君の方が―呑み込まれちゃうかも知れないよ・・・〟誰にでもやってくる「悲しみ」。そんな気持ちにそっと寄り添い、「悲しみ」との付き合い方を、やさしく教えてくれる絵本。 〝どうしていいいか、分かんなかったら...好きなことを見つけるのも、いいかもね...絵を描くとか、音楽聴くとか、ホットチョコレ-ト飲むとかさ・・・〟
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かなしみはとつぜんやってくることがある
いきができなくなるくらい、くっついてくることがある
でもね、こわがらなくていいんだよ
ちょっとよりそってみてもいい
いっしょに歩いてみてもいい
いつかくるピカピカの明日まで、いっしょにいよう
〇メッセージ絵本
〇呑み込まれる前に。
素敵な一冊ですね、読んだ人が心の片隅に残せたら、きっと役に立つでしょう、、、
素敵な一冊ですね、読んだ人が心の片隅に残せたら、きっと役に立つでしょう、、、
コメントありがとうございます。
ディズニー映画の「インサイド・ヘッド」にもありましたが、悲しみには...
コメントありがとうございます。
ディズニー映画の「インサイド・ヘッド」にもありましたが、悲しみには、蓋をするんじゃなくって、受け入れてしっかり感じたほうがいいんだよって知っていてもらえたらいいですよね。
この本は、子どもたちだけでなく、ちゃんと悲しめなくなってしまった大人にも読んでもらいたいです。
そうですね、色々な意味で大人にこそ必要かも、、、
そうですね、色々な意味で大人にこそ必要かも、、、