ガンピーさんのふなあそび

  • ほるぷ出版
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593500307

感想・レビュー・書評

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  • そろそろこの本の季節かなと、過去記事を読み返してみたら、なんと載っていない。
    こんな有名な作品を忘れていたなんて、思わず「ガンピーさん」に謝ってしまった。
    この作品で、作者のジョン・バーニンガムさんは1970年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞している。

    良い絵本とはどういうものか、この作品を読むたびに教えられる。
    子供たち・うさぎ・猫・犬・・・と、次々にガンピーさんの舟に乗りたがるが、そのたびに「いいとも・・〇〇しなけりゃね」というガンピーさんの穏やかな言葉が繰り返される。
    のんびり・ほのぼのとした川くだりの始まりである。
    見開きの左側がモノクロの線画で、右側に大きくカラーの動物が描かれる。その安定感がなんとも心地よい。
    特にうさぎと猫とやぎが綺麗で、「あら、こんなものも描き込まれてる!」という楽しさも。
    そして、小さな舟にそんなに乗って大丈夫かな?とだんだん心配になった頃、ちゃんとお約束どおり舟がひっくり返る。
    みんな、ガンピーさんとの約束を守れなかったのだ。

    それでもちっとも怒らないガンピーさん。
    この後、みんなで一緒にお茶をする見開きのシーンが出てくる。いかにも英国!
    しかも最後は「またいつか 乗りにおいでよ」という素敵な言葉で終わるのだ。
    こういう大人のひと言で、どれだけ子供の心が安定するか、計り知れないものがある。
    小さな冒険があっても、はじめの場所にまた戻ってこられると言う幸せ。
    主役のガンピーさんの鷹揚さが、何よりも素晴らしい。大人はこうでないとね。
    ガンピーさんが自分の家の前で舟を漕ぎ出すシーンの、静かな緑色の場面だけでも、好きになってしまうかも。
    日本とは違う、かの国の鮮やかな緑色を思い描いてうっとり。。。
    ゆっくり読んで約5分。3歳くらいから。低学年でも喜んで聞いてくれる。

  • やさしいガンピーさんの舟に、次々と乗りたがる友だち。大人しくする約束だけれど、やっぱり…。みんなびしょ濡れになって、それでも誰も誰かを咎めたりしないのは、ガンピーさんの人徳ですねえ。ラストにみんなで飲むお茶、美味しそう!

  • 〝お人好しで、気立ての良い<ガンビ-さん>は、小舟を一艘もっていました。ある日、ガンビ-さんは舟遊びに出かけようとすると「一緒に連れてって」と、子どもたちが言いました。「いいとも、喧嘩さえしなけりゃね」...続いて「乗せて下さい」と言って乗りこんできたのは

  • ガンピーさんが舟に乗ってでかけると、子どもやうさぎ、猫など次々に乗せてほしいと頼んできます。
    ガンピーさんはそれぞれに約束をして乗せてやりますが…

    独特なタッチの淡い色調で、想像力をかきたてます。

    ロンドンでは1970年、日本に紹介されたのは1976年のロングセラー。
    3才ころから。

  • どんどん賑やかになっているはずなのに、終始、静かな雰囲気の絵本でした。ガンピーさんが穏やかで静かな雰囲気のある人だからでしょうか。
    お、怒らないんだ...!とちょっとつっこみをいれてしまいました(笑)
    最後お茶会のシーンが素敵です。
    絵が一枚一枚ポストカードになりそうなくらいきれいでした。

  • たしかに。これは賛否別れるだろうな。そして、人生の中で読むタイミング、というか解釈が難しい絵本。

    生きるって、理屈じゃないし、うまくいかないことの方が多い。
    でも、最後に“お茶”の時間があることが大切だよね。
    うん、そう、お茶でいいんだ。

  • 細い線でやさしく描いた絵。
    特徴がなく、印象に残らなさそうなガンピーさんの顔。
    だからこそ想像がふくらみます。

    まず最初に男の子と女の子が登場します。
    この絵本を読み始めた子どもが男の子でも女の子でもどちらでも、絵本に登場する子どもにまず親しみをもって、自分も絵本の世界に入り、船に乗るイメージがわくようにという意図があったのかもしれないと思いました。

    ガンピーさんは子どもたちや動物を受け入れて自分の船に乗せます。
    同じ船に乗るということは、人生を意味しているのかな??
    人生には様々な出会いがあり、共に旅をする。
    共に生きていくために約束事は不可欠です。
    自分とは全く異なる誰かと生きていくために、すぐ相手を切り捨てるのではなく、ガンピーさんのような寛容さをもって色々な考え方、生き方があることを受け止めたいと思いました。
    息子もお気に入りの絵本です。

    ガンピーさんはにこにこ笑いながら船をこぎます。
    しかし、船がひっくり返るページから野原を歩くページまでは無表情なのです。
    ガンピーさんの表情の変化にも注目。
    最後は一つのテーブルをみんなで囲みながらお茶を飲むシーン。
    仲直りをしたのかな??
    心がほっこりする絵本です。

  • 4歳4ヶ月。図書館+英語にて。

    ジョンバーニンガムの絵が大好き。

    我が子がこの絵本を好きになってくれて
    嬉しい。

    昔話のようにずっと語り継がれていく
    絵本なのかなぁと。

    「ガンピーさんは男の人?女の人?」
    「どうしてガンピーさんの言葉に返事しないの?」
    「どうして動物は靴を履いてないのに
    歩いて帰ったの?」
    「どうして子どもが最初に乗るの?」
    「この牛は大きいの?小さいの?」

    子どもの視点は面白い。
    単調なストーリーにもいろんな見方があるって事を教えてくれる。

  • 2007年4月15日
    こないだ、娘を病院に連れて行ったとき、待合室にあった本です。

    とても素敵な絵に惹かれて、どんどん読んでみたら、ストーリーもすごく素敵でした。

    ガンピーさんが、船で川に漕ぎ出すと、こどもたちやどうぶつたちが、「乗せて」といいます。

    ガンピーさんは、迷惑にならないようにね、と注意をして乗せてあげるのですが、、、

    最後にはみんなが大騒ぎになり、船はひっくりかえってしまいます。

    そこで、ガンピーさんはちっとも怒らず、みんなで歩いて家に帰り、服を乾かして、お茶の時間にする。

    いつもちょっとしたことで、怒りまくっている私は、ガンピーさんみたいに、広い心を持ちたい、と、反省しました。(反省だけならサルでもできる)

  • 3歳7ヶ月の息子が選んだ園からの貸出絵本。
    “ふなあそび”と題名にあるので、キャッキャッと平和に水と戯れる光景を想像したが……子どもと動物たちが揃えば最後までお行儀良くいくはずがないwみんなをどんどん快く船に乗せていたガンピーさん、とんだアクシデントにも穏やかさを崩さず、お茶まで振る舞って紳士だなぁ。そんな大人の余裕がアクシデントも楽しい思い出に変えるのか。
    バツが悪そうに嬉しそうにお茶のテーブルを囲むみんなの様子にほっこり。
    読み終える度に「もういっかい!」と息子からせがまれた。

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著者プロフィール

ジョン・バーニンガム:絵  1936年イギリス、サリー州生まれ。ロンドンの中央美術工芸学校を卒業。はじめての絵本『ボルカ―はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、その後『ガンピーさんのふなあそび』(ともにほるぷ出版)で再度受賞をはたす。『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』(あかね書房)、『ねえ、どれがいい?』(評論社)、『ドライバーマイルズ』『ガンピーさんのサイ』(BL出版)など作品多数。2019年1月逝去。

「2021年 『パイロットマイルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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