- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593500550
感想・レビュー・書評
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以前【ねむりひめ】のレビューを載せたが、こちらは挿絵が変わり、エロール・ル・カインのもの。
より精密に、より中世の雰囲気を色濃く描き、より幻想的に描かれている。
描き込み過ぎとも言えるほどで、大勢での読み聞かせには不向き。
ひとりじっくり、あるいは親子でじっくり、細部に至るまでこの絵を楽しむと良いかもしれない。
【ねむりひめ】のホフマンの挿絵との、あまりの違いに驚く。
これはもう、個人の好みの問題かと思うが、Amazonでは☆5つがずらりと並ぶ
へぇぇぇ、そうなの、ふぅぅぅん、と頷くしかない。
私の眼で見ると、凝りすぎた絵がテキストを凌駕してしまっているのだ。
デコラティブな絵が好きなら気にならないかもしれないが、ここまで描くならテキストいらないでしょ、と言いたくもなる。
ラストから二枚目の、王子が大広間を開けたところなど、ヴィスコンティの【地獄に堕ちた勇者ども】を連想させる。
お城全体が眠りに落ちた後の描写は、ほとんど【指輪物語】の風景。
色合いといい、「悪なるもの」の描き方といい、子どもによっては恐怖を感じるようにも思える。
いや、それとも、美しいということは、怖さにも通じるだろうか。
ル・カインの絵に病み付きになる人の気持ちも分かる気がする。魅入られる、と言おうか。
ちなみに、こちらの「つむ」はやけに巨大。
そして読み聞かせにはやはり、ホフマンの方にしようと思うのでありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きっとずっと頭の中にある世界。
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やっぱり素敵なエロール・ル・カインの絵。細部まで美しい。
最後は王子様に出会えて良かった、よかった。 -
『眠れる森の美女』として名高いグリム童話。ただし、こちらの『いばら姫』が原話。子どものいない夫婦に蟹が姫の誕生を予言しているので、これは初版(第2版以降は蛙に変更された)。また、お話の基本的なモチーフとしては、ゲルマン北欧神話(ワーグナーでは『ワルキューレ』)で語られる、火の結界の中で眠るブリュンヒルデとの相通性は明らか。さて、ル・カインの絵だが、細密・繊細にして幻想性もきわめて豊かだ。中世ムードにも溢れ、構図も凝っている。仙女がドラゴンに乗って飛んでくるところなどは、まさしくル・カイン絵本の真骨頂。
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周りの装飾が可愛い、、
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カインの描いた美しい絵や装飾目がを惹いた。
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絵が綺麗。
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よく知られた童話だけれど、とにかくル・カインの細密な絵が素晴らしい。
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グリム兄弟の原作にはいろいろ思うところはあるけれど(呼ばれない原因が皿不足だったら私でもキレるわ、とか、王子の棚ボタ感パネェ、とか)、そんな事はどうでもいいんです。
大事なのは「ル・カインが描いている」ということ。これに尽きます。
手元に置いて何度も眺めたい絵本。
見る度に発見があるに違いありません。 -
大人が楽しめる絵本。