- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593505227
感想・レビュー・書評
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2月9日にトミー・ウンゲラーさんが亡くなられた。
この本棚には「すてきな三人組」「へびのクリクター」「ぜラルダと人喰い鬼」の三冊しか載せていないことに、ようやくここで気が付いた。
遅ればせながら、少しずつウンゲラーさんの作品を載せて行こうと思う。
カテゴリーも、その名で登録してみた。
この「アデレード」は何とまぁ初版が1980年で、邦訳が2010年。この時差は何だろう?
いつものウンゲラーさんのピリっとした持ち味はなりを潜め、ほのぼのと話が進む。
絵は優し気な二色刷りで、シンプルな線ながら結構描きこんであるのが分かる。
パリの街の風景や歴史的建造物など、すてきなスケッチも登場する。
主人公のアデレードが、表情豊かでかなり可愛いらしい。
思わずニヤニヤしてしまう可笑しな場面もあり。
背中に羽を持って生まれたカンガルーの女の子。
旅に出て世界を見てから、次々に色々な体験をしていく。
その流れがとても自然で、結末もごく納得のいくもの。
意外な展開というのはないが、アデレードの素直な喜怒哀楽の表情が楽しく、すんなりと読める。
約8分。低学年から。
ウンゲラーさんは、今頃天国で新しい作品を描いておられるのだろうか。
ご冥福をお祈りします。 -
トミー ウンゲラー (著), Tomi Ungerer (原著), 池内 紀 (翻訳)
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そらとぶカンガルーの勇気が、人々を救ったり、楽しませたり。
たんじゆんな色彩の絵がなんともいえない優しさを感じます。 -
『すてきなさんにんぐみ』の作者の絵本で、図書館で偶然見つけました。
読んでみてびっくり。羽のあるカンガルーの話だなんて。
池内さんのあとがきに書いてある通り、確かにむこうでは宗教画で動物に羽がはえたものがあったりしますから、もっとそういう歴史的な背景が自然ならより面白いのかもしれません。
なぜ両親のもとを去るのか、なぜ唐突に旅が終わるのか、絵本にしかない独特な展開に振り回されて楽しかったです。 -
空を飛ぶカンガルーの話。カンガルーのアデレードは背中に翼を持って生まれた。空を自由に飛んだ。色んな人に出会い、経験をする。最後火事で逃げ遅れた子どもを助け怪我をしてしまうが、大切な人と巡り合う。
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978-4-593-50522-7 41p 2010・9・30 1刷
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アデレードは羽の生えたカンガルーの女の子。ある日、パパとママにお別れをして世界中を旅するため自分の羽で飛び立ちます。パリの舞台でアデレードは大評判。そんな時、街中で火事が起き、ビルの中には幼い子供が。アデレードは部屋めがけて飛んでいきますが・・・水彩の優しいオレンジが綺麗な絵本。パリの雰囲気も味わえます。ウンゲラーの絵本には必ずと言っていいほど主人公に親切な人が手を差し伸べてくれます。世の中にはいじわるな人も悪い人もいるけれど必ず誰かが守ってくれる。結末もハッピーエンド。結婚式は可愛らしいです。読み終えて、アデレードは生き方も恋の仕方も積極的な女の子だなぁと感心しました。「羽」ということで天使や羽のある彫像が出てきてアデレードの慰みになる場面はどこか神聖なものを感じました。
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空を飛んでいろんな国を旅するアデレード。落ち着いた先のパリでもいろんな事に挑戦する。チャレンジ精神旺盛なアデレードの姿は素敵です。最後のページに出てくる子どもが大きくなった頃には、きっと、「さあ、いってらっしゃい」と、送り出してくれることでしょう。