ダーウィンと出会った夏

制作 : Jacqueline Kelly  斎藤 倫子 
  • ほるぷ出版
4.16
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  • 本棚登録 :161
  • レビュー :36
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593534746

作品紹介・あらすじ

1899年、新世紀を目前にしたテキサスの田舎町。11歳のキャルパーニアは、変わり者のおじいちゃんの「共同研究者」となり、実験や観察をかさねるうち、しだいに科学のおもしろさにひかれていきますが…。ニューベリー賞オナー作。

感想・レビュー・書評

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  • 1899年のテキサスの田舎町が舞台です。
    主人公のキャルパーニアは7人兄弟の真ん中で、唯一の女の子です。
    家族から"変わり者"とされているおじいちゃんと仲良くなり、博物学や科学に興味を惹かれていきます…

    当時の時代背景を描きつつも、現代の若者にも通じる部分がたくさんある物語でした。
    「自分らしく生きるとは?」という現代でも誰もが考える重要な問題に、11歳の女の子が悩み、自分なりの答えを出そうともがく姿は、きっと共通する部分を感じることでしょう。

    特に当時は「男の仕事」「女の仕事」という、男女の役割が明確に決まっており、キャルパーニアの母も、一人娘に"よき妻・よき母"になってほしいという強い期待を持っています。
    一方のキャルパーニア自身は、家事なんか大嫌い、補虫網や顕微鏡を持って自然を観察することに魅力を感じる女の子。
    周囲の期待と自分のやりたいことのあいだの溝に、とまどい悩んだ経験のある方は、きっとキャルパーニアにエールを送りたくなります。

    ですが、キャルパーニアがいつもくよくよ悩んでいたかというと、全然そんなことはありません!
    元気いっぱいで、兄3人・弟3人にはさまれて、少々じゃじゃ馬なくらいに走りまわっています。
    特に兄弟のあいだの会話は、ユーモアがきいていて楽しいです。
    弟たちにとってはよきお姉さんですし、兄のガールフレンドにやきもちを焼いてみたりするところはキュート。(その結果がどうあれ…)
    おじいちゃんと二人で研究に励み、科学的に考えて記録をつけ、博物学者の卵として奮闘するところもほほえましいです。

    博物学っていいなぁ、という興味も高まりました。
    ぜひ中高生におすすめしたい1冊です。

  • 序盤はとてもよい展開。祖父との交流など。続編が出てるみたい。

  • 445

    2017年では79冊目

  • 1899年のテキサスを舞台に、科学に目覚めた思春期入り口の少女の物語。
    章のはじめのダーウィンの言葉のチョイスもいいし、登場人物、時代背景の描写も非常に丁寧。当時の南部の暮らしや人々の意識がどんなものであったかがよくわかる。
    黒人は変わらず下働きで家事と肉体労働を担い、女性に選挙権はなく、仕事をする女性は上流とは言えない。上流の家庭の娘は
    使用人の使い方を含めた家事を身につけ、若い内に上流家庭の男性に社交界で見初められるよう努力しなければならない。
    そういう時代だと考えると、飛び抜けた才能があったとはいえ、キュリー夫人やメアリー・アニングやコワレフスカヤなんかは本当に凄い逆境の中で成果を出したんだなと改めて感じ入った。
    とてもいい本なのだけど、この一冊はまだ序章という感じでストーリー自体は大きくは動かない。そこに今どきの展開が速い物語に慣れきった中学生が読みきれるかという不安は抱かざるを得ない。
    むしろ大人の方が楽しめる本なのかもしれない。
    個人的には続編も楽しみだけれど、誰にでも薦めるのは難しいと感じた。
    ただ、こういうきちんと書かれた本を感想文の課題図書にしたのは良かった。いつもこれくらいのレベルの本だといいんだが。

  • 間もなく20世紀を迎えようという年の夏、キャルパーニアは庭にいるバッタに見たことのない色と大きさのものがいることを見付け、変わり者の祖父にそのことを相談する。それが彼女と科学との出会いだった。
    百年以上前のアメリカ南部の田舎町に住む少女が、ダーウィンの著書と自然科学を観察研究する祖父に出会い科学の面白さに目ざめる物語。時代が時代のため女の子が科学に興味を持つこと自体周りに認めてもらえず、苦手意識に溢れた料理や手芸など良妻賢母となることを強いられる。3人の兄と3人の弟に挟まれ、女に生まれたということで違う扱いを受けることにも不満と違和感を抱く。根底にはそんな時代が持つ差別的要素がありますが、(このこと以外にも黒人差別などにも触れている)物語自体は明るく前向きに展開されます。それはキャルパーニアの性格に負うところが大きいでしょう。失敗しても叱られても落ち込みさえすれど尾を引かない。興味を持ったことにはとことん突き進む。そんな彼女がこれからの新世紀を突き進んでいき、やりたいことはやりたいと強く思うことで叶うものになるという予兆を刻んで物語は幕を閉じます。

  • おじいちゃんと成長していくわね

  • 文章的に読みやすく、読書が苦手な人でも読みやすいと思います。新たに知識を増やすことに多大なる喜びを感じる少女が、自由を真剣に考えたりする姿が印象的。男女平等についても考えたり出来るので意外と深い内容なのかもしれません。

  • 2014.06.16

  • 1899年アメリカ。男兄弟に挟まれたキャルパーニアは、現役を引退し、標本採集やウィスキーの蒸留に情熱を傾ける祖父と仲良くなります。
    兄弟で唯一ダーウィンの進化論など科学に興味を示すキャルパーニアは、祖父と一緒に採集に出かけ、科学の基礎を教えてもらいます。
    そして、二人は新種の植物を見つけるのですが・・・。
    大好きな兄の恋、次々に恋に目覚めていく兄弟や友人、娘を社交界デビューさせたい母など、科学に傾倒していくキャルパーニアとは温度差の違う世界も描かれています。
    祖父と長い時間を過ごすことに難色を示す母からは、女の義務として無理矢理家事を教えようとされたり、本人も女である自分がずっと勉学を続けることができるのだろうか、と悩むことにもなります。
    科学への啓蒙であり、家族愛の話でもあり、女性差別も含んでいます。
    大きな労苦を必要としながら、一瞬でその結果を無にされてしまう料理のことなど、当時の女性の苦労がしのばれます。

  • 文章も構成もすっきりしていて分かりやすく、
    何より面白いので、
    読み始めからすぐに物語の中に入れる。

    ただ、この作品はラストが素晴らしい!
    希望に溢れていて、
    読み終わったその日は、
    一日中幸せな気持ちで過ごせるぐらい。
    ラストの場面がこうでなかったら、
    ここまで心に残らなかったように思う。
    やっぱり自分は幸せな結末が好きだなぁと実感。

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