ワンダー Wonder

制作 : 中井 はるの 
  • ほるぷ出版
4.33
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本棚登録 : 1349
レビュー : 221
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593534951

作品紹介・あらすじ

「いじめ」を題材にした児童向けの小説ですが、本書はその枠におさまらず、多くの人を魅了して米国ではNYタイムズベストセラー第1位になりました。今回、全国の書店員さんなどたくさんの方に原稿を読んでいただきましたが、みなさんから「感動した」「私の中で何かが変わった」など、熱い感想をいただいています。物語は主人公のオーガストだけではなく、同級生や姉など多数の視点から、それぞれの立場、それぞれの感じ方がリアリティを持って語られています。読者はその中の誰かに共感し、誰かの想いを感じ取り、自分の中の何かを変えていきます。そういう力を持った本です。アメリカでは口コミで広がっていったというのもうなずける、言葉と物語の力を感じる傑作です。担当編集社として、この本を売りたいというよりも、一人でも多くの人に読んでもらえたら編集者冥利に尽きると考えて編集をしてきました。会社としても大変力を入れている1冊です。全世界300万部の感動作、ついに刊行!

感想・レビュー・書評

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  • ぼくはオーガスト、10歳だ。
    ごく普通の10歳とおなじゲームを持っているし、おなじようにアイスクリームが好きだし、おなじようにボール投げをする。
    でもぼくはみんなと同じ10歳の男の子ではないことは分かっている。
    生まれつき「頭蓋顔面異常」という病気を持っているんだ。
    外見については説明できない、誰がどう想像したってそれより酷い。

    生まれたぼくを見たお医者さんと看護婦さんは慌てて隣の部屋に連れて行った。
    そしてママに言ったんだ「この子は明日まで生きられないかもしれません」
    でも翌日までぼくは生き延びてやっとママに会った。
    ママはぼくを見て行ったよ「まあ、綺麗な目をしているわ」
    それからぼくは27回の手術を受け、一度も学校へ行かずに過ごした。

    そんなぼくにパパとママが言ったんだ、「オギーあなたも10歳なんだから、普通の学校へ行ってみない?とてもいい学校を見つけたのよ」

    学校だって?!
    みんなはぼくをみて目を伏せたり、驚いたりする。そして中にはわざといじわるする人もいるんだよ。

    でもぼくは何もせずに断るわけにはいかなかったんだ…

    ***
    映画の原作(2018年6月公開)
    生まれつき顔面異常を持っている少年が、外の世界に触れ、だんだん周りの人たちも変わって行くおはなし。
    章ごとに語り手が変わり、オギー少年と取り巻く子供たちの気持ちの変化や同じことを別の目線で語っています。そのため、誰かに酷いことをしてしまった場合にもその子なりの理由というものが語られます。
    オギー少年は過酷は世間に晒されることもあるけれど、父母姉犬から愛され良い家族と優秀な頭脳とユーモラスさを持っています。
    別の語り手になる周りの子供たちも家庭不和や無関心などの過酷さを抱えていたりして、
    そんな彼らがオギー少年と関わることにより、彼の顔の下に正しい強さを見たり、彼のために自分が良い人間になりたいと思ったり…
    人は自分がそうしたいと思っているより少しだけ大目に人に親切にすると世界はやさしくなってゆく。

    このオギー少年の家族がまさに理想的な家族で、愛があり互いを尊重し合い理解し合うっている。
    家族も友人も、それぞれの悩みを持ったり、悪い考えを持ったり、他の人に冷たい態度を取ったりしてしまうが、
    結局全員が救われるというある意味人間関係の理想のような小説。

    結局家族の愛と、本人の資質と心の強さ愛さが大事で…ということは分かるんだが、
    じゃあ自分がここまで真っ直ぐな気持ちを持ち、行動できるかといったらかなり無理…orz
    それに自分がたまたまそういう人を見たら、差別やいじめはしないけれど、やはり一瞬見て驚いたり愛想笑はしてしまうだろう…
    …読んでいて息苦しくなり、なんか自己嫌悪を引き出しまくってしまった…

    ***追記***
    同じような病気の頭蓋骨形成異常疾患(ライオン病)患者が主人公の映画を思い出したので登録。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/B006QJSSEO#comment

  • とてもいい評判だったのでずっと気になっていた作品。
    確かにとてもいい話なのだけど、期待していたほどの感動はありませんでした。
    ストーリーは王道で、ハンディをもつオーガストをめぐる成長物語。姉のオリヴィアや友人のジャックが自分の人生において親友や家族と向き合うシーンはとても良かったです。
    良かったのだけど、なんで面白かった!と言い切れないのだろう。

    オーガストの家族も、もっと悩んだり嫌な思いをしたはずなのに、いいことばかり書かれているからかな。それともみんなオーガストにあっさり理解を示しすぎだから?
    たぶん、いちばんもやっとしたのが、ラストオーガストが勇気を讃えられてビーチャー賞をもらったシーン。ただ1年を過ごしただけで勇気を讃えられる。ふつうではないということだけで勇気を讃えられる。きっとオーガストより勇気を讃えらるべき子どもがいても、大人は彼に与えたがるだろう。それって結局はオーガストを他の子どもたちと同じ土俵で見ていないということではないのだろうか。
    人は平等ではないけど、それでも生きていかなきゃいけないし、平等ではない中で、何かを見つけなければならない。
    ふつうに憧れるオーガストはどこに行っちゃったんだろう。ふつうの姉、ふつうの友達、ふつうの自分、曖昧なふつうになりたくて、でもなれない、ふつうってなんだかわからない。そういう葛藤がもう少し描かれてほしかった。
    個人的に、いかにも課題図書になりそうな病気とたたかう英雄譚や、優しいばかりの話が苦手なので好きになれないのかも。
    大人たちは、子どもにこれを読ませて、どういう感想を書いて欲しいんだろう。

  • 映画が大評判だ。
    みんな大好きJ.ロバーツが ママ役だし観に行きたいところをぐっと堪えて、あえての原作読み。
    もちろん翻訳でだけど。

    出版年は2012年、原作の R.J.パラシオは 1963年生まれのコロンビア・ルーツの作家。
    3歳の 息子さんとアイスクリームを買おうと並んでいたときに、異形の少女を見て息子さんが泣き出した。少女とそのご両親に気兼ねして列を離れようとしたことで 余計に事態が悪化した。
    その体験にヒントを得て、本作を書き上げたらしい。

    先天性の重い障害を持って生まれ、何度も何度も手術を繰り返しながら11歳になったオギーが、はじめて学校に通うことになる。
    身体にたくさんのトラブルをかかえ、頭部や顔面にも異常が残り通学は無理だと母親が勉強を見てきたが、もう、ホームスクールでは教えきれなくなってしまったからだ。 
    裏を返せば、オギーは家庭には大変に恵まれている。
    両親はブラウン大学を出ていて人格も穏やか、経済的にも余裕がある。
    ニューヨーク市にあっては ファンタシー・カテゴリーに入れたくなるような家庭だ。
    作中でもオギーの顔にばかり注目が集まることが何度も繰り返しメンションされるが、彼をとりまく子供達、あるいは大人も皆何かを欠いている。
    そして、皆、それゆえに苦しんでいる。
    とりわけ、10代の子供達は 自分の苦しみ モヤモヤの正体を掴みきれていなくて、そのことが余計に苦しみを悪化させる。

    そんな彼らが、オギーの頑張りに接し、少しづつ自分の持てるものを差し出し、それができた自分に勇気を得て、成長していく。

    日本でも課題図書になったらしいが、10歳前後の まだ身も心も親の庇護下にあるうちに接するのにぴったりの作品だ。

    が、児童書にあって児童書にあらず!
    大人であれば、オギーの両親の、そしてビーチャースクールの立ち居振る舞い、なによりもシステムに惹きつけられよう!
    特に学校、ここは決してファンタシーな存在ではない。
    まさにあちらの ”良い学校” は こんな感じ。
    国語の授業がクロースアップされる場面があるけれども、日本のクソみたいな道徳教育問題と比べずにおれない。
    展示発表行事も興味深い。
    自分でテーマを決めて何かを作ることも大事だけれど、プレゼンテーションの聴衆に上手に親を利用している。
    こうして、彼らは ”わかりやすい説明トーク”を身につけていく。

    舞台は 私立学校だけれども、公立学校でもトップクラスはこんな感じ。
    この学校についての描写は、やり方はひとつじゃない ってことを知らせてくれる。
    さて、私たちの公立学校はどうか?
    少なくとも 赤の他人が報道する学校像ばかりが 学校じゃない。

    最終章で パパとオギーが大声で歌ってたのはこれかな?
    訳者は 中井はるの氏  
    はじめて見る お名前だが ポップな言葉えらびと 軽やかな語尾が作品にぴったりでした。
    https://www.youtube.com/watch?v=GhO1XlDFqxE

  •  いわゆるユニーク・フェースを持つ10歳の男の子オギーが小学校デビューする話。オギーは愛に満ち溢れた家族に恵まれて、顔が普通じゃない以外は非の打ち所がない人物。それでも、家族の中から小学校という社会へ一歩を踏み出すのはなかなかに大変で、様々な出会いと出来事を通して自分の居場所を広げて行く。という話なんだけど、なんか、オギーやその家族の人物が出来過ぎで、私はちょっとついていけない感じ。むしろ、いじめっ子のジュリアン(オギーとのトラブルが原因で転校してしまう)がその後どうなったのかの方が気になる。
     本の表紙に片目の男の子の絵が描いてあって、これはオギーなんだろうけれど、話の中で描かれるオギーの顔は、こんな風じゃないと思う。一時期、いつも使う駅で、おそらくオギーと同じような病気と思われる方をよく見かけたのだけれど、最初は本当にびっくりしてしまった。そんな風に思うこと自体がその方に申し訳ないのだけれど、でも、これは多分、本能的な反応で、自分の意思でどうこうできるものではない。けれども、びっくりするのは最初だけで、何回か見かければもう気にならなくなる。ああ、今日もおられる、お勤めなのかな、くらいの感じ。あの絵は普通のよくある顔の一部で、一目見てびっくりしてしまうような顔じゃない。そういうところも、この話の出来過ぎ感と相まって、どうかなーと思った。エンタメとしてハンカチ用意して読むには良いかもしらん。

  • 中学生向けぐらいかな。ハリー・ポッターの1冊目ぐらいの分量だし、文字の大きさも同じぐらい。
    お父さんとお母さんのターンもあってよかったのではないかと思う。そうすればオトナももっと読める内容になったんじゃないかと。
    教訓ばかりで実際のティーンの人たちがそのまま受け取るのかなと疑問。とにかく主人公のまわりの人たちからの目線をもっと入れないとだな。

  • 読み終えた。
    肥満児であった自分としては、身体的なことで
    揶揄される気持ちは共感できたように思う。

    自分は自分であるしか無い。
    自分が自分であるという覚悟をもつことは賛辞に値する。
    自分の持っている、人を敬う心、親切心、強さで
    生きていく。そのことが、人の心を揺さぶり良い影響を
    与えることができるのだ。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    家族の愛情や友人が居るという心強さが
    人間の強さを支えているんだなと知れる。

    コミュニティの中に必ず意地悪する人がいること、
    黙っているけど本当は仲良くしたいと思っている
    人がいること、よく書かれているような話だけれども
    面白い。

    なぜ面白いかというと、主人公のオーガスト、
    その他、彼を取り巻く人達がそれぞれ語り手となり
    その場面や出来事についての思いを章を分けて
    読みやすく書いてあるから。

    それぞれが語り手となることで、同じ場面でも
    その人とそれを受け取る人では全く違う解釈を
    しているということを、詳しく知ることができる。

    読み手にはそれを俯瞰してみると同時に
    自分だったらどうだったかと、色んな人の語りを
    見ながら思いを巡らせることができる。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • 生まれつき顔が普通でないオーガスト。
    自分の顔が嫌で仕方なかった彼。
    学校に行くことになり、様々な嫌な経験を繰り返し、逃げ出そうとする。
    けれどもそれを支える家族や他の友だちの存在。
    そして、前を向くオーガスト。
    自分だったらどのように振る舞うだろうかと想像しながら、何度も心を揺り動かされた。

  • 人は誰でも何かしらのコンプレックスを抱えている。それを強みにするのは難しいけど、他の部分で誰かの支えになるように生きればいい。
    主人公は辛い人生だけど、それを取り巻くみんなそれなりに苦労しているんだなぁ。
    人はいつでもないものねだり。
    読んでいく中で、人生の希望が見えてくる。
    あぁ読んでよかった!スッキリする一冊。

  • 映画を観てからの読了。
    人を見た目で判断してはいけないとわかっているが、最初はどうしても…
    子供達も、オギーと過ごしていくうちに、魅力的な彼に引かれていく。
    ちょっと話しが出来すぎている気もしますが、心があたたかくなる作品です。
    【2018.07】

  • 語り部が変わる手法。

    両親の回は無く、主人公、主人公の友人だったり、姉、姉の彼氏、姉の友人 など。

    思ったほど、お涙ちょうだいの展開では無かったけれど
    国語の先生の格言
    飼い犬について
    姉の祖母の記憶
    姉の友人の思い
    主人公の友人の境遇

    等、皆問題を抱えて生きているのだなぁ、と。。。

    自分も当事者になったら、直接虐めなくても
    遠巻きのグループになるだろうし
    自分がそうなのに子供に差別するなとは本心から教えられないし。。

    と色々考える。

    スピンオフあるそうなので読みたい。

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著者プロフィール

50ヶ国語に翻訳されたベストセラー小説『ワンダー』の作者。『ワンダー』は数々の賞を受賞し、児童文学賞の最高峰であるカーネギー賞の最終候補にも残った。2017年11月には米で映画が公開されている(日本公開は2018年6月)。

「2018年 『みんな、ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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