最後のゲーム

制作 : 千葉 茂樹 
  • ほるぷ出版
3.55
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本棚登録 : 43
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593534975

感想・レビュー・書評

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  • ザックとアリスとポピーは、家が近所でいつも一緒に遊んでいる。12歳にもなって、と本人たちも思うのだが、フィギュアを使ってごっこ遊びに夢中だ。ゲームと呼んでいるそれは、3人の中では、お気に入りのキャラクターたちの冒険が長編小説のように続きを待っている。中でもクイーンはポピーの家のガラスのケースに入っている陶器の人形だ。少し不気味なクイーンは、3人の王国を支配している。ボーンチャイナという磁器の人形で、ガレージセールで母親が買ったものだけど、ビンテージものだそう。

    ザックはこの夏、背が伸びた。バスケも上手くなって、(本人は気がつかないけど)ちょっとモテるようになった。でも内面は、怖い話にビクビクしたり、人形遊びの続きを考えるのが大好きな少年だ。

    けれど、父親はザックの大切なフィギュアを捨ててしまった。「もう12歳なんだからくだらないおもちゃで遊ぶ年じゃない」と。
    ザックは怒った。まだゲームは終わっていないのに。フィギュアを捨てられてしまったら、アリスとポピーになんと言ったらいいのだろう。言えやしない。

    そんな時、ポピーが相談があると言う。
    クイーンがおかしい。
    ポピーの夢に出てきたクイーンが訴えるには、クイーンはエレノア・ケルヒナーという女の子だった。お父さんが焼き物工場の職人で、娘が死んだ時、お父さんは正気を失って、娘を埋める事に耐えられなくなって、仕事場へ持っていき、切り刻んで焼いた。焼け残った骨を細かくすりつぶして粘土に混ぜて作った人形がこのクイーンだという。だから、人形はエレノアの空っぽのお墓にもどしてほしい、と訴えるのだと。

    ザックがゲームをしなくなって、ぎくしゃくしていた3人だけど、幽霊のような話をしんじきった訳でもないけど、親に内緒でクイーンをエレノアの墓に持って行ってあげることにした。
    学校が終わって、夜行バスに乗って行けば、なんとかバレずに済むはずだった。

    3人の最後のゲームはどうなってしまうのか。



  • 2017/06/25。
    前回吉祥寺図書館で読んでた本。本日読み終えました。
    ホラー小説というよりは、青春小説要素の方が強め。
    ホラー寄りの青春小説ってところか。
    主人公は12歳の男の子、ザックと二人の女の子、ポピーとアリス。
    人形遊びをするのは幼いと言われてしまう年頃だけど、まだまだ遊びたい。
    そんな時ザックは父親に人形を捨てられてしまう。
    互いに異性として気になり始めている、そんな年頃。人形捨てられてしまったことが素直に言えないから、人形遊びを辞めるというザック。
    そんな頃、ポピーの家に飾ってあったボーンチャイナの人形の夢を見るようになったポピーから、冒険の旅に誘われることになり…
    青春要素がかなり高めではあるけど、人形が出てくるとやっぱり怖い。
    ボーンチャイナというのが、動物の骨を混ぜて焼いた磁器。その骨に実は人の骨が含まれている?!というあたり、やっぱり怖い。
    読後感は青春小説らしく爽やかでした。
    まあ児童文学だからね。

  • 司書のミス・キャサリン、いい感じよ!チョイ役だけど!

  • 表紙などの雰囲気から、おどろおどろしい物語かと思っていたら、思いの外ホラー要素は少ない印象でした。子どもから大人への変化、家族との繋がりなどを考えさせられます。全体的には謎解きと冒険譚なので、比較的読みやすいです。

  • う~ん。
    むずかしいなぁ。
    ちびっこ冒険話。

  • 12歳のザックは、同い年のポピーとアリスと一緒に人形を使った「ゲーム」を続けていた。海賊やクイーンといった役割をそれぞれが演じ、いつも冒険にのめり込んでいるのだ。3人それぞれに家庭に事情を抱えていたが、「ゲーム」の間は自由だった。ところがある日、ザックが理由も言わずに「ゲーム」を止めると言い出す。ところが、ポピーの夢の中に女の子の幽霊が現れ、3人は人形にまつわる呪いを解くために見知らぬ町の墓地をめざすことに…。
    子どもから大人への階段は、子ども時代のすべてを捨てなくてものぼっていける、そんな物語です。

  • 人形がとつぜんパワーを発揮しだしたりというとっぴなことは起こらないんだけど、冒険をすすめるつど、夢だとかちょっとした顔のむきだとか、外の人に人数を勘違いされるとか、少しずつこわいことがつみかさなっていくのが、ぞくぞくくる。

    三人の冒険も、なんか、偶発的に始まるようなんだけど、内的な必然性もあるんだよね。そこがいい。子どもと大人のあわいに立って、自分も揺れているし、大人たちが、じつはちっとも確かな存在じゃなくて、自分と同じように頼りなく揺れ動く存在であることにも気づきはじめてしまう。「それを成長だっていうけど、そんなの死ぬこととおなじじゃない」というポピーの抗議から、最後、エレノアの墓での埋葬にいたる流れがみごと。意識しないですっと大人になれる(あるいは子どものまま体だけ大きくなる)人もいるけど、子どもの自分を(部分的にせよ)ほうむって大人になる人もいるんだろうな。わたしは……成人したころまではたぶん子どものままだったけど、子どもを産んでやっと大人になったような気がする。おそい(笑)。

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