- Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593560608
感想・レビュー・書評
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すでに教育基本法は改正されてしまいましたが、それでもこの本の価値は失われないと思います。前半は、法律の条文を池田香代子さんが分かりやすく詩的に表現されています。後半の対談は、日本の教育行政の変遷(凋落?)に鋭くメスを入れるとともに社会に警鐘を鳴らしている。なかでも興味深かったのは、かつては教育委員会の委員が選挙で選ばれていたという事実。教育の中立性、民主制を果たす上で、この制度の復活は検討されていいと思う。
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教育基本法についてわかりやすい言葉で解説されている。
そこには「真理と平和」を求める姿、一人ひとりをの違いを大切にする姿があった。
また、政府や官僚や政治家などが教育を支配してはいけない基本的な考えもあった。
江戸後期から明治時代を外国人からみるといかに日本人が子供をかわいがって、そのなかでよく育っているところが目についたようだ。
著者の対談の以下のトークも面白い。
「今、女は家庭で子育てに専念するという伝統にもどれ、勤勉や起立性といったこの国の伝統的美点をとりもどそうという人がいるけれど、そこで言われている伝統って明治以降にそれまでの伝統をご破算にしてつくられた新しい伝統と思う。江戸時代は男も育児の主体だったし、人々は遊んでいなければ生きた心地がしなかったのだから。」 -
『条文をやさしい言葉に置き換え』とあるが、直した文章も読んでスムーズに染み入るような日常的な言葉ではなく、少々読み難さを感じた。
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時代が変わっても変える必要の無い「普遍的で美しいもの」が、日本国憲法第九条とこの「教育基本法」にはあると「感じる」のです。
子どもたちと同じように、自分も持っている「感性の思考」を信頼します。 -
完璧はないけれど、変えることを急ぐ必要もどこにもなく、いつか国家の過ちを教育を志す若者に語る日のためにしばらく書棚に在る1冊でしょう。