バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社
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レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594004538

作品紹介・あらすじ

近未来のアメリカ。そこでは選抜された十四歳から十六歳までの少年100人を集めて毎年五月にという競技が行われていた。アメリカ・カナダの国境から出発し、コース上をただひたすら南へ歩くだけという単純な競技だ。だが、歩行速度が時速四マイル以下になると警告を受け、一時間に三回以上警告を受けると射殺される。この競技にはゴールはない。最後の一人になるまで、つまり九九人が殺されるまで、昼も夜もなく競技はつづくのだ。体力と精神力の限界と闘いながら、少年たちは一人また一人と脱落し、射殺されていく。彼らは歩きながら、境遇を語り、冗談を交わし、おたがいを励ましあう。この絶望的な極限状況で最後まで生き残るのははたして誰なのか-。死と直面する少年たちの苦闘を描いた、鬼才キングの問題作、ついに登場。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    二十年ぶりぐらいに読み返した。
    当時はそれほど衝撃を受けた印象はないが、ラストシーンはずっと記憶していたのでインパクトがあったのだろう。
    背景の設定や主人公の目的が分からないが、キャラクター造形がしっかりしているので物語に引き込まれる。

    ロングウォークで勝者になるには邪魔なだけのの仲間意識、それでも各々が助け合っていく姿にその後訪れる非情な運命にヒリヒリした。

    また、いつか読み返すであろう1冊

  • 過去2~3回読了。

    平行世界のアメリカにはある行事が存在する。
    100人の男子が最後の1人になるまで歩く『ロングウォーク』。
    優勝すれば望む物が何でも得られるこの競技のルールは至って単純。
    時速4マイル以下で警告3回で射殺。制限時間も休憩も、無い。

    冒頭は競技者達の集合から始まり、競技終了で終わる。
    背景も軍事国家としての仮想の国のイベントだしルールは簡素。
    12~18歳、日本でいう中高生がとにかく歩くだけ。
    至極シンプルな背景には内容で特に考察が出来る余地はない。
    じゃあ何がこの小説には書かれているのか。
    バラバラの地域から集まり、初対面の男の子同士が生を賭けて歩く。
    最初はライバルでしかない、馴れ合いもない。
    終わるまで休めず終わるまで生きられない死の椅子取りゲーム。
    競う内容が歩くだけなのだから卑怯な争いなんか殆どない。
    100人の仲間は、銃口を向けられ、TVに映り、見世物にされ、歩く。
    そんな重圧の中で交流していく友情の物語なのだ。
    だが必ず仲間は遠くない未来に自分が生きる限り死ぬ。
    決められた終わりに向かって、全員が歩いていく。
    終わりが近づく時、とても、とても寂しくなる。
    ある小説のモデルだが、これは1979年刊行で書かれたのはもっと前だ。
    古いありふれたデスレース小説と油断しない方がいいです。

  • あらすじを読んだ時から、期待はふくらみ、
    読み始めてからも、寝食忘れて読みふけるという感じで、久々に熱中できました。

    最初から最後まで、ただひたすら歩き続ける少年たちと、主人公の心中の描写で構成されていく内容ですが、

    最初から最後まで通して、少年たちの人間関係の構築、友情の深まりから瓦解までを丹念におっていく文章。
    そしてエンディングでの、意識も朦朧としたラストスパートには胸が熱くなりました。

    警告ルールも絶妙で、単調になりそうな展開に山場を与えてくれます。

    たしかに、設定上ラストが見えてしまうとう点と、少佐という存在の浮世離れ感が否めませんが、
    肝心なところはきちんと抑えている作品と思います。

    読み終わると、なぜか自身の足もくたくたに…

  • これはもう、最初に読んだのは、中学か高校の時で、友達に貸されて読んだのですが、これは何と言うか…これってホラー?
    サスペンス(これの定義がいまいち/苦笑)?
    取り敢えず、この作者といえばスタンドバイミーとかが有名ですが(グリーンマイルとかも映画になったし)、私はこっちのがインパクト強いです。
    今思えばバトルロワイアル(も読みました)にも共通性が感じられなくも無い。本気で元ネタなんだとか。
    一定速度で歩き続けて、最後の1人になるまで歩く。生きてリタイヤは出来ません。
    確か、最後の1人は何でも要求が叶うとかそんな話ではなかったかな。文字通り命がけ。
    歩きながら、周りにいるのは皆ライバル…ある意味本当に敵かも…ながら過去や関わりによるドラマがあって…という感じ。
    映画化されてもエグいだろうし、見たくは無いですが、これはもう1度読みたい本に含まれるかな。
    文章で読みたいストーリーということで。

    • chiico26さん
      私はまだこの作品を読んでいないのですが、かなり期待を持っています。
      何しろ発想が面白い。
      スティーヴンキングの作品はいくつかよみましたが...
      私はまだこの作品を読んでいないのですが、かなり期待を持っています。
      何しろ発想が面白い。
      スティーヴンキングの作品はいくつかよみましたが、この作品にもかなり期待をもっています。
      ・・・ただ、キングの作品は病んでしまう可能性が大なので、読むタイミングを見計らっています。
      読み終わったらレビューを書きたいと思っています。
      2010/01/28
  • 07.01.04

  •  少年100人で24時間休むことなく何日も歩き続け、最後まで残った者が優勝という、超耐久レース。ただし、速度が時速4マイル(6.4km/hくらい)以下になると1回警告が入り、3回警告後に速度が落ちると射殺。いつからか漫画作品で見かけるようになったデスゲームの先祖とも言えるだろうか。

     ただし、ルールがあまりにもシンプルなためか、デスゲームものとしての面白さがあるわけではない。約400ぺージにわたり、やっていることはあんまり変わらない。長い旅路の中で少年の間に友情が芽生えたり心変わりをしたりというドラマも一応あるのだが、主催者側にも少年たちを見に来る群衆にも現実感がなく、この違和感は何なんだろうと疑問を抱いても、それについて触れられるわけでもない。
     物語の舞台が興味をそそるものだっただけに、勿体ないなぁという印象だった。

  • 海外作品は苦手だ。
    人物名から情景がイメージできないからかもしれない。

    久々の海外作品で初めてのスティーブン・キング作品。
    気合い入れて、人物名・風貌・言動などをメモしなが読む。
    おかげで最後までテンションが切れることなく楽しめた。
    中盤までは「こんなペースで大丈夫か?」と思ってたが、
    リアルに終盤に近付くほどバタバタと。

    いいお話かどうかはわからないが、面白かった。

    人間誰しも死ぬまで歩き続けなければならない。

  • そもそも「勝ち残るか死ぬか」なんて物語が成立するのか?そんな疑問を持って読み始めた本書は、成立するだけでなく、死を組み合わせることで、少年たち、あるいは人間の極限状態を生々しく引き出すことに成功している。

    「勝ち残る」とはまさに残ることであり、脱落しないということだ。トーナメントで負けて去るというのとは違う。脱落した時には銃殺される。死んで脱落するか、脱落してい銃殺されるか。一定速度以上のスピードから遅くなった場合は、警告を受け3回以上警告を受けると銃殺される。

    何故若者はこのゲームに参加するのか。「勝ち残る」確率は極端に低い。それでも100人が参加するのは何故か?100人は選別されるのだ。選別されたかったのか?見物者からは称賛され、はやし立てられる。元気なうちはよい、数日もたてばボロ雑巾だ。それでも称賛されたいのか?賞品は決まっていない、望みの物を得ることができる。望みの物を得たいのか?

    少年達の気持ちの描写が際立っている、極限状態で死を望む者、生を望む者。参加した背景、レースにおける駆け引き。これを想像で描くのが小説家であると言ってしまえばそれまでだが、にしてもこの人間の極限を想像する想像力は凄まじいものがある。感銘というか恐ろしさする感じる作品だ。

  • H29.04.22 読了。

    「バトルロワイアル」が、この作品を元にしているというのを知り、読んでみた。
    が、翻訳作品独特の読みにくさ。

    そして謎が多く、結局どうなったの?
    散々無理して読んだのに何この仕打ち。

    話の設定とかは面白いはずなのに、
    肝心の内容が好かない。

  • 近未来のアメリカで開かれる「ロングウォーク」という競技は、100人の少年が最後の一人になるまでただひたすら歩き、途中で立ち止まり警告を三度受けると射殺されるというものだった。それに参加した少年たちの運命は…

     近年の作家さんや漫画家さんが同じアイディアで作品を書いたら、十中八九、疑念と裏切りだらけのデスゲームになりそうですが、その要素を強く押し出さず、あくまで青春小説ぽさを押し出すのがキング流なのかなあ、と思います。

     どんでん返しというわけでもなく、ひたすら歩くというシンプルな展開ながら読ませるのはさすがキングの筆力! アメリカの少年たちの会話なので、日本とは少し違う感じはしますが、でも何か不思議と読んでしまう雰囲気があります。

     競技中の差し入れは禁止されているのですが、そんな中少年たちにスイカを渡そうとする沿道の応援者が現れます。見張りの兵士たちの目をかいくぐり、スイカを受け取る少年たちの姿は、冒険ごっこをしているような、ワクワク感を読者も感じると思います。だからこそ参加者が減っていく終盤の緊迫感と異常な雰囲気が引き立ちます。

     危険な競技だけに、少年たちの競技への参加動機があやふやだったのが、ちょっと気になったかなあ。少年たちが「ロングウォークはくそだ」的なことをたびたび言っているのですが、「そんなの参加する前からわかるだろ」というのが正直な自分の感想。だからこそ、もうちょっと動機を書き込んで納得させてほしかったです。

     キングの初期作らしいですが、今のデスゲームものとは一味違い、そしてそれに負けない面白さも感じさせる作品だったと思います。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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