黒い天使の目の前で (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784594009205

感想・レビュー・書評

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  • ハイスミスばかり読んでいると、ハイスミス慣れしてしまうな…と思ってしまった。
    でも、やっぱり好き(笑)たくさん書いているところもすごい。マクベインもそう。この個性はすばらしい。

    81年の作品集。原題は「黒い家」。邦題は別の作品が選ばれています。
    やはり推理小説ではないし、サスペンスでもスリラーでもない。犯罪がからんでそうな、とか不穏な空気の漂う作品集。

    仲間外れ
    黒い天使の目の前で
    うちにいる老人たち
    どうにでもなれ!

    の5本が心に残った。(よかったとも、おもしろかったとも言いにくいのがハイスミス…)

    うちにいる〜は、これから自分が老人カテゴリーにかなり近づいているので、とても考えさせられる作品でした。
    仲間外れ、黒い〜、凧 の3本は、辛い3本。
    うちにいる〜と、黒い〜は、ハッピーではないハッピーエンド…きつい。主人公は最後に救われたような、そうでないような…

    どうにでもなれ!は、個人的にはちょっとふざけた話。女性読者はどう思うでしょうか。

    凧の少年は痛ましく…喪失感から立ち直れないままの悲劇…こういうことは形を変えて実際に起こっているのだと思い…

    今回11作品で〇5つ、△6つ。全体として星3つ。
    ◎をつけられなかった…だって、ひどい話ばかり…それが好きなくせに!とひとりつっこみしております。ただ、冒頭のとおりハイスミス慣れしてしまったか…という感じです。





  • 「太陽がいっぱい」、「見知らぬ乗客」の、という二作品の名がついてまわるパトリシア・ハイスミスだが、著者のうまさはやはり人間の心理や情緒の襞に絡んでくるサイコスリラーの数々に表れていると思う。
    この短編集もそうした11編が楽しめ、特に「うちにいる老人たち」が持つ不条理さがなんともいえない後味を残す。叶わぬ望みだが、もう一度「妻を殺したかった男」や「ふくろうの叫び」といった傑作に劣らない長編の新作を読みたかった。

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著者プロフィール

1921-1995年。テキサス州生まれ。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。

「2022年 『水の墓碑銘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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