ラスト・コヨーテ 上 (扶桑社ミステリー コ 7-6)

  • 扶桑社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594020002

感想・レビュー・書評

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  • ハリー・ボッシュシリーズ第四作。

    今回は休職中で警察手帳を持ってないんで
    上巻は ボッシュ探偵風味 って感じです。
    嘘をつく、脅す、お願いする・・・ボッシュが結構かわいい。

    上巻である程度犯人の目星がついて、
    あとは、新しい彼女となんやかんやあって、
    それからお決まりのアクションですか~?
    はいはい・・・
    と思ってしまったアナタ(いや私)
    下巻早々ガーーーン

    それにしても海外のミステリー読んでて
    いつも思うんだけど、
    家ではサンドイッチしか食べないですよね。

    「ハムのサンドイッチ」
    それってうちでは「パンにハム乗っけたやつ」って言ってるけど。
    「ピーナツバターのサンドイッチを作って食べた」
    それは作ったって言えないだろ!

  • ボッシュに内面に入って行く、いわば彼のアイデンティティがモチーフになっている。ボッシュは組織に入り込むことを好まず、不得手と任じている。その彼の姿を映すかのようなコヨーテ。住まいの近くに現れると言うコヨーテに、彼自身を投影し、ストーリー進行の背景としている。元同僚とのラスト近くの語り・・・真夜中の海の上のボート・・互いの裸の心中がぽつぽつと語られて行く場面がいい。

  • いいねぇ!

  • ますます盛り上がるハリー・ボッシュシリーズ第4作目。
    第1作目からふれられてきた母の事件、死の謎を解く物語がいよいよ始まる。

    のだが、ボッシュはまたもや何かまずいことをやらかしたらしい!
    ボッシュはストレスによる強制休職に処されており、復職するためにカウンセリングを受けているのだ!

    何をしでかしたのかすぐに明かされないし、ボッシュの自宅はLAを襲った大地震で半壊の被害を受けて、立ち入り禁止の赤札がつけらているし、第2作の『ブラック・アイス』からの恋人シルヴィアはボッシュの元を去ってしまっているしで、悲壮感漂う散々な出だしで、ボッシュに一体何があったのか、のっけからグイグイ話に引き込まれる。

    本篇の行く末も読み応え満載だが、違法捜査を押し進め、ヤバイこともばんばんやっちゃうボッシュは無事、組織に戻れるのか?

    本書のタイトル『ラストコヨーテ』の意味するところは?
    ボッシュの家の下の谷に住んでいてボッシュがよく見かけていた一匹の青いコヨーテ。
    P148
    「コヨーテを見かけるといつも、それがそこに残っている最後の一匹かもしれないという感じがするんだ。つまり、最後のコヨーテだと。そして、もしほんとうにその通りだったり、二度とその姿を見なかったりしたら、おれはさぞかし動揺するような気がしているんだ。」
    P149
    「あなたがそのコヨーテと同一のものであるのは明らかだと思う。おそらく、あなたのような警官はあまり残っておらず、あなたは自分の存在あるいは任務に同様の懸念を抱いているんでしょう」

  • ハリー・ボッシュ・シリーズ第4作。

    上司とのトラブルから休職処分を受けたボッシュ。そこで、35年近く前に殺害された母の未解決事件を調べることに。

    シリーズ初めから断片的に語られてきた母親についての謎がついに明らかになる。大地震によってお気に入りの住まいを追われ、さらに恋人とも別れ……。ボッシュにつきまとうやりきれなさや寂しさが行間からにじみ出てくる。

  • 母の死をほじくりかえすボッシュ。
    迷宮入りでもなんでもなく、思いがけない手が加えられていたことを知り。
    「ちょっと無理があるのでは」というシーンもあったけれど、通底するメッセージは痛いほど伝わってくる。
    旅行先なのにどっぷりボッシュの世界に入ってしまって、一瞬どこに自分がいるか忘れてしまっていました。

  • ハードボイルドの主人公がセラピーを受けるなんて!
    と、古のハードボイルド・ファンなら怒るところだろう。
    まあ、そこらへんが、時代の流れであり、このシリーズをあまり陰鬱にさせてない一因なんだろう。

    しかし、ストーリー展開は相変わらず見事。
    キャラクター的にというか、設定的にというか、
    死ぬとは予想しない人が途中で死んでしまい、
    ぐっと引き込まれる。

    二段落ちというか、解決したと見せかけて、
    さらに奥があるのは、ちょっとパターン化してきて予想範囲内だが。

    (下に続く)

  • 9月19日読了。

  • 休職中のボッシュが母親殺しの犯人を追う本作品は、ボッシュのルーツを辿るロード・ムービーを観るようなイメージで読める。カウンセリングを通して自分の取るべき行動について閃く辺りは都合がいいようにも感じたが、その後のボッシュの覚悟を伴った心境の変化に比例するように、ひとつひとつ踏み込んでいく複雑な過去にすっかり入り込んでしまった。

    善と悪、守るべきものと排除するもの、これらのコントラストが効いており、いろんな局面で考えさせられることが多い。またミステリ的にも面白く、ふっと気の抜けた後のサプライズに、心地よい緊張を強いられた。

    憂いを帯びた物悲しいストーリーが読み手に訴えるものは大きく、いかにしてボッシュが現在のキャラクターになったのか、またそうならざるを得なかったのかが、本作品を読むとよくわかる。シリーズの中でも、この四作目はある種の節目となるのではなかろうか。

  • 私の大好きなボッシュシリーズの中でも一番好きな作品です。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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