ロード・キル (扶桑社ミステリー ケ 6-1)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594020033

感想・レビュー・書評

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  • 追い詰められたキャロルとリーはハワードを殺害。だが、それを見つめる目があった。その目の主ウェインは二人に接触しドライブに連れ出す。それは通る道に死体を並べる地獄の殺人旅行だった。
    と、とても簡潔な内容となっている。まさにロードキル。直訳でここまで内容をカッチリとはめ込んで来るタイトルが気持ち良い。

    殺人現場を目撃した事により願望のリミッターが解除された産まれたてホヤホヤのサイコキラー、ウェインの暴走ドライブは決して無鉄砲でも無ければ衝動的でも無い。実に計画的で冷静。それがこの単調な作品のおぞましさを強調しているように感じた。ウェインの有罪リストに記載されたであろう人物達があまりにも簡単に、無慈悲に殺害されていく。
    ケッチャムの悪魔的要素は無慈悲に殺害される彼等の背景を、先に興味が傾く程度に簡潔に語る事だ。「この人はこんな人か...」と丁度よく認知させといて、それを無に返してくる。トドメは認知をさせてから刺す、もう完全にサイコパスの手口ではないか。

    完全にぶっ飛んでいる事しか語っていない気がするが、この作品 ケッチャムにしては「まとも」らしい。まぁ確かに代表作である「隣の家の少女」と比べるとなるほど、正常な気がする。しっかり殺してしっかり終着するものね。ふむ、なんだつまりは正統派スプリーキラーという事か、納得。 (???)
    ..ご心配無く、感覚が損壊している自覚はあります。

    ケッチャムの作品でしっかり記憶に残っているのはここを始めてから読んだ「隣の家の少女」くらいだが、クライマックスは強引なイメージが強い。論理的思考は意味をなさないし、そもそも解答編が用意されているお優しい代物では無いので、悪夢の決着を純粋に楽しむべきかと思う。だが、キャロルとリーとウェインの地獄のドライブの軌跡を辿れば「終わりよければ全てよし」とは言ってられないだろう...。
    風圧でフロントガラスに潰された羽虫達と同じ様に、進む事で犠牲となる命が余りにも多すぎた。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    今回、KILLERについての出現形態分析が大変興味深かった。
    連続殺人(シリアルキラー)は復讐と同時に有名人になるために殺す、大量殺人(マスマーダラー)はもはや生き延びる意思がなく一種の自殺の遺書として殺す。
    ふむ、名を轟かせた実在する過去の殺人鬼達の行動理念を知れば、「まとも」の維持に貢献されるのだろうか。それとも彼らの大きな闇と存在は、己を蝕むリスクとなるのだろうか。

    私は恐怖を知る事で恐怖を回避したいし、恐怖のフィクションに触れる事で現実の安息を再認識したいのだろう。いやはや、つくづく自分本位な奴だと思う。でも、平和が好きなのよ、ほんとよ( ´•ω•` )

    • ヒボさん
      NORAxxさんこんにちは♪
      さすが暗黒物好きとしてJ・ケッチャムはおさえてられますね☆
      私はオフシーズンからドハマリしましたσ(^_^;)...
      NORAxxさんこんにちは♪
      さすが暗黒物好きとしてJ・ケッチャムはおさえてられますね☆
      私はオフシーズンからドハマリしましたσ(^_^;)
      「嘘、そして沈黙」ゲットしてきたので、今読んでいるのが終われば手をつける予定です(^^)/
      2022/04/17
    • NORAxxさん
      ヒボさん、こんばんはー♪
      ケッチャムは好きで、昔よく読んでいた記憶があります。オフシーズン、内容は覚えていませんがそちらも代表作ですね。今度...
      ヒボさん、こんばんはー♪
      ケッチャムは好きで、昔よく読んでいた記憶があります。オフシーズン、内容は覚えていませんがそちらも代表作ですね。今度しっかり読み直してみます!!派手派手しさはなく、淡々とした狂気が恐ろしいんですよねぇ:(´◦ω◦`):プルプル
      本棚登録見ましたー☆登録ありがとうございます!!嬉しいです!!エログロサイコを堪能して下さいませ(笑)
      2022/04/18
  • 追いつめられた2人(キャロルとリー)は、殺人をおかした。

    だが、それを見つめる目があった。

    男(ウェイン)は2人を地獄のドライブに連れ出す。

    それは、想像を絶する殺人旅行の始まりだった。

    まさに「ロード・キル」。

    「オフシーズン」でケッチャム作品にドハマリした私には本作はおとなしすぎると感じてしまいました。

    確かにウェインはシリアルキラーと化し、何人殺したのかわからなくなる位に次々と人々の命を奪っていきます。

    でも、なんだろう...

    ケッチャム作品といえば残酷なまでの肉体的な苦しみと、異常心理の塊というのが私のイメージであり、求めるもの。

    そこからすると本作はおとなしい。

    確かに狂ってるんです。

    些細な理由で、ウェインの殺人リストに名前が載ってしまった人々が次から次へと人が殺されるんです。

    でもあまりにも簡単に死にすぎてる(銃で撃ち殺される)。

    もっともっとエログロスプラッターを期待していた為、私には物足りない...

    説明
    内容(「BOOK」データベースより)
    ウェインは密かな殺人願望を持っていた。一見するとごく普通の男性ウェインには昆虫や小動物などを殺し続けた過去があった。加えて隣人達の「犬のふんを掃除しない」といった些細な出来事を手帳に記し、「有罪」として復讐の機会を狙っていた。ある日、彼は恋人スーザンと散歩中、不意に彼女の首を絞めた。驚いたスーザンは咄嗟に逃走。だが、その時ウェインは偶然にも殺人現場を目撃。この日を境にして彼の心は次第に解き放たれてゆく。病めるアメリカをオフ・ビート感覚で描き切る超異常心理スリラー。

  • なんなの〜〜あたおか〜〜

  • いまいち覚えてないんだけど、面白かったハズ。

  • ずっと世間に対して鬱屈をかかえてた殺人犯が、最後に清々しい気持ちになって死んでいくのが腹立たしかった。周りの人たちや世間に対して「許す」なんて思ってるとこがまた腹立つわ。お前になんか許していらんから!
    この腹立たしさの為、読後感の悪さはあの「隣の家の少女」より、上。

  • ケッチャムの作品の悪役は驚くほど魅力がない
    よくこんな魅力なくって悪役張ってるよね?と一言言いたいくらいだ
    しかし本作の良さは冒頭で表わされる

     何かを傷つけなければ、この世は進めない
     たった一歩も
     いつも何かが災難に遭っている

     目の前に広がるハイウエイは、いわば弾道である
     彼が乗っているのは弾丸で、フロントガラスは弾頭だった
     生き物のうごめく夏の空を、彼はかっとんでいた

  • もう、狂ったようにジャック・ケッチャムを読み漁った時期があります。一冊手を出したが最後(確か「閉店時間」から)、間を空けたくない。「手元にケッチャムの物語がない夜なんて、過ごせない!これはどうしたことだろう!」なんてぐらい。病んでますね。

    ケッチャムの魅力といえば、実際にあった事件を元にした陰惨な物語に読者をぐいぐいとひきずりこんでしまうパワフルさと、読んでいて「あー分かる」と感じてしまう自分が嫌になるような人間描写だと思っています。
    冷え切って何も感じない心のウェインくんが恋人と嫌々セックス、そのさなかに「もう・・・さー、なんてかさ」と首を絞めにかかり、ここから物語もじわじわとウェインくんの狂気で満ちていきます。言い訳無用で血にまみれていく彼が背負うものが後半明らかにされていくのですが、だからといって同情の余地などなし。ウェインくんは最後までいさぎよいキラーのままでした。
    「オフスプリング」「隣の家の少女」などを続けて読んだあと、ほとんど内容を知らずに「ただいまケッチャム!」と飛びつくようにして読んだ本でした。
    他の本と比べると衝撃度は中程度ですが、ゆっくりと読めて面白かったですね。ああこの子はこのあとどうなるんだどうしよう、寝ないといけないのに気になって眠れない!と焦るほどではなく。

    猫度は☆☆☆

  • シリアルキラー。
    今回の殺人鬼は淡々と冷静に無差別に殺していき猟奇的な要素はない。
    ロードムービー系は嫌いだけどケッチャムだから許せる。
    オフビート感覚っていわれてるけど、テンポが良かったのは最後の方だけだし展開も読めちゃったんだけどな。

  • 殺人現場を見たことから、殺人願望を実らせてゆく男の話。
    あんまおもしろくない。

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著者プロフィール

ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)
1946年11月10日 - 2018年1月24日
ホラー作家として知られる。ボストンのエマーソン大学で英文学を専攻。卒業後は俳優、教師、営業、ライターなど様々な職業を経験するが、ヘンリー・ミラーの出版エージェントをしていたことはよく知られている。1981年『オフシーズン』で作家デビュー。1994年”The Box”で、ブラム・ストーカー賞短編賞を受賞して以来、多くの受賞歴がある。2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞。代表作に、実在の事件を元に、映画化もされたモダンホラー『隣の家の少女』。
(2018年5月10日最終更新)

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