ガラスの独房 (扶桑社ミステリー)

制作 : Patricia Highsmith  瓜生 知寿子 
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594021399

感想・レビュー・書評

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  • 冤罪被害者を主人公にしたサスペンス小説。
    『主人公がどうしようもない状況に置かれている』という設定はよくあるが、この『どうしようもない状況』を端的に表現するのに、『冤罪で投獄されている』という設定ほど有効なものはなかなか無いだろう。
    基本的にハイスミスの作品で、すっきりした結末を迎えるものは無いと思うのだが、本書に見られる理不尽さは普段よりも強烈だった。まぁ、主人公が冤罪被害者って時点でねぇ……。

  •  無実の罪で投獄された男が、看守に暴行され、医者に麻薬中毒にされながら出所。が、彼には投獄前の平安な日常は戻ってこなかった。きしむ妻との関係に、男は次第に狂気にとらわれていく。

     ハイスミスゆえという感じの理不尽な物語。
     まぁ、主人公が100%悪くないとはいえないのだけど、でも、その少しの落ち度というか、そそっかしいというか、注意力散漫というか、そういうものがもたらす悲劇はあまりにも大きい。
     それなのに、あまり主人公にシンクロできないんだよね。
     つか、これに出てくる人物、誰一人としてシンクロできる人間がいない。
     皆、それぞれに自我ばかりを通していて、他者を、隣人を見るということがない。
     
     ああそうか。
     これは、ある盲目の話なのかもしれない。
     見るべき時に、見るべきものを見なかった、目をそらした、目を閉ざした、そういったものがもたらす悲劇なのだろう……。

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