ダ-ティホワイトボ-イズ (扶桑社ミステリー ハ 19-1)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (737ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594022006

感想・レビュー・書評

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  • 極大射程のボブ・リー・スワガーシリーズ4部作の2作目。1頁目から飛ばす内容。
    なんと、いきなりチ〇ポの話から始まる。こんなピカレスク小説を読んだ事は無い。
    期待は膨らむばかりだが、読み始めると確かに脱獄や犯罪シーンはスティーブン・ハンターの筆が冴えるのだが、登場人物の詳細について件が冗長で退屈で仕方がない。また、正義の側の浮気の設定が余りににも安易な解決方法で納得行かない。
    700頁越えの長編で書かれる必要が有ったのか疑問だ。もっと凝縮してスピーディな展開の方法が良かったと思う。
    極大射程が面白かっただけに残念だった。
    ボブ・リー・スワガーシリーズと言っても番外編だが、次のブラックライトに繋がる話なので読んだけど本当に必要なのかな?
    これから、ブッラクライトを読むので答えが出るだろう。

  • 日本経済新聞社

    小中大
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    読書日記ナレーター 近藤サト(3) 『ダーティホワイトボーイズ』 命の重さ問う強烈な悪
    2019/10/17付日本経済新聞 夕刊

    スティーヴン・ハンターの代表作といえば『極大射程』だろう。ベトナム戦争に参加したアメリカ海兵隊退役軍人のスナイパー、ボブ・リー・スワガーとその父、アール・スワガーの活躍を描く「スワガー・サーガ」の第一作は抜群に面白い。











    だがきょう紹介したいのはスワガー・サーガの番外編にあたる『ダーティホワイトボーイズ』(公手成幸訳、扶桑社ミステリー)だ。主人公はオクラホマ州の重犯罪刑務所に収監されている終身囚、ラマー・パイ。刑務所内で黒人受刑者を殴り殺し、復讐(ふくしゅう)を恐れて脱獄、血まみれの逃避行を繰り広げるさまは「悪」以外の何者でもない。だが、不思議と心をつかまれてしまい、ページを繰る手が止まらなくなる。


    ハンター作品の主人公はうだつの上がらない、影を引きずる男が常。ラマー・パイの吹っ切れた暴走は異色だ。神々しいほどの悪。ハンターは何を描きたかったのだろう。悪役を通して、命の重さや生きるとは一体どういうことなのか、問いかけているのだろうか。


    強烈なバイオレンス小説は1回読めばもう十分となりがちだが、私は少なくとも3度は読んでいる。これほど夢中になるのは、銃マニアである著者の、微に入り細をうがつアクションシーンの描写によるところが大きい。ハンター作品の映画化がうまくいかないのは、オタク的な活字描写を映像では再現できないからだと感じる。


    現実には、銃社会は深刻な問題を抱えている。これはあくまで、活字の楽しみ。そして映像が手を出せない、優れた小説ならではの楽しみなのだろう。


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  • 最初全然面白くなかったけどバドが車のタイヤ痕調査で家に行ったあたりからかなりおもしろい。そこからは続き気になって一気に読んじゃった。描写がかなり生々しくてつらいとこもある。リチャードが第二のラマーになっちゃった。こいつ出所したら大変だ。

  • スワガー・サーガ二作目。これ読んだときはスワガー・サーガにリンクするとは思っていなかったんだけどねぇ。。

  • ダーティホワイトボーイズ (扶桑社ミステリー)

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    オクラホマ州立マカレスター重犯罪刑務所に収監されていた終身囚ラマー・パイはシャワールームで黒人受刑者を殴り殺した。黒人たちの逆襲を恐れた彼は看守を脅し、子分二人をつれて脱獄に成功する。迷いなく邪魔者を殺して進む、生まれながらの悪の化身ともいうべきラマーとその一行は銃を手にいれ、車を奪い、店を襲い、警察を嘲笑するかのように、ひたすら爆走し、破壊しつづける!『真夜中のデッド・リミット』のスティーヴン・ハンターが圧倒的な筆力で描く、驚異の悪漢バイオレンス超大作。

  • (欲しい!/文庫)

  • 例えばランボーみたいな映画を見て、やべー戦争怖いわー、ランボーが突然日本にやってきてばかすか撃ちまくったらどうしよう、なんてなかなか思わない。これが現在の米国での話になっても、でもやっぱりまだ現実感が無いというか、米国って怖いのねーって思うくらい。
    という大前提のもと、この話は純粋に面白い。悪いやつだって馬鹿じゃないんだし、何も考えずに生きてるわけじゃないし、って当たり前の事なんだけど、主人公をランボーとするなら、巨大組織の警察に立ち向かう孤独なヒーローの話ってところなんだろうか。

  • スティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズの番外編。
    本作だけ読むと、ボブ・リーの物語との関連性をほとんど見つけることができず、それゆえか日本語版は本作が最初に刊行されたという。この物語は確かに本作だけで完結しており、他の作品を読まなくても問題なく楽しめる。
    とはいえ、前作「極大射程」を読んでいれば本作の中に本当にチラッとだけ現れるシリーズとの関連性に、思わずニヤリとなるだろう。本作中に前作との関連性を見出せるのはここのみであるのだが。
    本作はタイトル通り、白人のワルどもの物語である。脱獄囚のラマー一味と不本意ながらもそれを追う羽目になるハイウエイパトロールのバドが、お互いの知恵を比べながら、追いつ追われつを繰り返す。
    前作とは異なり、かなり下品で、バドもコンビを組む若手巡査の妻と不倫をしているなど、お世辞にも正義の人とは言えない側面を持っている。だからこそ、生々しく、生き生きと描かれているのだろう、登場人物たちの行動や考え、悩みなどが直に伝わってくるようでのめり込む。
    ラマーは完全に悪党であるが、切れる頭を持ち、時折見せる優しさなど人間味あふれる側面もあるため、なんとも憎めない。
    前作とは趣の違う形で読者を虜にする作品である。この物語がどのように次作以降に関わってくるのか、それもまた楽しみの一つである。

  • ボブ・リー・スワガーシリーズの第二作。といってもボブ・リーは登場せず。まあ、関係は次作をお楽しみにということのようだ。
    登場する悪漢が何とも凄まじいワルなのだが、これが家族愛に満ちた人物だったりする。登場人物の殆どが家族に関する問題を抱えている、まさに家族がテーマなのだ。とはいえスピード感あふれる筆致は前作同様迫力がある。翻訳のまずさが指摘されているが、私はさほど気にならなかった。

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著者プロフィール

Stephen Hunter
スティーヴン・ハンター

1946年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。
68年ノースウェスタン大学卒業。
71年ボルティモア・サン紙に入社。
書評担当などを経て映画批評担当になる。
96年ワシントン・ポスト紙に転じ、
映画批評部門のチーフとなる。
2003年ピューリッツアー賞(批評部門)を受賞。

「2022年 『囚われのスナイパー(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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