孤独のグルメ (扶桑社文庫 た 10-1)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594028565

作品紹介・あらすじ

主人公・井之頭五郎は、食べる。それも、よくある街角の定食屋やラーメン屋で、ひたすら食べる。時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、彼はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。孤独のグルメ-。それは、誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為だ。そして、この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の「癒し」といえるのである。

感想・レビュー・書評

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  • イラストレーター|ヘイソン・ニャーさんの選書 1~2 | sotokoto online(ソトコトオンライン)
    https://sotokoto-online.jp/5482

    ヘイソン・ニャーのサイト
    http://heison-nya.hatenablog.com/

    孤独のグルメ|書籍詳細|扶桑社
    https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594028565

  • 10年ほど前に読んだが未登録だった。
    再購入して読んだら、やはり面白い。
    ドラマ版を家族で集中的に見ている。

    サボテンに囲まれた龍胆寺雄がナチュラルに出ていて笑った。

  • 読書録「孤独のグルメ」4

    原作 久住昌之
    作画 谷口ジロー
    出版 扶桑社文庫

    p123より引用
    “モノを食べる時はね
    誰にも邪魔されず
    自由で なんというか
    救われてなきゃあ
    ダメなんだ
    独りで静かで
    豊かで……”

    目次より抜粋引用
    “東京都台東区山谷のぶた肉いためライス
     東京都武蔵野市吉祥寺の廻転寿司
     東京都台東区浅草の豆かん
     東京都北区赤羽の鰻丼
     群馬県高崎市の焼まんじゅう”

     個人で輸入雑貨貿易を営む男を主人公とし
    た、グルメマンガ。同社刊行作加筆文庫版。
     仕事に使う物件を確認した帰りに、空腹を
    抱えたまま見知らぬアーケード商店街に迷い
    込んだ主人公・井之頭五郎。とにかく腹を満
    たしたくて、通りにあった食事処へと飛び込
    んだ…。

     上記の引用は、食事中にアルバイトに対し
    て横柄な態度をとり続けた店主に対する、主
    人公・井之頭五郎の台詞。
    日々の忙しさの中、食事中くらいはそのこと
    に集中したいものです。気分よく食事をする
    ことが出来るようなお店に出会えたら、それ
    だけで幸せなのかもしれません。
     ドラマにもなっていて有名な作品です。中
    年のおじさんが主人公で、街中の普通の食べ
    物を食べているだけなのですが、不思議な雰
    囲気が魅力です。背景の書き込みや、モノク
    ロなのに美味しそうな食べ物の絵など、しっ
    かりと作られているからでしょうか。
    作中の名前は違うようですが、実在している
    お店をモデルにしていて、実際に食べに行け
    るところも、ファンには嬉しいところでしょ
    う。
     主人公が食後にたばこを一服するシーンが
    良く描かれていますが、こういうシーンを描
    いた漫画が、そのうち読めなくなるかもしれ
    ませんね。

    ーーーーー

  • 私の食事観に大きな影響を与えた1冊。d○ncyuのキャッチコピーには「食こそエンターテインメント」とあるけど、同時に食とは大いなるヒーリングだ。欠乏感を満たしていく行為だ。
    ところで、「ぼっち飯」という言葉が嫌いです。一人で食べることはそんなに寂しくてやりきれないものなのか。そう思ってるとしたらその考え自体が寂しいので、今度からぜひ「孤独のグルメ」と呼びましょう。主人公の名言を挙げておきます。
    「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず 自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで・・・」
    私の座右の銘みたいなもんである。

  • 2020.3.8。Netflixでドラマ垂れ流しにしていたら読みたくなったので本棚から引っ張り出して。
    時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たす。素晴らしい事です。
    普段食事は『手間をかけずに、とりあえず腹に何か入れる』と言った具合で、外食でもしない限り、食事と食事の時間について特別な思い入れもない人間ですが、これを読んでると食事をもっと楽しめれば、それだけ1日の幸福感は高まるんじゃなかろうか、ひいては人生の幸福度は上がるんじゃなかろうか。そう思います。
    なかなか食事の時間もゆっくり取れない事が多いですが、もっと食事を楽しむ必要があるかもしれない。

    ちなみに原作の井之頭五郎はドラマ版よりスレているというか…ぶっきらぼうな感じですが、食事に対する熱量は変わらないです。そして1食に使う金額もリッチである。

  • こ、これは名作なのでは…!
    って、知ってる人にとっては何を今更!なんでしょうが勢い余って★5つ。
    結婚してからはひとりで遊ぶことが減ったが、学生時代の外出は、デート:ひとり:友達と=4:4:2くらいだったと思う。その真ん中の4の時間を思い出させる。もちろん主人公(輸入雑貨の貿易商を個人で営む独身中年男性)と学生時代の私とは違う点だらけだけど、ひとりで外で何か食べるのが生活の一部になっているとき、半分自覚的、半分無自覚に、醸成されていく「外食」(作中にはコンビニ飯も含まれてましたが)に対するこだわりって、ありますよね〜!とぶんぶん首肯しながら読んだ。別にグルメってわけじゃなくて。

    作中には、主人公の「結婚同様 店なんかヘタに持つと守るものが増えそうで人生が重たくなる 男は基本的に体ひとつでいたい」なんていう自分に酔っちゃってそうな渋い独白があったりするのだが、原作者によるあとがきの、「理想は野武士なんだけど全然そうなれない自分」の姿を読むと、現代日本でのリアリティを保つというルールのなかでめいっぱい、こんな男の人生なかなかいいよね!っていう理想を主人公に託してるんかなー、と思った。異性なので気にならなかったが、これの女性版を想像してみたら、面白くするポイントは、主人公女性をかっこよくし過ぎないことだなと思う。理想を託すのも難しい。

  • ゴローちゃんがひたすら食べるのを眺める簡単なお仕事。
    どうしてもドラマの音声で脳内再生されます。美味しそう。

  • 「文庫版!そういうのもあるのか」と思い、購入しました。ドラマは観たことがあったのですが、原作はこれが初です。
    最近はグルメマンガが増えていますが、この作品は異質です。”孤独の”グルメだけあって、ハードボイルドや哀愁が漂う食事風景になんだか切なくなります。しかし、孤独であっても食事を楽しんでいる様に、大勢での食事では味わえない自由さが感じられます。つまり、「一人ご飯って寂しいけど好き勝手できて楽だし美味しいよね!」ということが渋く描かれた作品です。
    もちろん食欲も刺激されます。私はうな丼と湯葉がひじょーーに食べたくなりました。夏なので丑の日にでも食べようと思います。

  • ずっと気になっていました。

    たまたま、近所の本屋さんで見つけて衝動買い。
    谷口ジローさんの画が好きなんで。
    なんとも不思議に面白い漫画でした。

    お話は。主人公は中年と覚しき男性で、個人で輸入雑貨取引の商売をしているビジネスマン。言ってみれば生業からして孤独な訳ですね。
    商売柄、色んなところに出歩く。
    短編の連作。毎回いろんな場所で、いつもごはんを食べ逃して、店を探して、入って、食べる。
    美味しかったりそうでもなかったりする。
    食べるものは大抵高くはない。ざっかけない食事。しかも下戸の設定。
    で・・・それでおしまい。
    ただそれだけのお話だけど、その土地の雰囲気なり店の感じなりそのときどきの心情なりが、繊細に独りがたりと画で綴られます。
    心情と言っても、大げさにドラマチックだったり感傷的なものは一切なく、「こういうタイプの店か・・・」とか「いくら丼も良いが今の気分ではない・・・」と言ったもの。
    雰囲気だけじゃんと言われればその通りなんだけど、言ってみれば潔いいまでの、「中身の無さ」が、狙いのハードボイルドというか。
    意味や感傷を徹底して排除していることが、すごく爽やかな表現というか。
    主人公は基本的にどうしようもなく、どちらかというとネクラなんですね。
    そして、悲しいかな知的なんですねぇ。
    それが、主人公常に孤独飯なんで、何の幸せでもないんですけどね。
    でも独りでひっそり食べる食事の瞬間の、密やかな幸福感というか、孤独をひっそり抱きしめたくなる感じなんですねえ。

    うーん。悪くないんですね。

    こういう漫画が物凄く売れちゃう国。そう考えると、僕は日本が好きですねえ。うん。

  • 井之頭五郎
    ひたすら食べる食べる食べる。
    飲まず(下戸)に食べる。
    見事に食べる。
    食べてる時は誰にも邪魔されたくない。

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著者プロフィール

1958年生まれ。マンガ家/ミュージシャン。美学校出身。滝本淳助とは、『タキモトの世界』や「東京トワイライトゾーン」(「タモリ倶楽部」内のコーナー。1989年に日之出出版から書籍化)などでコンビを組んだ。

「2015年 『滝本夢絵日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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