日本オタク大賞2004

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594044183

作品紹介・あらすじ

ガンダムSEED/実写版セーラームーン/千と千尋の神隠しアカデミー賞/リカヴィネ/KILL・BILL/HDDレコーダー/グリーングリーン地上波でモザイク/藤岡弘、探検隊復活/鬼太郎茶屋オープン/天本英世さんetc.2003年のオタク的出来事をジャンル問わず縦横無尽に完全解説。

感想・レビュー・書評

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  • 【共著:唐沢俊一 日本オタク大賞実行委員会】

  • CS放送でやってる番組を本にしたもので
    今年で3回目らしいです。
    審査員は唐沢俊一・岡田斗司夫・氷川竜介・藤津亮太・
    東海村原八・鶴岡法斎・本田透・片岡秀夫・勝俣健太・
    塩崎大平@シャア専用ポータル・おたっきぃ佐々木・
    メガミマスク・笹峯あい、といった面々。
    やはりというべきかアニメがまぁメインになってるわけですが
    それ以外の出来事でもオタク的な出来事なんかにも触れてます。
    250ページくらいの本なんですけど
    読むのに十数時間かかりました。
    なぜかというと、注釈がめちゃめちゃ多い。
    アニメとかものすごい膨大な量になるわけで
    アニメとか見ない普通の人はもちろんですが
    ジャンルが細分化してしまった今では
    オタクの人でさえすべてを把握するのは不可能らしく
    そういう意味でも作品ごとの注釈は必要みたいです。
    あと発言のフォローも注釈されてたりするんですが
    その注釈のつけ方のオタクっぽさがまた面白かったり。
    2003年のオタク的な物事を総括してるんですが
    オタクの世界でも世代問題であったり細分化の問題であったり
    あるいは文脈ではなく物事単体で捉える人が増えすぎたりと
    いろいろと問題が表面化してきてるみたいです。
    HDD&DVDのレコーダーの普及によって
    オタクの生活環境に地殻変動が起こったって話も興味深いです。
    この本はホントに”いわゆる”オタクに特化した本で
    キル・ビルなんかはホントは分からない人が見たら分からない
    そういうオタク映画なはずなのに
    オシャレっぽい文脈で語られてるからダメだとか
    押井守とか手塚治虫は
    オタク的な記号というかアイコンというか
    そういうものを意図的に廃していてアートっぽいから
    オタク的な文脈ではあんまり歓迎されてない感じだとか
    そういうのが見えて面白いですね。
    ショタコンの語源が鉄人28号の正太郎くんだとはビックリでした。
    大賞はガンダムSEEDだったんですが
    オタク界全体の構図がSEED論争の中で見えた
    というのが理由っぽくて
    しかもその構図って割と現代社会の縮図のような部分があって
    やっぱりどんなジャンルでも時代性って反映されるんだなぁと
    妙に感心したりしました。
    実行委員会の岡野勇さん的にオタクというのは
    造詣が深いのはもちろんだけど
    それを文脈で語れてなおかつ
    人に伝えていこうという意志があるかないか
    という部分が大きいようです。
    ガンダムSEEDについてのとこで語られてたんですが
    ガンダムSEEDからガンダムに入った世代は
    昔からガンダムを見ている世代が
    例えば1stガンダムと比較することに対して
    それそのもので判断しろと言うらしいのですが
    ガンダムと名を関している以上は
    やはり比較されてしまうと思うし
    1stからの文脈で語られると思うんですよね。
    それを1stまで遡れるだけの好奇心があるか
    SEEDで萌えてグッズ集めて満足か
    の違いがオタクかライトオタクかの違いみたいですね。
    最近はオタク的なものに関して
    ライトオタクが増えているようなのですが
    それはたぶんどの業界でも一緒なんだろうなぁと思います。
    それがいいのか悪いのかはわかんないですけど。
    僕は音楽が自分の中でメインなんですが
    やっぱり音楽を語る際に
    それそのもので語ることもしますけど
    文脈の中で語ることも多いですから
    自分がこれだと決めたものに関しては
    文脈で語れた方がいいんじゃないかなと思ったりはします。
    ガンダムの世界観が後から付け足されていったことを知らず
    最初からあんなに完璧な世界観で1stが作られたと思ってる人が
    若い人に多いという話に驚いたんですが
    根本的な間違いを犯さないためにも
    ある程度は文脈の理解が必要だと思いました。
    萌えについての特集なんかもあったんですが
    あれは正直きついです・・・。
    リカヴィネ・萌える英単語なんかを調べてみれば
    どれくらいきついか分かるかと・・・。
    地上波でモザイク入れたアニメ流すとか在りえんだろう(笑)。
    まぁそれはおいといて。
    オタクのディープなせ界にどっぷりな人も垣間見たい人も
    どちらもなかなか楽しめる本になってるんじゃないでしょうか。
    次回が楽しみです。

  • 濃い様で淡々とした日本素描。

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著者プロフィール

1958年生まれ。作家/評論家。と学会運営員。大学在学中からアニメ、演劇関係の仕事に携わる。トンデモを近代サブカルチャーとしてとらえる立場から、と学会の活動に参加。『奇人変人偏愛記』(楽工社)『スコ怖スポット東京日帰り旅行ガイド』(ごま書房)など、著書多数。TV番組「世界一受けたい授業」の先生役などとしても活躍中。

「2011年 『トンデモ本の世界 X』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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