- Amazon.co.jp ・本 (593ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594049836
感想・レビュー・書評
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犯人が追い詰められていく様にハラハラした
後味の悪さが彼の作品らしい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分にとってケッチャム作品はこれが2作目。
構えていたよりも鬼畜度は抑え目で、どちらかと
いうと人間の内面がジワジワと崩壊していく様を
かなり冷淡に根気強く描いた、ある意味陰湿な
作品のような気がします。
もともとイカれていた? 主人公の「レイ」のある夏の
殺人事件の冒頭から入る今作ですが、そもそも、
その「レイ」が人格破綻者に至る経緯も一切なく
どこの都市にも普通にこういったヤツは普通に
暮らしているんだぜ...的な描き方が恐い。
鬱屈して行き場のない若者の苛立ち。
その冒頭の事件の犯人である「レイ」にたどり着きながらも
決定的な証拠を挙げれずに放置させている刑事の
鬱屈。このネガティヴなオーラが暴発した時に再度
「レイ」は凄惨な事件を引き起こす。
その引き金が”シャロン・テート事件”という構成は
圧倒的な上手さ。褒められる話しではないんだがw。 -
20100917
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購入してから一年を経てやっと読了したケッチャムの新作。この緊迫感、息苦しさ、読み進めるのが辛くなって本を閉じたくなるけれども、それでもやめられないこの感覚……やはりケッチャムはケッチャムだった。
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ケッチャムの中でも好きな方
追いつめられてとそっからの暴発が良い感じ -
2009/5/25読了
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たのしい。おもしろい。指がどんどんページをめくる〜
おまけ的ヨロコビ・・・ラスト,「レイ」がガチムチアフリカ系にーちゃんに刑務所でヤられるシーンはおいしかったぁ☆
ごちそうさま〜
ふぇてぃっしゅ的たのしみ・・・「ギンプ」.....猫のなまえ。おきにいり。 -
高校生が殺人を犯していく話。
ケッチャム作品の中で一番の長編というから、さぞかし猟奇的なことが詰まってるのだろうと期待してたが、“シチュエーションを丁寧に描いている”というだけでソフトな仕上がりだった。
「隣の家の少女」は越えれませんねぇ。 -
後味最悪な所がケッチャム氏らしくてすごかった。
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昨今の社会情勢から、てっきり自主規制がかかったのかと思っていた、
ケッチャムの久々の新刊!
なんの理由もなく、キャンプ場に来ていた二人の少女を撃ち殺したレイ。
刑事のチャーリーとエドは、最初から彼を疑っていたが、証拠がなく逮捕できなかった。
4年後。
レイは麻薬とセックスに明け暮れるだけで、特に何も起こさない。
チャーリーは、レイがボロを出すようにプレッシャーをかけるが……
あらすじだけだと、割とおとなしめ。
……いやー、やっぱり初っ端から狂ってました。
後味も悪いし(いいのないけど)
今までと比べて、登場人物が多い。
全体の3分の2くらいまでは、それぞれの生活や、
暗い過去も含めて、キャラクター造型がかなり描かれていて、
それが「殺されないで!」と「どんなひどい目に遭うんだろ……」
という相反した感情移入をすることに。
特に主人公と言えるレイは、短期で偏執的、女と麻薬のことしか頭になく、
プライドが異常に高い様子が積み上げるように書き込まれ、
物語が進むに連れ、彼の中で圧力が高まり、ひび割れれていく様子がわかり、ひどく緊張させられる。
そして、ついに爆発し……
ちょっと平野耕太の『ガンマニア』を思い出しちゃった。
漫画化してくれないかな(笑)
いつものように犯罪の理由は描かれない。
この作品も、ラストに至る過程は細かく描かれているけど、
最初のキャンプ場での事件の理由は書かれず、レイの人格形成も全く描かれない。
ケッチャムは天才だと思うんだよねぇ。
悪も正義も語らず、ただ単に起きている鬼畜な事柄だけを描写する。
しかも、救いのないラスト(『老人と犬』は例外か)
よく、本の売り文句に徹夜本って使われるけど、ケッチャムはまさにそれ。
読み終わるまで安心できない。
ちなみに、オススメもしない。